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9つのポイント

基本的な考え9つのポイント 1.クオリティ 2.リーダーシップ 3.プロセス 4.知の創造と活用 5.時間とスピード 6.パートナーシップ 7.環境保全と社会責任 8.情報に基ずく経営 9.グローバリゼーション

「経営品質向上を進める9つの基本的な考え方」

1.クオリティ
クオリティの語源であるラテン語のクオリスとは、性質の明らかさを意味しています。このことからもわかるようにクオリティとは、品質の高低ではなく、目的に合わせて適確か否かと考えるべきものです。そしてこの目的とはお客様が評価するものです。お客様は単に製品やサービスだけを評価するわけではありません。企業の考え方や姿勢、態度など様々な観点から評価をします。クオリティとはそのようなお客様が評価するすべての要素を対象としています。
つまりクオリティとは、自社のビジネス・モデルをどう構築し、いかなる独自能力を発揮していくかという戦略概念です。これらを明確にし、その創造と構築を図るためには、まずお客様が価値を認めるものは何であるのかを把握しなければなりません。そのような価値のなかで自社はどのような要素に応えていくのか、それを鮮明にしていく事が必要です。

2.リーダーシップ
経営幹部には経営品質を高めるためのリーダーシップが求められています。まず経営ビジョンを通じて、企業として社会にどのように貢献していくのかを明らかにする事が第一です。次にその事を社員やパートナーの方々にも理解してもらうように働きかけることが必要です。そして、社員やパートナーが自主的に能力を発揮できるように広範な支援をしていただきことが大切です。そのような一連の行動によって、創発が生まれてくるようなオープンでフェアなプロセスを作り上げるのが経営幹部のリーダーシップなのです。
経営幹部に期待されるとことは、経営品質向上活動の全体に及ぶ積極的関与です。社内外のあらゆる機会を通じて、継続的に経営品質向上の主旨の徹底を図ることです。徹底が不充分ならばリーダーシップの発揮の仕方を変えてみることも必要かもしれません。経営品質向上活動が根付かない最大の原因は、経営幹部のリーダーシップ不足といっても過言ではありません。

3.プロセス
プロセスとは、お客様にとって「高い価値」つまり「クオリティ」を企業が関連する組織やパートナーと連携して作り出し届ける活動のすべてをいいます。
クオリティは"結果"に限定されるものではありません。クオリティはそのような結果を生み出すプロセスにこそ存在するのです。プロセスが上手くいっていない場合には、そのプロセスの目的に対する関係者の合意が不充分な場合がほとんどです。プロセスを決定付けるのはものの見方であり、それが関係者に共有化していなければ不完全なものになります。  プロセスには次のような5つの重要命題があります。

(1) プロセスには動態的な全体である。
(2) プロセスは相互に結合し、かつ相互に影響し合う諸部分から構成される。
(3) プロセスの行動は、その諸部分の協働から生じる。
(4) プロセスの性質は、その部分の単なる総和ではない。
(5) 思考のレベルを意識的に変えることによって、プロセスを分解したりあるいはより大きな全体に統合することができる。

この重要命題に当たって必要なのは、全体的思考法です。全体的思考法とは、より広い視野に基づき、より大きな観点を起点にし、多くの影響要員を考慮する統合的、結合的な思考法です。

4.「知」の創造と活用
企業における価値は知識によって創造されます。しかし、個人の知識がいかにあっても、それが共有され、交換されなければ組織的にはなりません。個人の知識を相互作用させることによって、その企業の独自能力が形成されていきます。
社員が個人として知識を共有する為には教育研修がありますが、これだけでは十分とはいえません。あらたな独自能力を創造するためには、当面の仕事とは直接関係のない知識が必要となります。これは制度的な教育研修などでは習得しにくいものです。多様な情報や知識に触れる機会を社員が主体的に持てることが大切です。外部の研修機関に参加し、他企業の人々と自由に話し合う事が効果的かも知れません。あるいは様々なボランティア活動に参加し、日常とは全く異質の経験をする事もあるでしょう。しかし、そのような事を企業が企画し実行すると、従来の教育研修と同じようになってしまいます。そうではなく、社員が自由に主体的にそのような機会に参加できるように企業は支援を行うべきです。

5.時間とスピード
限られた時間で課題を解決しようとすると、目的を強く意識した行動を取るようになります。ここで大切なのは、何を選ぶかと同時に何を捨てるかをも明確にする事です。
一定の時間のなかで価値を創造していくのが企業活動ですから、そこでのプロセスはどのように時間を配分するかという問題に行き着きます。戦略性の乏しい企業は、捨てる意思決定がなかなか行われません。
また、今日のように先行き不透明な環境下で、状況が明らかになってから対応する事は確実に後手に廻ってしまいます。状況がわからないので、まず実行して、機敏に方向を修正していくような方法が必要なのです。このような素早い方向の修正を「俊敏な経営」と呼びます。そのために必要なのは、俊敏性を企業風土として共有化することであり、第一線社員が当事者能力を発揮できるような組織の形成です。

6.パートナーシップ
プロセス思考、全体的思考を徹底するためには、企業外部の取引先やお客様との信頼し合える関係が重要になります。かけひき的、支配隷属的な取引関係はパートナーとの全体プロセスを無駄の多い冗長なものにします。パートナーとの間にも価値観、思考法の共有化を行い、協力して価値創造を行っていく必要があるのです。このパートナーシップは、お客様、株主、社員、ビジネスパートナー、取引先等の利害関係者とのフェアな関係を意味します。
パートナー企業との関係を単なる売買面の取引プロセスとしてではなく、相互に協力したお客様満足プロセスとして認識する事が大切です。ここでも障害は自己中心主義なのです。

7.環境保全と社会責任
企業が外部に対して公正でなければ、それは内部にも悪い影響を与え、企業内からフェア・プロセスが失われてしまいます。また不公正は、社員の誇りや意欲を著しく減退させていきます。
遵法、企業倫理や道徳、環境保全など社会的責任といわれるものは、もはや社会から要求される責任というよりも、主体的な責任であると考えるべきです。社会が求めるから仕方なく対応するものではなく、企業が自らの存在価値を問うために主体的に積極的に行うべきことなのです。いまだにこれらの課題を単なるスローガン的に扱っている企業がありますが、これらの課題は経営の具体的目標として明確にしなければなりません。そうでなければ実現が先延ばしされてしまうからです。

8.情報に基づく経営
日本経営品質賞は価値前提を重視していますが、それは事実を軽視する事ではありません。価値前提を第一義として、その立場から事実を取り扱うのです。危険なのは情報をもたないことです。情報がなければ事実が分からないため、スピードもタイミングも失われてしまいます。また情報が不足していると、勝手な憶測や見当はずれの推測などによって誤った意思決定が行われやすくなります。そして無根拠で空疎な議論に終始しやすくなります。
情報は経営幹部にだけ必要なのではありません。第一線社員が適確な判断を行うためにも必要です。つまり情報は整理、統合され組織全体に共有化されることが大切なのです。情報があっても、その整理・統合がなされていなかったり、情報を必要とする人が活用できるようになっていなければ、情報が欠如しているのとまったく同じです。また情報が特定階層や特定部門にのみ限定されていると、派閥化や官僚化の原因ともなります。

9.グローバリゼーション
日本経営品質賞は特定の国の経営スタイルを見本にするものではありません。それぞれの国固有の文化は十分に尊重しなければなりませんが、国際的な商取引において公正と認められる経営を目指します。
また国際的な競争環境下では、従来の日本的経営が急速に競争力を失いつつある業界も多く現れています。日本だけで通用する、日本人にのみ通用するという経営は、国際市場から排除されてしまいます。広く世界の経営モデルに視野を広げ、積極的に企業のグローバル・プロセス化を推進していく事が必要です。
もちろんグローバリゼーションは、日本固有の良さや独自の能力を100%排除するものではなく、世界との調和を考えるべきである事を示唆しています。


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