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製造業が変化と競争の時代を勝ち抜くための秘策とは…

[第2回] ビジネス・プロセスと製品情報の統合こそ企業パワーの源泉!

時代の勝者に導くPLMの魅力を探る

製造業の勝ち残りへの道とは…

「ものが売れない時代」といわれるなかでも、市場に支持され、売り上げを伸ばしている商品は存在しており、それはいくつかの傾向への分化が進んでいます。

(1)高価でありながら、揺るぎないブランド・バリュ−を確立したもの。
(2)他の追随を許さない独創的な高付加価値化を達成したもの。
(3)市場にシンクロしたタイミングとスピード感で、顧客が求めるものを競争力ある価格で提供するもの。

(1)は、極めて一部の企業に限られますので、多くの企業の場合には(2)・(3)特に後者の体制を早急に築くことがポイントになるでしょう。
そして、(1)~(3)のどの項目にも共通していえることは、「製品の提供は製造者の意図や都合からではなく、それを求める市場の要求に沿って行われなければならない」というマーケット・インな思想の徹底です。そのためには、ビジネスのあらゆる局面で、ものづくりの情報を共有し、さらにビジネスを支えるそれぞれの要件や情報を、製品企画や設計に反映させる体制づくりが大切です。

また、開発期間の短縮とコストの圧縮を両立させる施策としては、製品ごとに部品の開発や調達を行ってきた旧来の体制から、部品の共通化や流用を図る流れに変えること(機種適合から部品適合へ)などがあげられます。ここでも、インターネットを活用することで、国際入札や製品プロジェクト間を超えた共同調達体制などを行うことにより、より有利な条件での調達が可能となります。

一方、リソースの有効な再利用は、生産段階においても追求されなければなりません。例えば、ラインのモジュール化を図る。あるいは部品工場の分社化や外部へのOEM委託、さらに生産フェーズだけでなく設計~試作~部品調達~生産までを、トータルにアウトソーシングするEMS(Electronic Manufacturing Service)などのビジネス・モデルも、すでに米企業などでは一般化が進んでいます。まさに開発環境は、地域や国境を越えた分散化が進められているのです。

そうなると、これまでモノづくりの上流部門に閉じられがちだった設計データを、さまざまな部門で必要に応じて引き出し、活用する体制づくりが求められ始めます。そこで3次元CADによって電子化された設計データを管理し、設計~生産を貫く流れの中で、効率的な共有・再利用を図ろう、と生まれた仕組みが、すでにお馴染みのPDM(Product Data Management)でした。

進化
PLMへの進化イメージ

時代趨勢は、IT投資効率の向上に追い風

以上のように生産環境が国内各地に分散したり、協力会社へのアウトソーシングを図ったり、さらに国外への生産シフトも続く傾向の中で、販売チャネルも拡散化と複雑化を進めています。だからこそ、社内外を貫くコラボレーションを築く姿勢が、益々重要になっているのです。

そのためには、重要な経営資源である情報のスムーズな流通~活用を図るIT戦略が不可欠な要素です。旧来情報化の成果は、コストと比例関係にありました。つまり、より良いパフォーマンスを得るためには、より多くの投資が必要だったのです。しかし、加速度的な革新が進む情報技術は、必ずしも大きなコストを要せずに大きな効果を上げることを可能にしてくれました。

例えば以前なら、分散化した生産拠点間を結ぶ回線の確保や運用は、ごく一部の大企業にしかできないことでした。しかし、インターネットの普及やその下でのVPNなどセキュリティー技術等の発達、そしてブロードバンド化の趨勢の中で、それほど大きな投資をしなくても、大きなデータをやりとりすることが可能になったのです。

3次元設計データの活用と戦力化

3次元の設計データ量は、確かに大きなものとなりますが、いま述べたようなネットワーク環境の進歩によって、その伝達路の確保も容易になってきました。
そもそも立体物として製造される製品を、そのまま立体として表現する3Dデータは、開発や設計部門の発想やものづくり姿勢を刺激するとともに、デジタル・データならではの自由で柔軟な加工性も魅力です。すなわち各製造工程や営業、マーケティングなど、それぞれの部門がそれぞれに必要なレベルで正しい形状を理解したり、検討したりする企業文化の醸成にも役立つのです。

例えば、図面から最終製品の形状を想像するには、相応の技術的バックボーンや経験が求められます。しかし、デジタル化された設計データなら、立体モデルを起こすDMU(Digital Mock Up)なども簡単に実行できます。したがって、図面に習熟していない商談先の担当者にも正確な製品イメージを伝えることができるのです。

さらに、製品データを構造解析、強度解析、流体解析などにリンクさせ、設計精度アップと工期短縮を実現する。あるいはデータ上の数値実験によって、試作プロセスそのものの削減や、実機での計測実験等の時間とコストを圧縮することが可能になります。

また、各段階におけるデータ更新履歴や製品情報は、企業全体のナレッジ資産として蓄積されていきます。更にこれまでのデータベース主体のナレッジの蓄積に加え、CATIAにも製品の設計・製造等に関する企業ノウハウを集約する「ナレッジウェア」の機能も加わり、開発プロセス全般における部門間・企業間のコラボレーションを一層、推進することが可能になりました。これらの時系列に沿った各種データ、各プロセスにおける暗黙のノウハウを集約・活用することにより、よりクオリティーと競争力の高い製品の市場投入を可能にし、また設計時点から分散化した製造工程のあり方やプロセスごとに要する時間や生産性、人的リソース配分の最適化を立体的にシミュレーションするデジタル・マニュファクチャリングなども実現するのです。

製造業のあるべき姿を、トータルに築く戦略的ソリューション“PLM”

いまPLMに関して、さまざまな定義がされています。しかし端的に言えば、以上のようにマーケット・インな姿勢を基盤としながら、製品とビジネス・プロセスの革新を進め、他の追随を許さない体制を構築~堅持するトータルな仕組みこそが、PLMなのです。そもそもPLMとは、時代変化に対応した戦略的な視点から、製造業を明確なビジネスゴールに導くために、IBMとダッソー・システムズ(以下DS)が提唱し、確立させたコンセプトです。
旧来のPDMは、設計データを設計~生産を貫くプロセス間で効率的に共有・再利用するものでした。ここに、デジタル・マニュファクチャリングによるモノづくり全般に関わる“時系列のデータ管理”を含めて、経営戦略全体へのインテグレーションを図る新たな企業戦略としました。−それが、IBMの提供するPLMソリューションといえます。

現在、すでに多くの企業には、顧客満足を追求する“CRM”や、スムーズな商流を築くための“SCM”、全体最適による企業戦略の羅針盤を築く“ERP”などが導入されています。さらにそれらは、経営管理や意思決定などのためのシステムとつながっているはずです。IBMが提唱する“PLM”は、その中にしっかりと組み込まれ、協調して機能することで、製造業の企業体としてのあるべき姿を、トータルに築くことができるのです。

PLMの位置付け
IBMが提唱するPLM。その位置付けイメージ。

PLMを推進する具体的ソリューション

IBMはDSとのコラボレーションの下に、以上のようなPLM実現への核となる3次元CADツールなどをはじめとする具体的なツールやソリューション群を用意。トータルなサービスを提供することができます。

例えば“CATIA V5”は、既に前バージョンでも定評のある3次元機能だけでなく、優れたユーザー・インターフェースの下に、これまでプロセス間に分散し、埋もれてきた暗黙知やノウハウなどの知的財産の保存や再利用にも貢献してくれます。さらに、CAD/CAM/CAE間の連携はもちろん、CRM、ERP、SCMなどとの有機的な連携を実現し、PLM本来のあるべき姿の構築を実現します。

CATIAによって定義された製品情報は、“SMARTEAM”及び“ENOVIA”というコラボレーションのためのソリューションによって、企業革新や品質向上、コスト削減、製品化時間の短縮、工業標準確立などを実現。さらに“DELMIA”がしっかりとプロセス・リソース定義を行います。しかも、これらのソリューションは、すべて共通フレームワークであるオープンなアーキテクチャ上で構築されているのです。したがって、共通の“PPR(Product Process Resource) Hub”を通してそれぞれのモデルの透過性を実現。相互に自在なアクセスを可能にし、CRM、ERP、SCMなどの企業システムとのシームレスな連携をも可能にするのです。

PLMの範囲とSolution
PLMを推進する具体的ソリューションのイメージ


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