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M&A戦略、ゴールまでの道程

M&A成功のカギは、迅速性と組織設計

組織・事業を可視化して素早い意思決定

タブの始まり

 

戦略グループで数々のM&Aを手がけてきた丸山 洋 が語る

M&Aは事業戦略を実現するための手段。対象企業とのシナジー(相乗効果)を目的とした、戦略的M&Aが増えています。では、実際にM&Aを進める場合にはどのような手法で進めていくべきなのでしょうか。IBMとLenovoの事業提携で、IBM側の統合チームのジャパン・リーダーを務め、数々のM&Aも手がけてきたIBM ビジネスコンサルティング サービスの丸山 洋に、M&Aの手法とその流れ、留意点について聞きました。

顔写真 丸山 洋(まるやま・ひろし)
IBM ビジネスコンサルティング サービス(株) 戦略コンサルティング サービス マネージング・コンサルタント

事業会社勤務の後、プライスウォーターハウスクーパース・コンサルティング参画、IBMとの事業統合を経て現職。現在は組織変革、ポストM&A統合を専門領域とし、公益、通信、ハイテク・メーカー等の民間企業のほか医療・教育など公共組織に対しても、責任者として同コンサルティングを多数実施している。

中堅企業の狙いは、技術・企業規模・範囲拡大・後継者対策

——日本市場の現在のM&Aの状況を教えてください。
ご存知のように、昨年2005年の日本でのM&Aの件数は2,725件となり、ここ10年は年々増え続けています。従来見られた割安企業に投資し、リストラして高く売却することを狙うフィナンシャル・バイヤーより、自社の戦略実現のために積極的にM&Aを進めるストラテジック・バイヤーが増えてきているのが最近の傾向です。

——大手企業にとどまらず、中堅企業のM&Aも増えています。
M&Aには主に4つの類型が見られます。1つめは企業規模を大きくしてバイヤーからのプレッシャーを緩和する。2つめは範囲の拡大。例えば、進出を希望する地域をテリトリーにする企業と提携するというケースがこれにあたります。3つめは特有の技術・機能を手に入れる(強化する)ため。4つめは後継者対策。これは中小企業特有といえるでしょう。相応しい後継者がいないときに他企業と提携したり、場合によっては創業者利益の確保のために売却するといった例も含まれます。

M&Aには段階がある

——一般的なM&Aの一連の流れを教えてください。
まずは戦略策定して、ターゲット企業の要件を定義したら、Stage1のプレM&Aとなります。ターゲット企業の探索をし、1社を決めて基本合意を締結。この段階で重要なことは、何を目的にM&Aを実施するのかを明確にしておくことです。 次がStage2の交渉・契約。買収評価などの財務から事業形態まで詳細な調査をするビジネス・デューデリジェンスはここに含まれます。契約条件を策定したら、締結。次がいよいよStage3のポストM&Aです。新しい事業体を立ち上げ、戦略に向けて施策を実行する段階です。

——一気呵成にいくのではなく、戦略策定から始まり、次のステージへと段階を踏んでいくのですね。
2つの企業が1つになるのですから、一気に強引にまとめようとしてもうまくいきません。コンサルタントの間では、M&Aは結婚に似ているといわれます。収入などの詳細な条件を調べて、相手を選んで、気持ちと条件が合ったら、どんな生活を送るかを決める。そして結婚して一緒に暮らす。結婚までに互いを知ることが大切。Stage1とStage2の段階を踏まないと離婚となってしまうことが多い。M&Aでも同じです。人々の心理は、相手を疑う→顔を覚える→相手を理解する→協働する、という段階をたどります。いきなり、うまく事業統合をしようとしても無理。段階を踏むことが大切です。この点は特に日本市場では留意しなければならないでしょう。

一般的なM&Aの流れ
戦略策定、Stage1 プレM&A、Stage2 交渉・契約、Stage3 ポストM&A。一般的なM&Aの流れ



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