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No.69 システム構築力

「PROVISION Spring 2011 No.69」のご紹介

No.69

[特集の視点]

  システム構築力とは、何でしょうか? どうすればその企業や組織はシステム構築力があるといえるのでしょうか? システムを抱える企業の多くは、自分たちのシステム構築力を向上するためには何をすべきかを常に模索していますが、システム構築にはさまざまな側面があるため、その答えは簡単ではありません。しかし、CMMI*の成熟度レベルの定義にそのヒントがあります。CMMIでは、システム構築に必要なプロセスが組織レベルで標準化され、それらを実現・管理できる体制になっていることをレベル3としています。そしてレベル5では、そのシステム構築上重要なプロセスを定量的に管理し、組織全体の目標の達成を妨げる問題に着目して改善・改革を導入することにより、全体最適が行われている必要があります。
  システム構築は、ITベンダーやソリューション会社であれば、同時に多数のプロジェクトを手掛けています。その中にはうまくいっているプロジェクトもあれば、うまくいっていないプロジェクトもあるでしょう。CMMIのレベル3で定義していることは、システム構築力の1つは組織力であることを示しています。つまり、多くのプロジェクトがたまたまうまくいき、大きなトラブルが発生しなくてよかったということでは意味がなく、組織全体で開発が標準化され一定の品質や生産性が確保できる仕組みがない限りはシステム構築力が高いとはいえないということです。
  これまでの歴史を振り返ってもビジネス環境は大きく変化し、ITは進歩し続けています。ある時点で組織標準をうまく策定し、それで一定の品質や生産性を実現したとしても、それはいずれ陳腐化してしまい、全体に悪影響を与えかねません。CMMIのレベル5は、そのようなビジネス環境の変化やITの進歩に対し、組織として常に明確なビジョンを持ち、それを更新し続けて全体を最適化していかない限りは、システム構築力を有した組織とはいえないことを意味しています。
  現在、多くの業界では、グローバル経営などのスピードの速さに対応するために、より短期間で開発し、柔軟かつ迅速に業務を変更していくことが求められています。また、経済環境の大きな変化によってより厳しくなる競争に対し、勝ち残っていく必要が生じています。しかし、このような時こそ、組織として企業のビジネス戦略に則したIT戦略を確立し、それに基づいた品質や生産性の向上を目指して変革を実施した上で、システム構築力を向上していく必要があるのではないでしょうか。今回の特集では、そのような組織としてのシステム構築力とその変革の具体的な事例についてフォーカスしました。今の時代における、システム構築力向上の一助になればと思います。

* CMMI: Capability Maturity Model Integration の略

2011年5月 PROVISION 69号「特集テーマ:システム構築力」
コンテンツ・リーダー 二上 哲也

巻頭言

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情報技術の匠/コンピテンシーの道程