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マーチャンダイジングにおける最適化

戦略的マーチャンダイジング・ソリューション - 「カテゴリー・プロフィット・マネジメント(CPM)」の概要

カテゴリー利益管理できていますか?

顧客ニーズの多様化・流動化に対応するため小売業に俊敏性が求められる今日、これまでの個人の経験・スキルに依存したやり方では、効果的かつ効率的なマーチャンダイジングの実現が困難になってきています。科学的に分析・整理されたデータを活用し、体系的なアプローチによる最適化は、マーチャンダイジングのパフォーマンス向上をもたらします。ここでは、マーチャンダイジング最適化のフレームワークと代表的な最適化の先端手法「カテゴリー・プロフィット・マネジメント(CPM)」についてご紹介いたします。

単品管理からカテゴリー利益管理へ

マーチャンダイジングという課題に対する取り組みとして従来から行われてきたのは、単品管理でしょう。小売業にとって発注は生命線です。売れる商品、売れない商品を把握し、仮説を持って発注します。これを繰り返すことで、発注精度を高め、品揃えを最適化していこうというのが、単品管理のコンセプトです。しかし、その成果には疑問があります。確かにさまざまな情報を見ることはできるようになったのですが、商品の数が多すぎて、なかなかすべてに目を通すことができません。逆に、単品管理のために導入したEOB(自動発注)端末に振り回されているような状況が目につきます。

原点に戻って小売業が目指すべきビジョンとはなにかと考えると、それは、魅力的で生産性の高い売り場の実現です。メリハリのある売り場、ムダのない売り場、飽きのこない売り場が実践することが大事なのです。

図1. 小売業の目指すべきビジョンは魅力的で生産性の高い売場の実現
図1

このビジョンを実現するためのアプローチが、IBMがご提供するカテゴリー・プロフィット・マネジメント(CPM)というソリューションです。単品管理の次のステップとして、カテゴリー利益を最大化する発注数の算出、商品管理レベルアップ、ローコスト体質へ転換を目指すマーチャンダイジング最適化の仕組みです。

CPMソリューションの概要

CPMソリューションとは、具体的には、5つのポイントで売り場の利益拡大をサポートしていこうというものです。適用範囲は、店舗だけではなくデマンドチェーン全体におよび最適化手法を駆使することで、マーチャンダイジングのビジョンを実現します。

  1. カテゴリー利益最大化の経済性原則にもとづいた全体構成
  2. 商品レベルで制約資源を最適化する自動発注システム
  3. カテゴリーレベルで制約資源を最適化する計画作成プロセス
  4. 商品ライフサイクル管理を最適化するための支援情報
  5. カテゴリー計画実行のための情報共有インフラ

このCPMを使ったマーチャンダイジング最適化ステップは、次のようになります。

  1. 売場生産性にもとづき、資源配分の方針を決定し、大胆かつ創造的な売場作りを行う
  2. 販促管理(スポット投入・特売)を通じて、消費を活性化する
  3. 自動発注管理を通じて、機会損失、過剰在庫削減の重点管理を行い、単品管理の精度を向上させる
  4. 在庫適正化に伴い、期中の商品改廃・フェイス拡縮を促進する
  5. 上記ステップをくり返す

CPM実践時に起こるさまざまな課題

CPMを実践するにあたっては、たとえば商品の陳列量を最適化するにはどうすればいいのか、といった課題がたくさん出てきます。ここからは、そういった課題のいくつかについて、ご説明します。

どうしたら商品の陳列量を最適化できるのか。それは、商品の特徴によって変わってきます。個々の商品の適正数だけを見ているのではだめで、限りあるスペースに複数の商品を置いて最大の利益を得るためには、どういうバランスで陳列したらいいのかを考えなくてはなりません。つまり、売り場利益を最大化するには、他品の販売機会損失を考慮する必要があるのです。

図2. 商品の陳列量を最適化するには、他品の販売機会損失を考慮する必要がある
図2

次に、本来需要をどう推定するかについてです。商品が売れる数には、日によって必ずバラツキがあります。そのバラツキのあるデータから商品の本来需要を把握するには、切断分布の考え方にもとづき、POSデータから求めた平均と標準偏差を使って修正する必要があります。さらに、当日売り切り商品のような場合、賞味期限の迫った商品は、発注を抑制する必要があるので、本来需要が多い日でもその日の入荷数が販売数の上限になってしまい、本来の需要分布が分からなくなってしまうようなこともあるので注意が必要です。

調達総費用を最小化する発注サイクルの工夫とはどのようなものでしょうか。需要が小さいものほど発注サイクルを大きくしたほうが総コストは低くなります。よく売れる商品は高頻度で補充発注を行い、1日数個しか売れないような商品は、発注サイクルを大きくすることが最適な発注方法となります。一方で、発注には発注段取りコストがかかりますから、発注サイクルを大きくしたほうが発注段取りコストは下がります。これらを勘案して最適な発注サイクルを見つけることが必要になります。さらに、発注段取りコストを下げることができれば、総コストを下げ発注頻度を高めて需要変動への応答性を高めることができます。こちらのほうが本質的な対策となりますので、自動発注による発注業務の省力化、カテゴリー別定期発注納品によるピッキングおよび品出し業務負荷の軽減は、検討されるべきです。

演出効果を考慮した在庫管理を行うことも必要です。「需要同期陳列」では、売り場演出が得られない場合に備えて、「売り場維持陳列」、「相似拡大陳列」、「ボリューム陳列」を作り、最低在庫数と最低在庫日数によって陳列タイプを規定することが有効です。ここで、最低在庫数とは、ほとんど売れない商品の陳列が貧相にならないよう陳列量を確保するためのものであり、最低在庫日数とは、売れている商品の演出効果を考えて陳列量を拡大するためのものです。

ビジネス効率化に向けた課題と解決の方向性

IBMが実現するCPMは、カテゴリー利益管理理論にもとづき、カテゴリー・マネジメントを高度化し、売り場生産性を最適化する戦略的マーチャンダイジングシステムです。カテゴリー期待利益を最大化する相対最適在庫量を計算する高度な自動発注システムによって、最小の業務負荷で最大の効果を発揮し、ローコスト・オペレーションを推進します。

また、小売業の需要構造に適合するように局所重み付き回帰(LOWESS)とリッジ重回帰をハイブリッド化した高度な需要予測システムを実装しており、コーザルの変化に応じて精度の高い需要予測を行うことができるという特長を備えています。CPMは、以上の機能を基盤に、カテゴリー・マネジメント、商品計画(商品ライフサイクル管理)、需要と商品特性に応じた自動発注と陳列管理、期中進捗管理と商品改廃、取引先との情報共有、といったマーチャンダイジング業務を高度化していきます。

図3. CPM標準のおもな機能とMDサイクル
図3

筆者紹介

  • 三田 洋幸の顔写真

    日本アイ・ビー・エム株式会社
    グローバル・ビジネス・サービス事業
    コンサルティング&SI
    ゼネラル・ビジネス・サービス
    ビジネス・アソシエイツ
    三田 洋幸

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