1994年-トピックス-
「VISION21」―21世紀へ向けた経営指針を発表
- 北城社長就任から一年後、21世紀に向けた経営指針「VISION21」を発表。先進的な技術力をもって日本の情報化、 国際化に貢献し、豊かな社会を実現する、個性に満ちた企業グループを目指し、「お客様志向の会社」、「情報産業の変革をリードする会社」、「自由闊達な会社」の3つのビジョンを柱とした(1月)。
5年ぶりの増収増益を達成
- 1994年度の決算で、当期利益ベースで5年ぶり(経常利益ベースでは6年ぶり)となる増収増益を達成。戦略的重点分野に位置づけたPC(5割強)、ワークステーション(2割強)、大型機(3割強)、SI(2割強)、アウトソーシング(7倍)などの分野が好調であったことと、1993年から徹底的に行ったビジネス構造の変革やコスト削減などの全社的体質改善の成果。
「IBMグローバル・ネットワーク(IGN)」を開始
- IBMコーポレーションが世界規模で総合ネットワーク・サービスを提供する「IBMグローバル・ネットワーク(IGN)」を開始した。IGNは、それまでのテキスト中心の通信サービスにマルチメディアを対応させたことが特徴。ATM(非同期転送モード)など最新技術を利用し、マルチプロトコルに対応した通信を、全世界で一貫したグローバル・サービスとして提供した(11月)。
課長職以上に年俸制を導入
- 1993年の経営改革に伴う様々な人事施策の一つとして、5000人を超す課長職以上の社員に初めて年俸制を導入。実績と連動した賃金体系を業界に先駆けて採用したことで、業績主義の徹底、経営参加意識の効用、組織の活性化などの効果を狙った(3月)。
新職種体系「スペシャリスト制度」を導入
- SE/サービス系を含む営業部門の社員を対象に新職種体系「スペシャリスト制度」を導入。若手の営業、SE/サービス系社員が、将来進路と必要なスキルの関係を明確に理解し、「プロフェッショナル専門職」を目指す環境を整備するもの。1992年1月から施行した、全世界IBM共通認定資格制度「IBMプロフェッショナル専門職制度」は入社15年以上の経験を持つ社員を対象としていた。多様化・高度化・複雑化するお客様の課題や期待に、的確に応えられる特化型スキルを持つ人材をスペシャリストとして育成し、チームとしての総合力をより強化することが目的(1月)。
官公庁ビジネスに成果―国立がんセンターのスパコンを落札
- 官公庁の入札でスパコンを初受注。国立がんセンター中央病院の「診断支援」用スパコンとして、UNIX並列システム「SP1」をベースとする「SPN」を2台納入(2月)。また、NTTの「新顧客情報システム-CUSTOM」や通信放送機構の「VODシステム(岡崎市)」の受注など、1994年度は官公庁市場で大きな成果をあげた。
パーソナル・コンピューター事業本部設立
- 開発製造部門の「パーソナル・システムズ開発製造統括本部」と、GBCの「パーソナル・システム事業部」を統合し、製販一体の「パーソナル・コンピューター事業本部」を新設。PCの開発から製造、販売・サービスまでを包含し、約800名で事業を開始。1993年10月設立の「パーソナル・ソフトウェア事業本部」と合わせ、PC事業拡大への両輪体制となった (1月)。
東芝と「PowerPC」で提携
- IBMコーポレーションが東芝に「PowerPC」アーキテクチャーとAIXのライセンスを供与する提携を発表。この提携で、IBMはPowerPC拡販を、東芝はPowerPCで、RISC型MPU分野の強化を図った。液晶事業(1989年)や半導体開発(1992年)などでの提携に続くもの(9月)。また、キヤノン(2月:PReP(PowerPC Reference Platform)の共同開発)、日立(4月:POWERアーキテクチャーのRISCパラレル開発)、松下電器(12月:PowerPCベースのマルチメディア機器開発)など日本を代表する企業から多くの賛同を得て、PowePC普及に弾みがついた。
日立と汎用機での技術協力を発表
- IBMコーポレーションと日立製作所が「PowerPCアーキテクチャー」を活用したRISC型並列コンピューター開発における協力を発表。共通インターフェースの開発やミドルウェアの相互ライセンスなどが盛り込まれた。またIBMは、日立の汎用機用OS「VOS」に対応する「S/390」のCMOSプロセッサーの供給を開始した(4月)。
業界初の並列サーバーを発表―「IBM9672並列トランザクション・サーバー」
- 「S/360」発表以来の革新的なサーバーとして、複数のCMOSプロセッサーで膨大なデータの高速連携処理を実現する2つの並列処理システムの出荷を開始。数千万件におよぶ大量データの検索を短時間で行える「IBM9673並列DBサーバー」と、従来の汎用機と比較して最大で約4倍の価格性能比向上を実現した「IBM9672並列トランザクション・サーバー」(5月)。
9672は、NTTからデータ量20兆バイトに達する通話明細システムの中核として採用された(7月)。
「PS/V Entry」と「PS/V Vision」―コンシューマー向けPCを拡張
- 販売価格14万8千円(FDDモデル)と、初心者向けに徹底したコスト・パフォーマンスを追及した「PS/V Entry」を発売し、コンシューマー向けPCのラインアップを強化した(2月)。また、PCと家電の統合を目指した新分野の製品第一弾として、TV放送受信用のチューナーやVideo CDドライバーを内蔵した「PS/V VISION」の一体型新モデル「テレパソコンポ」を発売(5月)。
オムロンの基幹システム運用管理をアウトソーシング
- 1992年にアウトソーシング事業を開始して以来最大規模となる5年間のシステム運用サービスを、オムロンから受託。オムロンが保有する4台のIBM大型機で稼働している販売、生産などの基幹業務システムをIBM大阪南港センターに移設した(4月)。
「PC Direct」スタート―パソコン製品の通信販売を本格展開
- 「PS/V」や「ThinkPad」などパソコン本体から関連ソフトウェアや周辺機器、サプライ品など約450種商品のFAXおよび郵送申し込みによる通信販売を開始。他社製ハードやソフトも販売した。オンライン販売ではなく、申し込み時には雑誌形式の通信販売カタログ「IBM PC DIRECT」から製品を選択した(4月)。
「漢字Pワード/V」―身体のわずかな動きで入力できる障害者向け製品
- マウスやキーボードの使用が困難な重度身障者の文書作成や意志伝達を可能にするソフトウェア「漢字Pワード/V」を発売。日本IBMが障害をもつ人々の社会参加を支援するために開発してきたコンピューター・システム「スペシャル・ニーズ・システム(SNS)」製品の成果の一つ。「漢字Pワード/V」は、兵庫県立福祉のまちづくり工学研究所と岡山理科大学工学部奥研究室が開発した「漢字Pワード」をベースにDOS/V版として開発した(4月)。
その他の出来事
- 新世代パソコン通信事業「People」を開始(2月)
- 財団法人世界自然保護基金ジャパン(WWFジャパン)の「地球環境大賞」受賞(4月)
- 「EAGLES」―交通費・出張費請求精算システムが稼動開始(4月)
- 従量制ソフトウェア料金「MULC(Measured Usage Licence Charges)」をS/390向けに開始(7月)
- NII事業本部を設立―バーチャル・オペレーションやベンチャー・キャピタルなどを採用(8月)
- 椎名会長が内閣総理大臣貿易表彰(10月)
1994年設立の関連会社
- ㈱ピープルワールド (現㈱フジテレビフューチャネット)
三菱商事、日立製作所、東芝と4社で設立。マルチメディア通信サービス「People」を提供
People & Finance
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従業員数
:21,792 (年度末集計)
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総売上高
:1兆2,004億14百万円 (対前年 +3.7%)
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国内売上高
:8,778億85百万円 (対前年 +6.6%)
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経常利益
:743億81百万円 (対前年 +636.6%)
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当期利益
:104億48百万円 (対前年 -)
※1993年1月1日付で、日本アイ・ビー・エム情報システム株式会社、日本アイ・ビー・エム・サービス株式会社を分社。上記数字は日本アイ・ビー・エム単独の数字。