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オンデマンド・ビジネスへの道

変化への即応力こそ企業の価値を生む

 

第2回:顧客起点のビジネスに変身する!

昼下がり、食後のコーヒーを飲みながら、e課長は考え込んでいた。
隣のPachiも同様に考え込んでいたが、その内容はまったく違った。


Pachi: それにしてもIさんって、いったいどういう人なんでしょうね、課長。
e課長: えっ?

顧客のニーズを効率よく収集する方法を考えていたe課長は、一瞬返事に詰まった。










Pachi:やたら経営とかITに詳しいし。
e課長: 確かにな。
実際にIさんに直接会っているのはPachiだけなので、e課長にはそれ以上答えようがなかった。
e課長: 的を得たアドバイスをしてくれるものね。一度、会ってみたいな。
Pachi:そうですね。時間をとってもらえるかどうか、聞いてみますか。
e課長:うん。A商事のことでもう少し詳しく聞いてみたいこともあるしな。
Pachi:と言うと?
e課長:先のメールで、「A商事では各地の営業拠点がマーケティングセンターの役割を果たしている」とあっただろう。あれはどういうことなのかなあ。
Pachi: ちょっとお誘いがてら、連絡してみますよ。

昼休みの後、「もし時間があったら直接お目にかかってお礼を言いたいのですが、どうでしょうか?」とメールを書いた。そして、先のメールの「A商事では各地の営業拠点がマーケティングセンターの役割を果たしている」について、どういうことなのか上司も聞きたいと言っていると書き添えた。

セールスする営業から顧客の声を聞く営業へ

Iさんからのメール1


TO:“Pachi”
件名:営業拠点がマーケティングセンターの役割を果たす

会議が長引いて返事が遅れてしまいました。
それと、会う時間はなかなか取れそうにないので、そのうち時間が取れたら連絡しますね。

さて、表題の件ですが、A商事では顧客ニーズや市場の変化に敏感に対応するために、最前線の営業組織の意識改革というのか、営業の顧客へのアプローチを大きく変えました。

それまでは、顧客に対して製品を売り込むのが営業マンの仕事でした。普通はそうですよね。でもA商事では営業マンに、「こういう問題はありませんか」とか「この製品はどうしたらもっと使い勝手がよくなるでしょう」など、できるだけ顧客のニーズを聞き出すようにしたんです。営業マンというよりマーケティング調査員みたいな感じでしょうか。“売る営業”から“情報収集する営業”への転換ですね。そうして集めた顧客ニーズなどの情報を本社に収集して、それを経営戦略や商品戦略に反映させているんです。

各地の営業拠点がマーケティングセンターの役目を果たしているというのは、こういうわけなんですよ。上司の方にうまくお伝えくださいね!

p.s.そんなことを説明した図を添付します。お役に立つかしら?

Pachiはe課長にメールを転送した。しばらくするとe課長がやってきた。








e課長:また振られたな。
Pachi: 彼女、いったいどんな仕事しているんですかねえ。そんなに忙しいのかなぁ。この前なんか朝の5時にメール書いたりしているし。謎だ。
e課長: まあ、そのうち連絡してくれるって言うから、待ってみよう。それより、「営業拠点がマーケティングセンター」というのは、ああいう意味だったんだな。営業も顧客中心に変わる必要があるわけだ。
Pachi: “売る営業”から“情報収集する営業”へ、ですか。
e課長: そういうことだ。今度、社長にもこの話、紹介してみようかと思うんだ。戦略会議なんかでも「顧客指向」「顧客起点」とか言葉は出るんだけど、その仕組みや実践に話が進まない。具体的にどうしたらいいのか見えないんだよね、きっと。先月の会議でも??

e課長の話はなかなか終わりそうにない。Pachiは「さてはe課長、次の戦略会議で社長に話すときの予行演習をしてるな」と考えていた。

流れない情報、活かせない情報






















e課長: ウチの場合、まあどこでもまだそうだと思うけど、Iさんの言う“売る営業”だよね。顧客から「この製品が欲しい」と言われてから持っていくというご用聞きのような営業だっているらしい。
Pachi: そういうんだったら楽でいいですよね。
e課長: 「楽」じゃ困るよ。ウチの営業マンの場合には担当が決まっているからさ、自分の担当顧客についてはよく知っているはずなんだ。顧客にあれこれ苦情も言われるだろうし、「こんな製品があればいいんだけどな」なんて要望も出されるだろうしさ。
Pachi:営業はつらい!
e課長: Iさんの話を聞いてみて、そういう顧客の苦情や要望が大事な情報なんだと気づいたよ。
Pachi: でも、苦情や要望を「貴重な情報」なんて思っている営業マンはなかなかいませんよ。せいぜい、「この客は口うるさいなあ」くらいにしか思わない。
e課長: そうだろうな。それに、ウチにはそうした情報を収集する仕組みがないしね。だから、そんな情報は個々の営業マンの頭の中に止まって出てこない。せいぜい、同じ営業所のチーム内で愚痴のタネになるくらいだろう。
Pachi:でしょうね。
e課長: まず、そんな情報を収集する仕組みを考えないとな。
Pachi: 毎週一回「営業マン愚痴大会」を開いて、顧客からこんな苦情や要望が出たと発表してもらいますか?
e課長: ・・・・・まあ、そんなところかな。A商事ではどうしているんだろうなあ。どんなふうにして、営業最前線から顧客のニーズに関する情報を収集しているんだろう。それに、その収集情報をどんなふうにして全社で活用しているんだろうな。何か上手い方法があるんだろうか。そのあたりをぜひ聞いてみたい。
Pachi:Iさんに聞いてみましょうよ。
e課長:そうだな。


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