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- 高まるプロフェッショナル育成ニーズに自社で培った実践的なプログラムで対応
- ナレッジが資本の時代ではどうコントロールするかが課題に
- IBMの経験とノウハウを活かして統合的な人財マネージメントの提案を
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対談:人財活用の指針2
高まるプロフェッショナル育成ニーズに自社で培った実践的なプログラムで対応
前川
人財育成という面ではもうひとつの柱であるプロフェッショナル育成についての関心が高まってきていると感じます。こちらは人事部ではなく、Line Of Business(LOB)、つまり現場からの引き合いが多いですね。
例えば、ソリューションの提案力の高い人財を育成する『セールス道場』というプログラムがあるのですが、これが大変好評でリピートを数多くいただいています。
図7:セールス道場の標準スケジュール

杉浦
やはりIBMで実践してきたものをプロダクト化したのですか。
前川
はい。当社のマーケティング・スクールという営業研修をベースに、ロジカルシンキングなどのコンサルティング技法を取り入れています。内容は個々のお客様ごとに、営業戦略・プロセスをヒアリングして構築しますが、座学に加えて、実案件を対象にした実践を繰り返すところが大きな特徴です。マンツーマンで個別指導を行い、「知っている」ではなく、「実際にできる」レベルまで指導します。
杉浦
アクション・ラーニングですね。畳の上の水練だけではなく、実際に海にも出て鍛えてみよう、そのほうが効果があがるということです。やっと"業務をすることそれ自体がラーニングである"という理解が定着してきた感じがします。
今は人事制度だけでなく、人財育成の仕組みが注目されています。英語でヒューマン・キャピタルと言ったり、日本語で「人財」と書いたりするように人財育成はコストではなく、コアコンピタンスを高めるための投資です。投資の対象は設備から株式に移り、今はものすごい勢いで人財にシフトしています。ナレッジが企業の業績を左右する時代になったということですね。
ナレッジが資本の時代ではどうコントロールするかが課題に
前川
人財育成にどれだけ力を入れているかは、採用にも大きく影響してきます。中堅企業であっても、どんなキャリアパスや人事制度をそなえているかが問われることになります。すでに欧米では、仕事と私生活のバランスを考えたワーク・ライフ・バランス(WLB)をどのように考えている企業なのかが採用力を左右するようになっていますが、今後は日本の企業もWLBの課題に取り組んでいくべきだと思いますね。
杉浦
WLBはダイバーシティ(多様性)と相互に関連し、かつリーダーシップ開発にも関係する難しい問題だと思います。会社の都合としては、グローバルにリーダーシップを発揮できる人を配置したいと考えますが、個人から見れば子供の教育とか、配偶者の仕事といったWLBの問題に突き当たるわけです。しかもキーとなる人材だからこそ発生する問題です。これらは相容れないものかもしれません。IBMとしてはWLBにどう取り組んでいるのでしょうか。
前川
在宅勤務や週3日勤務など人事制度を柔軟にするとともに、環境を整備して働く場所と時間のフレキシビリティーを高めています。ただ、意識と実態のギャップがあって、かえって仕事がプライベートを侵食してWLBに逆行しているように見えなくもありません。
ナレッジを使う仕事はどこでもできるだけに、ジョブの見える化が必要です。ロールごとにどのように貢献したのかという貢献度の評価と併せて、仕事と生活のバランスがとれるよう、配慮しなくてはなりません。
杉浦
どうコントロールするかがキーになりますね。ナレッジが資本ということを突き詰めるとクリエイティビティーにたどり着きます。創造性はいわゆる「管理」の対象にはなりにくいですね。コントロールしようとするとかえって萎えてしまうところがあるからです。同時に、創造性が高ければ圧倒的に生産性があがるのも事実です。自分自身で商品開発にかかわっていたときに好きだった言葉に「ノリ・ハナ・オニ」というものがあります。クリエイティビティーが発揮されるのは、周りが見えないほど突っ込んでハイテンションになっているときです。それをコントロールするのは不可能です。
シンプルで確実なことをアウトソーシングしていくと、手元に残るのは複雑で不確実なものだけになります。それをこなすのがコア人材ですから、リーダーはクリエイティブでなければなりません。しかし、クリエイティビティーはコントロールできないとなると矛盾が生じてしまいます。これは容易には解けない問題です。
前川
機械的に管理できないとすると、人間が個人を見るしかありません。"個を見てケアする"というのがひとつの方向性なのかもしれませんね。
IBMの経験とノウハウを活かして統合的な人財マネージメントの提案を
杉浦
人財の育成が個に向かって絞り込まれ、LOBから直接人財育成の相談が来るようになると人事部門の役割も変わってきますね。むしろ人事部門自らが変わるべきなのだとは思いますが。
前川
人事部長の要件も変わってきています。今は、人事の専門家というより、ビジネスをいかに知っているかという"Know the Business"の視点から選ばれるケースが増えてきているようです。
杉浦
昔、外資系企業の人事担当責任者の経験もあり、今までのアドミニストレーションとしての人事ではなく、人財マネージメントとリーダーシップ開発の人事を別ラインで設けたことがあり、自分自身その担当となりました。
前川
当社の調査では、人事担当責任者が人事部門はビジネスの変革を主導的に進める役割を担っていると考えているという結果が出ていますが、実際には変化への適応力の育成、リーダーの不足、WLBなど数多くの重要な課題に直面しています。
人財マネージメントの変革にはさまざまな要素が複雑に絡みあっていきます。適切な人(People)に適切な役割(Role)と情報(Information)を提供すること、スキル(Skill)の強化とモチベーション(Motivation)向上を図ること、すべてが重要です。これら5つの要素の頭文字から「PRISM」というコンセプトで、単体のソリューションではなく、統合的な人財マネージメントの仕組みをご提案したいと考えています。
杉浦
その要素全体で人財戦略を実現していこうというわけですね。ただ、実際に前に進めてゆくには相当なパワーがかかりそうですが。
前川
人財マネージメントは「運用」が鍵になります。当社のコンサルティングでは、仕組みの定着化までご支援することが重要だと考えており、当社自身の運用ノウハウもご提供しています。
杉浦
人財マネージメントの面でもIBM自身がグローバル企業ですから、インターナルに蓄積されたものがたくさんあるはずです。自分たちにとってあたり前だと思っていても、社外から見れば新鮮に思えることも多いものです。もう一度外部からの視点で見ると新たな発見があるかもしれません。ぜひ、そうしたアセットを提供していただきたいと期待しています。
関連サイト紹介
変化するビジネス環境の中で、企業に求められる変化への「適応力」。その実現のための人財戦略、人財マネージメントについて特集したWebサイトをぜひご参照ください。
『世界的人材獲得競争の時代が来た−人材戦略のパラダイム・シフト。今求められる3つの力とは』
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