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受賞者紹介

齊藤 英治 (さいとう えいじ)
1971年12月5日生まれ
東北大学 金属材料研究所 教授


齊藤 英治氏の顔写真

  1. 1996年

    東京大学工学部物理工学科 卒業

  2. 1998年

    東京大学大学院工学系研究科物理工学専攻修士課程 修了

  3. 2001年

    東京大学大学院工学系研究科物理工学専攻博士課程 修了

  4. 2001年

    慶應義塾大学理工学部物理学科 助手

  5. 2006年

    慶應義塾大学理工学部物理情報工学科 専任講師

  6. 2007年

    科学技術振興機構 戦略的創造研究推進事業さきがけ研究員(兼任)

  7. 2009年

    東北大学金属材料研究所 教授(現職)

  8. 専門:

    物性物理、スピントロニクス

  9. ※所属先・役職は受賞当時のものです。

贈賞の理由

スピンホール効果/逆スピンホール効果の先駆的な研究とスピン流物理の展開

スピン流とは物質中の電子スピン角運動量の流れである。電荷の流れである通常の電流と異なり、スピン流はジュール熱による散逸を伴わないため、低損失な情報送信手段として、大きな可能性を秘めている。しかしながら、従来、スピン流は、その生成、検出の方法すら明らかではなかった。この状況を打ち破ったのは、齊藤英治氏による「逆スピンホール効果」の観測と、村上修一氏の「内因性スピンホール効果」の予言である。スピンホール効果とは、固体に電場を印加するとそれに垂直向きのスピン流が発生する現象で、逆スピンホール効果とはその逆過程である。これらの成果によって、スピン流の生成と検出に関する基礎学理が確立した。その後、齊藤氏は、スピン流を流す絶縁体の発見やスピンゼーベック効果の観測など、スピン流に関連した新しい現象を次々と見出している。また、村上氏は、スピンホール効果を拡張し、固体のバンド構造が生む幾何学的位相(ベリー位相)に起因する様々な輸送現象の理論を構築している。

このように、齊藤英治氏と村上修一氏の業績は、スピン流物理研究の源流を作るとともに、その分野の発展に大きく貢献するものであり、日本IBM科学賞にふさわしいと認められる。

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