本文へジャンプ

第25回日本IBM科学賞 エレクトロニクス分野

受賞者紹介

河野 行雄 (かわの ゆきお)
1974年1月28日生まれ
東京工業大学 大学院理工学研究科 准教授


河野 行雄氏の顔写真

  1. 1996年

    東京大学教養学部基礎科学科第一 卒業

  2. 1998年

    東京大学大学院総合文化研究科広域科学専攻修士課程 修了

  3. 2000年

    日本学術振興会特別研究員(DC2)

  4. 2001年

    東京大学大学院総合文化研究科広域科学専攻博士課程修了 博士(学術)

  5. 2001年

    東京大学大学院理学系研究科物理学専攻 助手

  6. 2005年

    科学技術振興機構さきがけ 研究員(兼任)

  7. 2006年

    理化学研究所 研究員(2009年より専任研究員)

  8. 2011年

    東京工業大学量子ナノエレクトロニクス研究センター 准教授

  9. 専門:

    電子・光デバイス工学、固体物性

  10. ※所属先・役職は受賞当時のものです。

贈賞の理由

ナノ構造を用いたテラヘルツ領域での電磁波検出と撮像法の開拓

テラヘルツ(THz:10の12乗Hz)領域での電磁波の検出と撮像技術は、分子科学や固体物理学、生体・医療計測やセキュリティー計測まで、広い応用の可能性がある。しかし、THz領域の検出器の多くは、感度が低く、撮像の際は、回折効果により分解能が0.1~1ミリメートルほどに制限されるなどの問題がある。

河野氏は、膜状・線状・粒状のナノ構造をTHz域の電磁波検出に活用する一連の探索的研究を進め、課題解決の糸口を見出してきた。例えば、電磁波の入射域を限定する微細開口とアンテナ機能を持つプローブ電極とを、GaAs系のナノ薄膜伝導路上に集積化した新型検出器を開発し、波長の(24分の1)という高い分解能を持ちながら、必要な感度を確保し、高分解能の撮像の可能性を示した。また、カーボンナノチューブを用いた単電子トランジスタ(SET)を用いて、フォトン支援トンネルによるTHz波検出の可能性を示すとともに、THz波によってGaAsナノ薄膜伝導路に誘起される局所的な電荷分布の変化をカーボンナノチューブSETで検出する超高感度のTHz検出器も実現している。さらに、THz域での撮像計測と局所電位のマッピング計測を組み合わせるなど、THz計測法を高度化し、量子ホール効果と呼ばれる2次元電子の特異な振舞いやグラフェンと呼ばれる単層グラファイト膜の独特なキャリアの分散関係に関し、重要知見を得ている。

このように、河野氏は、ナノ構造の特徴を活かした新しいテラヘルツ電磁波の検出法と撮像技術を開拓するとともに、物性物理学にも新知見を提供するなど優れた業績を挙げており、日本IBM科学賞にふさわしいと認められる。

IBM、IBMロゴは、世界の多くの国で登録されたInternational Business Machines Corp.の商標です。他の製品名およびサービス名等は、それぞれIBMまたは各社の商標である場合があります。現時点での IBM の商標リストについては、http://www.ibm.com/legal/copytrade.shtml(US) をご覧ください。

お問い合わせはこちら

IBM科学賞に関するご意見・ご質問はこちら


日本IBM科学賞事務局
03-5644-2913