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「IT経営百選選考委員会」が選出した、21世紀のモデルとなるIT経営企業。最優秀賞に選ばれた企業のなかには、驚くほどの成果を上げている中堅企業が数多く見受けられます。
付加価値企業として復活を遂げる中堅企業が続々登場
IT経営百選最優秀賞を受賞した、北陸の縫製工場。一度は大手アパレルから下請け契約を破棄され、廃業寸前まで追い込まれました。地域の同業者がさらなるコスト削減に追い込まれて瀕死の状況となるなか、インターネットを活用したBtoCのビジネスモデルで新規顧客を開拓して、下請けから脱却。消費者と直に高付加価値製品を取引する事業を興し、見事に付加価値企業として復活を遂げました。
また、関西の電動集塵機・送風機メーカーは、営業から生産までのデータを一貫してコントロールすることで、見積りの精度を飛躍的に向上させ、完成品在庫をゼロに。これによって、利益率20%以上という超高収益を上げています。ちなみにこのメーカーでは、中国などでの海外生産は行っていません。付加価値は「人材」にしか生み出せないという考えのもと、徹底した内製化で付加価値を高めています。一方で、従業員の給与も業界でトップレベルを誇っています。
固定費を下げて収益性を上げるのではなく、高い固定費と高い収益性を両立させて、従業員と顧客の満足に応える。そんな経営をITの高度活用で実現している企業が、IT経営百選最優秀賞に選ばれています。
マーケットが買い手市場に変化していることを認識せよ
ではなぜ、IT経営を実践できる企業と、できない企業に分かれるのでしょうか? ポイントは『マーケットがこれまでの売り手市場から買い手市場に急速に変化していることを経営者がきちんと認識しているか』だと言えます。IT経営百選選考委員会の委員長を務める上村孝樹氏はこう語ります。
「大量生産・大量消費の時代は終わりました。黙っていても経済が発展し、安くてそこそこの品質のものを納期通りに作ってさえいればマーケットで消費される。そんなプロダクトアウトの状況は、もはや通用しないのです。マーケットは買い手市場でますます細分化し、個別の多彩なニーズにきちんと応えていくことができなければ、これからの企業が生き残っていくことはできません。しかし、まだまだ“高度成長期”の成功体験をベースにした経営に浸っているのが現状です」
そんななかで、IT経営百選に選ばれている企業の経営者は、自社の強みや独自性、こだわりなどをきちんと認識し、どうすれば変化するマーケットに応えていくことができるかを絶えず真剣に考えていると、百選委員会は指摘します。
「ITは、そんな経営者の思いに応える画期的なツールです。ITを上手に活用すれば、企業規模に関係なく、複雑化するマーケットに対応できる。そこにいち早く気がついた経営者が、今の成功をものにしているのです。IT経営を進める上では、コンピューターに詳しいかは関係ありません。どんな企業もIT経営で高収益に生まれ変わることができる可能性を秘めている。私はそう考えます」(上村氏)
IT経営が課題解決のカギになる
IT経営百選委員会では、ITの高度活用によって「好調な業績を上げている企業」「独自のビジネスモデルを構築した企業」「経営の自立を図った企業」「経営をオープンにした企業」「顧客や従業員、地域社会一員として満足度の向上を図った企業」などの項目で応募企業を分析・評価しています。
裏を返せば、IT経営を推進していくことで、こうした課題をすべて解決していくことも可能なのです。今、事業上でさまざまな問題を抱えている経営者にとって、IT経営は大きな光明になるといえるのではないでしょうか。
次ページでは、具体的な「IT経営百選」最優秀賞企業の事例をご紹介いたします。
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