
タブの始まり
- 開発が性格に合わないことに気づいて営業に異動を願い出る
- お客様の要望に対して「なぜ?」としつこく理由を尋ねる意味
- 「神田さんだから選んだ」とお客様に言われたときの喜び
- 仮想化でサーバーを延命するという提案も
- お客様と一緒に考えられる深みのある営業を目指したい
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1983年に、日本海側初の「日本IBM一次特約店」として営業を開始した株式会社 丸新システムズは、新潟県内で数多くのPower Systems™の導入実績を誇るパートナーです。また、System x®、BladeCenter®での仮想化システム構築の実績も多く、高い技術力と業務スキルによって流通業と製造業分野を得意としています。2009年には、ミッド・マーケット・エクセレント・パートナー東日本地区を受賞しました。今回のトップタレントは、インフラ系スキルと業務系スキルを持つ、オールラウンドタイプの営業パーソンです。
トップタレント
株式会社 丸新システムズ
ソリューション営業本部 ITプランニング営業部 係長
神田 洋助(かんだ・ようすけ)氏
開発が性格に合わないことに気づいて営業に異動を願い出る
入社当初は開発にかかわっていたとお聞きしましたが…。
はい。新卒で入社したのは2002年(平成14年)なんですが、最初の4年半は開発を担当していました。プログラマーからはじまってシステム設計もやり、いわばSEの卵のような仕事をしていたんです。でも、2006年秋になって、自分から希望して営業に移りました。
なぜSEから営業に?
大学で情報処理やプログラミングを勉強していたこともあって、開発担当で入社したのですが、実際にやってみると性格的に合わないことがわかりました。ひとところにじっとしているのが好きではないんです。それに、入社当時からコンサル営業を目指したいという希望がありました。そこで、会社に願い出てみたわけです。
会社の人はどういう反応でしたか。
会社の同僚や上司は驚いたようですが、トップは入社当時の希望を覚えていてくれたようでした。SEとしてのモチベーションも限界にきていて、不満が溜まっているのも見抜かれていたようで、
むしろ早く移れと背中を押されるような状態で、即決でした。開発を一緒にやっていた同期の一人も、同じ時期にサーバーのインプリメント部門に移ったのですが、彼とは大きな新規案件でタッグを組んで、大変な競合を勝ち抜きました。本当にありがたい仲間だと感謝しています。
営業一筋が多い社内にあって、開発SE上がりというのは珍しいかもしれませんが、お客様目線でものを見ること、業務の理解度の高さ、ハッタリを言わないことなどは、逆に今の私の武器になっているような気がします。今となっては、開発にいたことを感謝しています。
SE時代と営業とでは、お客様への接し方は違うのですか。
SEというのは、お金のことをあまり気にしないんです。お客様が望んでいるならば、それを実現しようと動くのがSEの発想です。ところが、営業というのは、基本的にまずお金が問題になります。
ときには、「残念ながら、それはできません」と断らなくてはなりません。もっとも、いまだにSE的な考え方から脱けだせないものですから、お客様から要望があると、「ああ、そうですね」とすぐに納得してしまうんです。おかげで、会社に戻って報告すると、「お前はSEなのか、営業なのか、どっちなんだ」とよく苦笑されます。
お客様の要望に対して「なぜ?」としつこく理由を尋ねる意味
お客様と接するときには、どういう点に留意していますか。
お客様が抱えている課題を、根本まで聞き出せているかという点です。それこそが営業の大切な仕事だと思うのです。先日、お客様の会社に出向いたときに、出荷業務の現場の方からこんな相談を受けました。「出荷品の一覧がわかるリストが出力できないか」というのです。卸売業のお客様なんですが、導入されているシステムは、入力された受注データを受注システム用に変換して、さらに出荷システムに流していくという仕組みです。なぜ、出荷リストが必要なのかを尋ねると、
「受注データが変換されるまでの時間が長くて待っていられない。受注があったらすぐにデータを見たい」とのことでした。そこで、時間がかかる理由を調べてみると、システムを担当していた方が退職なさっていたことがわかりました。運用の問題だったのです。そこで、「専任の担当をおけば問題は解決します」とアドバイスをしました。
お客様の要望をただ聞くだけでは、必ずしも問題の解決にはならないんですね。
そうなんです。「じゃあ、一覧がすぐに出力できるようにしましょう」という対応でも、お客様の要望に応えたことになるのですが、それでは根本的な解決になりません。お客様の要望というのは、実は原因に行き着いていないことが多いのです。ですから、そうした要望があると、私は「なぜ?なぜですか?」としつこく聞くことにしています。たとえば、お客様から「パソコンが欲しい」と言われて、単に売るだけなら誰でもできます。でも、「なぜパソコンが欲しいんですか」と目的を確認していけば、場合によっては、もっとよい解決方法を提供できるかもしれません。
「神田さんだから選んだ」とお客様に言われたときの喜び
神田さんが新規開拓に成功した例には、どんなものがありますか。
当社では、基幹システムを新規に契約することを新規開拓と呼んでいます。そうした意味では、昨年、売上200億円前後の上場企業の基幹システムに、IBMのブレードサーバーを採用していただいたのが大きな新規開拓となりました。さきほども触れましたが、インプリメント部門に異動してきた同期とタッグを組んだ結果による成功です。それまでもプログラム改修のお手伝いをしたり、パソコンを一括して納入したりというお付き合いはありました。そしていよいよ、「サーバー置き換えの提案をしてほしいと」いう依頼を受けたのです。このお客様は、前の営業から引き継いだもので、結果的に10年がかりの新規開拓でした。
どういう点が成功のポイントになったのでしょうか。
実は、受注直後やキックオフで先方の担当者の方と飲む機会があって、「提案内容はどの会社も同じだった」と言われたんです。「こちらの希望に対して、どこからも同じような回答を得ていた。ハードについても、大きな違いはなかった。でも、最終的に神田さんが担当だから選んだんだ」
このことばは、本当にうれしかったですね。でも正直なところ、なぜそう言われたのかまでは分析はできていません。突き詰めてみると、人と人との相性なのかもしれませんね。
いや、お話ししていても、穏やかで真摯な人柄がわかります。それが先方に信頼されたのではないでしょうか。
どうなんでしょうか。いずれにしても、ぐいぐいと押していくやり方は性格的にも無理なので、いわゆる営業一筋の人とは違うと言われます。まあ、技術的なことがわかる営業ということで、お客様に重宝されていることは事実ですね。
仮想化でサーバーを延命するという提案も
新潟地区の中堅企業のお客様は、どのような課題をお持ちですか。
やはり、景気の低迷ですね。一昨年のリーマン・ショック以降は、さらに状況が悪化しています。
「新しく買うお金がない」というお客様は以前からいらっしゃいますが、現在は保守料金のような必須と思われる部分にも手をつけて、コストダウンを図るお客様が増えています。首都圏では景気回復が言われていますが、ここ新潟では1、2年ほど遅れて回復するのが常ですから、もう少しこの状態は続くでしょう。お客様の話を聞いていると、なんとなく底を打ったような印象は受けますが、残念ながら上向いているというところまでは行っていません。
そうした経済状況のなか、どういう営業活動をなさっているのですか。
保守をやめたいというお客様には、基本的にはお願いしかありませんね。必要なものはご理解いただくように説得するわけです。そんななかで興味深いのは、「仮想化でサーバーを延命したい」という提案をなさるお客様が増えていることです。今は大きな投資ができる状況ではないし、メーカーのサポートも終わってしまった。そこで、仮想化によってサーバーを1年か2年ほど延命してから、大きな投資をしようというわけです。仮想化 / 統合については導入事例も非常に多く、深い知識と経験を持ったSEも豊富におりますので、全社を挙げてこの分野に積極的に取り組んでいるところです。
IBM製品についてはどのような営業が有効ですか。
「障害に強い」「可用性が高い」という2点を表に出して提案しています。
とくに、ブレードサーバーは二重化されているのが大きな強みになっています。加えて、中堅企業のお客様に評価していただいているのが「資産の継承」という点です。各社の製品スパンが短くなるなかで、IBM製品ならば一昔前の機械でも使えなくなるということがありません。いつまでも安心して使えるという点は、私どもも強調しています。
お客様と一緒に考えられる深みのある営業を目指したい
丸新システムズの得意分野を紹介してください。
販売管理、生産管理など、お客様の基幹業務に強いという点がまず挙げられます。しかも、基幹システムの提案から、開発、運用まで一貫してサポートしているのが一番の強みです。最近、ハードで力を入れているのがブレードサーバーで、仮想化を中心にしたサーバー統合も得意にしています。また、Power Systemsを見直して展開しようとも考えています。オフコンというと、古くさいイメージを持つ人もいますが、放っておいても安定稼働するという点で、非常に扱いやすい機械だと思います。しかも、20年以上前のプログラムがそのまま動くことを考えると、初期投資は多少かかるにしても、将来的に安心して使えるシステムではないでしょうか。『日経コンピュータ』5月12日号には、当社の推進する国産機のWinback事例が掲載されて大きな反響を呼びました。
こうした事例に代表される国産オフコン機からの置き換えの取り組みを、強力に推進しています。
一方で、クラウドとの関連でASPサービスも展開しています。6月14日には、情報漏洩防止を目的としたメール誤送信防止サービスをプレス発表しました。ISMS取得企業やホスティング業者などを対象に全国展開を図っています。メール送信対策としては、Coa-gateというSaaS形式のソリューションを用意しており、相談事項専用のウェブサイトも公開しています。経営サイドはメール分野を伸ばしていきたいと考えているようですね。
社内の雰囲気はいかがでしょうか。
年齢層からいうと、若い人とベテランとで構成されている感じです。ここ数年は、中途入社の方もかなり多くなってきました。当社にないスキルを持った方が増えると同時に、これまで当社になかったやり方を取り入れることで、社内は活性化しています。一度当社を辞めて、また戻ってくる方も少なくありませんね。IBMから出向している方もいらっしゃいます。多様な性格や価値観を持つ人がいるということが、当社の強みになっているのかもしれません。社内は家族主義でフラットな組織を目指していて、言いたいことを気軽にわいわいと言えるのは居心地がいいものです。他社の人にも「おたくの会社は仲がいいですね」と感心されています。トップに対しても、言いたいことが直接言えますので、私も意見があるときはなるべく言うように心がけています。休みの日にも、よく会社の人と登山やキャンプに出かけています。もともと家の中にじっとしていられない性格なので、バイクや車なども楽しんでいますが、とくに入社してから上司に誘われてはじめた登山が好きですね。私の家からは車で30分も走ると1000m級の山があるので、日帰り登山はほぼ毎週楽しんでいます。
今後は、どのような営業を目指していきますか。
お客様から信頼される営業になり、「神田さんでなくてはダメだ」と言われるようになりたいですね。なるべく業務の深いところまで入っていって、お客様と一緒に考えられる深みのある営業を目指したいと思います。具体的にいうと、最近では、IBMのCPS(Customer Planning Session)の手法を取り入れて提案をしています。お客様とともに、その業務内容を聞きながら課題を洗い出していくわけです。私がそう考えるのも、コンピューターを売るだけでは、「結局、どのベンダーから買っても同じじゃないか」と言われてしまうからです。お客さんと絆を深めるためにも、まずはコンピューターを横に置いて、より業務面に特化した形でお客様と話し合うことが大切だと思うのです。
そして、業務の課題を洗い出したのち、そこにコンピューターをあてはめて問題の解決を探るといった方法をとっていきたいですね。
