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未来企業のあるべき姿 〜中堅企業に関する分析〜

「IBM Global CEO Study 2008」を発表。中堅企業のさらなる成長に必要なもの。

中堅市場における未来企業の5つの成功の鍵。

中堅企業にフォーカスしたIBM Global CEO Studyを発表

IBMでは、世界の主要企業のCEOを中心にアンケートを2年ごとに実施し、その結果を「IBM Global CEO Study」として報告しています。第3回目となる今回は、1,000人を超えるリーダーの方々から貴重なご経験やご意見を伺うことができ、さらにその中から136人の「中堅企業のCEO」の皆様の声に焦点をあてた「中堅企業に関する分析」をリポートさせていただきました(中堅企業とは、社員数1,000人未満の会社と定義します)。調査の中で、財務情報が開示されている企業については、売上・収益などの業績を回答企業中の同業企業の平均と比較し、業績のよい企業とそうでない企業の回答の違いを分析しました。平均値を超える業績を示した企業を「業績のよい企業」とし、平均以下の企業を「そうでない企業」とし、この2つのグループを分析することによりさまざまな考察を得ることができました。

「未来企業のあるべき姿」をテーマに行われた今回の調査の結果、日本を含む世界のCEOが描く未来企業の成功の鍵は、業界や地域、そして企業規模の違いを超えて、次の5つの方向性を持つものであることが明らかになりました。

「中堅企業のCEO」にとっても、この5つの方向性に対する認識は共通のものですが、中堅企業固有の問題もあり、変革の必要性と実行力の間に大きな隔たりがあることが分かりました。以下、5つの方向性に沿って中堅企業の課題を概略していきます。

変化の速さを機会ととらえる

中堅企業のCEOは、大企業のCEOよりも抜本的な変革の必要性を認識していますが、変化への十分な対応ができているとはいえません。変革を成功に導くための実行力という観点では不安を抱いています。調査対象全体と比較し、中堅企業では、今後3年間で必要としている変革の度合いと、過去の変革実現度合いの間に、より大きなギャップが存在します。

図1:中堅企業のチェンジギャップ(変革を実現することの難しさ)
調査対象者全体と比べると、変化への対応は、中堅企業のCEOにとってより難しい課題である。

必要とされる変化の度合いと過去の変革実現度合いのチェンジギャップ比較図。調査対象企業全体22%、中堅企業29%

顧客の想像を超える

急速に発展しつつある新興市場では、着実に中流層が増えてきており、影響力を増しています。そして成熟した市場では、高齢化した団塊の世代が所有する資産の多くが、その子供達に継承されようとしています。このように、富裕層の台頭はグローバルな傾向として見られ、新たな富裕層は製品やサービスへの需要を喚起し、多くの企業に新しい成長の機会を提供しています。またインターネットを利用して、商品特性や価格を比較し、豊富な知識に基づいて物品を購入する「ネットワーク顧客層」も増えています。中堅企業のCEOは、これらの傾向を歓迎するとともに、新しい人口構成や地域のニーズに応えるためには、業務に大幅な変更を加える必要があることも理解しています。
業績のよい企業はそうでない企業と比べると、新興富裕層および「ネットワーク顧客層」の両方に対してより多くの投資をしています。業績のよくない企業は、成功している競合他社に追いつくために、今まさに、今後3年間で顧客への投資額を増やそうとしているところです。

図2: 業績のよくない企業は、今まさに追いつこうとしている
業績のよくない企業は、新興富裕層の拡大による機会をとらえ、「ネットワーク顧客層」へサービスを提供するために投資を増やそうとしているが、まだ業績のよい企業に遅れをとっている。

拡大する富裕層への業績のよくない企業の投資(投資の増加41%)と多くの情報とネットワークを持つ顧客への業績のよくない企業の投資(投資の増加26%)の比較図

世界中の優れた能力を活用する

グローバルな経済環境が進展するにつれ、中堅企業のCEOは、世界中の資源(能力)を自在に活用する「グローバル・インテグレーション」がより一層求められると認識しています。あるCEOによると「競争の激化した経済環境のもとに、ますます狭くなる」世界で成功を収めるためには、従来よりはるかに広範囲でのコラボレーションを迅速に実現できるようにすること、そして新しいビジネス機会に対し、即時に世界中の経営資源を最適配置し直せるようにすることが必要とされています。

図3:中堅企業のCEOは新しい能力とスキルに注目している
グローバル・インテグレーションの実現方法について、7つの側面から中堅企業のCEOに回答を求めた。

グローバル・インテグレーションの実現方法について、7つの側面から比較した図

ビジネスの常識を破壊する

中堅企業のCEOは、大企業よりも果敢にビジネスモデルのイノベーションに取り組んでいます。今後3年間でビジネスモデルを抜本的に変革しようとしている企業は、調査対象全体では69%であるのに対し、中堅企業では74%を占めています。その理由として、「商品・サービスだけに依存していては差別化が困難である」ことに加えて、「技術革新によって変革の選択肢が増えた」ことを挙げています。

図4:業績のよい企業はリスクに果敢に立ち向かう
業績のよい企業はそうでない企業と比べると、企業連携モデルとインダストリー・モデルのイノベーションをさらに追求する。

業績のよい企業(イノベーションの取り組み95%)とそうでない企業(イノベーションの取り組み67%)を比較図

社会問題に誠実に取り組む

顧客、社員、投資家など、企業を取り巻くステークホルダーの間で社会問題への意識が高まるにつれて、CEOは企業の社会的責任(CSR = corporate social responsibility)の実践に奮闘しています。中堅企業のCEOは、大企業のCEOと同様にCSRを前向きにとらえており、69%のCEOがCSRは利益につながると考えています。この領域に投資する準備を進めている企業では、今後3年間でCSR施策への投資額を34%まで増額することを計画しています。

図5:中堅企業のCEOはCSRに意欲的である
中堅企業は今後3年間で、CSRへの投資を3分の1超増加しようとしている。

調査対象企業全体(投資の増加25%)と中堅企業(投資の増加34%)の過去3年間の投資と今後3年間の比較図


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