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日刊工業新聞社による米IBMのリース部門トップのインタビュー

(c)2005 日刊工業新聞社
2005年10月26日

IBMを支える巨大銀行

IGFゼネラルマネージャー
ジョン・キャリーズ氏に聞く

IBMのグループ内に巨大な“銀行”がある。事業内容はITソリューションに関連した(1)リース(2)貸し付け(ローン)(3)リース期間終了後の資産回収(アセットリカバリー)−が3本柱。顧客数は12万5000社、リース資産は41カ国で総額350億ドル(約3兆9000億円)にのぼる。これらを一手に担うのがIBMの金融子会社、IBMグローバルファイナンシング(IGF)だ。IGFゼネラルマネージャーのジョン・キャリーズ氏に現状と今後の展開を聞いた。

「IGFは銀行と同じような性格だが、ローンやリース業務のほか、IT設備の残存リスクを含め、技術にかかわるリスクを扱っているのが相違点だ。もちろん、これらはITソリューションを提供するためのものだ」


「グローバルでは81年。ちょうど、コンピューター機器の販売モデルをレンタルから売り切りに転換した時だ。高価な機器を購入するためにはファイナンスサービスが必要との判断から、IGFが組織された。エンドユーザー向けのリースのほか、パートナー向けに運転資金の支援なども行っている」

「日本では83年にスタートし、過去22年間で資産総額は40億ドルと、米国に続き2番目に大きい。総勢250人体制を築いており、拠点は東京、幕張(千葉県)、藤沢(神奈川県)、沖縄にある。04年実績では顧客先は5000社、取引件数は1万件に及ぶ」


「IT投資を抑える意味でも重要なサービスだ。オフリース(リース終了)となったレガシー(旧式)機器の処分や、不要となったパソコンの買い取りなどはその代表だ。機器を処分する際は単に廃棄するのではなく、環境問題や個人情報保護法への対応が不可欠。このため再資源化やデータ消去などの処理をきちんとできる体制を築いている。国内では他社の機器を含め、四半期単位で2万5000点、年10万点を扱っている」


「ソフト、ハードなど他社製品を含め、当社が一手に引き受けてファイナンスを組み直すこともある。レガシーの他社製品であっても、市場価値がまだ残っていればその分は勘定する。技術の陳腐化や資産管理に伴うリスクを、ユーザー側からIGF側に移転するのが我々の役割だ。そこに通常の銀行にはない独自のノウハウがある」


「我々は競合他社では扱い切れないリスクを取り扱いながら、ITのすべてのレンジをカバーするファイナンシングソリューションを提供している。ソフト、ハード、サービスをパッケージ化し、月単位で使用料を設定する形態などがそれ。IT機器は顧客先にあっても当社のデータセンターにあってもよい。IT資源の利用量に応じて料金を支払うユーティリティー料金もその一つで、IBM本体と協力して提供している」


【記者の目/“黒子”の役割ますます拡大】

IBMの中にあってIGFはまさに黒子のような存在だが、商談の後押しなど有形無形の役割は多く、IBMのビジネスを円滑に進めるための潤滑油として欠かせない。一方でIGFの収益性は高く、IBMの総利益の10−15%を占めているという。オンデマンドの新潮流の中で、IGFが担う役割が今後ますます大きくなっていくのは間違いない。(編集委員・斎藤実)



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