CIOにとって、複雑さを解決することが最重要課題となっています。どの産業にも共通していえることは、IT投資の40%以上が、単に技術を統合・連携するために使われているということです。投資の半分は、ビジネスの価値とは無関係なことに使われているといっても過言ではありません。さらに問題なのは、これまでの歴史をみてもスキルは不足しており、新しい戦略・方針を実行する場合でも、その都度必要な人材を確保することが困難であるということです。
IBMは、オートノミック・コンピューティングに、2001年より率先して取り組んできました。それは、ますます複雑化するITから生ずる問題に対する、業界にとって大きなチャレンジです。このイニシアティブの目的は、より自動化されたITインフラストラクチャーを構築することにより、お客様がコストを削減し、システムの更新時間を短縮し、今後ますます不足すると考えられるサポート技術を最も効果的に活用するお手伝いをすることです。
さて、オートノミック・コンピューティングとは何でしょうか?
それは、システムが自己管理を行うことをより可能にするということです。オートノミックという言葉は、自律神経すなわち体内のさまざまな臓器や筋肉をつかさどるしくみに由来しています。たいてい自律神経は、無意識のうちにフィードバックとして作用するので、我々はそのしくみをあまりよく理解していません。
例えば、周囲の温度、状況、摂取した食物、ストレスの度合いなどに応じて、我々は知らない間に心臓の鼓動や、血管の太さなどを調節しています。このようにしていつも自律神経系は働いているのです。
では、IT環境がオートノミック環境になるとは、どういう意味なのでしょうか?
そのシステムとは以下の4つです。
- 自己構成
環境の変化にダイナミックに適応します。 - 自己修復
システムの中断を防止するために、不具合を発見・診断し、修正します。 - 自己最適化
IT資源を最大限に利用するために、資源を調整したり、負荷分散したりします。 - 自己防御
予見や検知、識別を行い危険に対処。また、攻撃に対する防御を行います。
オートノミック・コンピューティング機能は、IBMのソフトウェア、サーバー、ストレージ、PCなど、IBMの製品ラインだけでなく、サービスやシステム管理にまで広げることができます。2002年10月、IBMは、真のオートノミックの可能性へ向かうため、IBMのポートフォリオ全体にわたって新しい画期的な製品、サービス、プログラムを発表しました。
IBMは、広範な標準ベースのアプローチにより、オートノミック・コンピューティングにおける利益を享受できると考えています。そこで、IBMでは、いくつかの標準団体を通じて、ゼロから新しい標準を開発しています。(例:Distributed Management Task Force、Global Grid Forum、Internet Engineering Task Forceなど)
IBMは、IBM研究所と共同でオートノミック・コンピューティングの先端技術開発をおこなっている、オートノミック・コンピューティング・テクノロジー団体を後援しています。
また、IBMは、オートノミック・コンピューティングという大きなチャレンジに向かって、他の業界リーダーとも協業しています。
お客さまのビジネス上の課題を解決するためには、このテクノロジーが必要であるということをより詳しくご理解いただくために、IBMは、2003年の早い時期にオートノミック・コンピューティング・デザイン・センター(仮称)を開設する予定です。これらのセンターには、ITのもつ複雑さについて高い見識とスキルを持ち、異機種混在環境での経験豊富なプロフェッショナルをおく予定です。複雑さとコスト削減の問題を解決するために、お客さまと一緒に、新しいオートノミック技術とアプローチを明らかにすることでしょう。
最後に、お客さまをITインフラストラクチャーの問題から解放し、コアのビジネスに集中していただくために、IBMがオートノミック・コンピューティングに対して全力で取り組んでいるということを申し上げます。

アラン・ガネック
IBMコーポレーション オートノミック・コンピューティング担当 副社長
※ 本資料は米国にて発表された内容の抄訳です。
