受賞者紹介
平山 秀樹 (ひらやま ひでき)
1966年3月1日生まれ
独立行政法人理化学研究所 テラヘルツ量子素子研究チーム チームリーダー

1989年
東京工業大学工学部 電気電子工学科 卒業
1991年
東京工業大学大学院 電子物理工学専攻 修士課程修了
1994年
東京工業大学大学院 電子物理工学専攻 博士課程終了 博士(工学)取得
1994年
理化学研究所 半導体工学研究室 研究員
2003年
理化学研究所 極微デバイス工学研究室 先任研究員
2005年
理化学研究所 テラヘルツ量子素子研究チーム チームリーダー
専門:
量子電子光デバイス工学、半導体結晶工学
※所属先・役職は受賞当時のものです。
贈賞の理由
AlGaN系半導体結晶の高品質化と深紫外LEDの先導的開発
波長220-350nm帯の深紫外LED(発光ダイオード)には、計測、医療、殺菌・浄水、公害物質の分解、照明、光記録など、幅広い分野の応用が考えられ、実現が強く待たれていた。しかし、最も有望なAlGaN(窒化アルミニウムガリウム)系の材料は、得られた結晶の欠陥が多く、発光効率が非常に低くなるため、これを用いた深紫外LEDの実現は困難であった。
平山氏は、高品質のAlN(窒化アルミニウム)結晶を成長するため、独自の手法「アンモニアパルス供給多段成長法」を考案・開発した。この結果、サファイア上に成長したAlN結晶の欠陥密度が二桁ほど下がり、3×108/cm2以下となり、世界最高品質の結晶が実現された。その上にAlGaN量子井戸を形成することにより、発光効率を従来の0.5%から50%近くまで高め、深紫外発光素子の実現を可能にした。また、AlGaNにIn を加えて結晶内で組成変調を導入する手法と、多重量子障壁を電子ブロック層として用いた電子リーク抑制法とを活用し、発光効率をさらに高めた。これにより、世界最高の内部発光効率(80%以上)を達成すると共に、10mW以上の出力で連続動作する実用レベルの深紫外LEDを世に先駆けて実現した。
このように、平山氏は、深紫外域の発光に必要なAlGaN系結晶の品質を独創的な手法で高めるとともに、素子構造にも独自の工夫を加えることで、実用化レベルの出力を持つ深紫外域の発光ダイオード(LED)の実現と、深紫外LEDの広範な応用を開く上で先導的な貢献をなしており、日本IBM賞にふさわしいと認められる。
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