
タブの始まり
- スマート化、フラット化する世界の中で
- 支持的(Adovocate)顧客を増やすことが大切
- 技術的イノベーションがもたらすインパクト
- 先進的な小売企業の取り組み
- よりスマートな小売企業になるために
- 関連セミナー
- 筆者情報
今、IT(情報技術)の進展によって世界が急速にスモール化、フラット化する中で、小売業もよりスマートであることが求められてきています。
ここでは、中国IBMの小売業担当責任者であり、それ以前は米国IBMにおいてグローバル小売業のマーケティング責任者でもあったヨランダ・M・ワンが、小売業がよりスマートになるために必要な取り組みと、グローバルなベスト・プラクティス、そしてIBMが提供するソリューション・ポートフォリオについてご紹介します。
スマート化、フラット化する世界の中で
ITの進展により、世界はますますスモール化し、フラット化しています。小売業のビジネスも、その影響を受け、今までにない対応を迫られています。
例えば百貨店であれば、今までは同じエリアにあるほかの百貨店や専門店、量販店などが競争相手でしたが、今や、消費者の購買活動はインターネット上で24時間365日行われ、世界中に競合相手が存在します。しかも小売業への他業種からの参入も激しさを増しています。その一方で、消費者はインターネットを介してますます情報に通じるようになり、商品に対する要求はさらに高くなっています。
業界や地理的な境界線があいまいになっていく中でカルフールやテスコ、ウォルマートなどのグローバル小売業は、巨大な市場であるアジア/太平洋にさらに積極的に進出しようとしています。また、インターネットによるオンライン・ショッピングの普及は、「どのお店で買うか」という消費者の選択肢をますます増やしています。このようにアジア/太平洋の小売業は、今までにない厳しい競争にさらされているのです。
支持的(Adovocate)顧客を増やすことが大切
IBMでは、小売業が抱える課題を解決するために、消費者の行動について長年にわたって調査した結果、次の3つの層に分類しました。
- 支持的(Adovocate)
- 無関心(Apathetic)
- 敵対的(Antagonistic)
そして、この3つ層は次の基準で定義することができます。
- 他に薦める可能性の高さ
自分が主に利用する小売業を、友人や家族に薦めることに意欲的かどうか。
- 購入の意思
自分が主に利用する小売業が、品ぞろえを拡大し、現時点でほかの店でしか売られていない商品を提供した場合、購入を増やすことに意欲的かどうか。
- 継続利用率
ほかの小売業が魅力的な商品またはサービスを提供し始めても、自分が主に利用する小売業を利用し続けることに意欲的かどうか。
例えば、自社が出店しているエリアに、競合他社が似たような店舗をオープンし、しかもより低価格で商品を提供し始めた場合を考えてみます。「支持的な顧客」であれば、今までどおり自社の店舗で商品を買い続けてもらえるでしょう。しかし「敵対的な顧客」であれば、恐らくほかの店に移ってしまうはずです。「無関心な顧客」はどう行動するのか分かりません。
そう考えると「支持的な顧客」こそが、自社に利益をもたらすお客様になるわけです。しかも「支持的な顧客」は1回当たりの買い物金額は平均以上であることからも、いかにこの層を自社のお店に引きとどめ、さらに増やしていくかが小売業にとっての重要なテーマとなります。
各国における顧客層の比率
図は、米国・ブラジル・中国・インド、メキシコにおける顧客層の比率ですが、中国・インドのような成長市場では「支持的な顧客」が少ないことが分かります。つまり、競合企業にお客様が移ってしまう可能性が高いわけであり、それだけ競争が厳しいことになります。
技術的イノベーションがもたらすインパクト
さて、アジアを中心に携帯電話は爆発的に普及しています。日本における携帯電話の普及率は87%で約1億1000万人が使っていますが、中国では人口の半分の約6億5000万人が使っているといわれています。インドでは普及率は31%ですが、ユーザー数は3億5000万人に達します。そして、1日に送信されるテキスト・メッセージの数は、世界の人口を上回るといわれています。
インターネットやソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)の普及も著しく、世界で11億人がインターネットを使い、その65%がSNSにアクセスした経験があるといわれています。世最大級のSNSであるFacebookの加入者数を各国の人口と比較すると、Facebookは中国・インド・米国に続き世界で4番目に大きな国ということになります。
また、e-コマースの売り上げは、世界的な経済危機にもかかわらず成長を続けています。アジア/太平洋におけるB to Cのe-コマースの売り上げは年率23.3%で成長し、2011年には1687億ドルに達するといわれています。特に中国のe-コマースは伸びが著しいと見られています。こうした数字はそれだけにとどまりません。オンライン・ショッピングは、実店舗の成長にも影響を及ぼすからです。
ここで注目したいのは、消費者が商品購入に際しどんな情報源を信頼しているのかという点です。買い物客の4分の3がインターネット上の評価やレビューを利用し、消費者の91%が、購入の際に最も参考になる情報として消費者コンテンツを挙げています。買い物客の多くが「ほかの消費者」の意見を信頼しているのです。誰が「支持的な顧客」であるのか考えると、SNSへ情報を発信している層は見逃すことができない存在です。
先進的な小売業の取り組み
小売業のCEOは、こうした消費者の変化に対応して、競争力を維持するにはどうすればいいのか、すなわち「どうすればスマートになれるのか」悩んでいます。実に、世界の小売業のCEOの3人に2人がビジネス・モデルの改革を計画し、2人に1人がエンタープライズ・モデルの改革に投資しようと考えています。
IBMは、次の3つの観点から、小売業がよりスマートになるための取り組みをお手伝いしています。ここでは先進的な取り組みを行っている小売業の事例をいくつかご紹介します。
- よりスマートなショッピング体験を提供
米国のギフト販売サイトである1-800-flowers.comでは、同社が持つ14のブランドを単一のWebプラットフォームに統合しました。その結果、花や風船、キャンデーといったさまざまなギフトを、顧客はシームレスに購入できるようになりました。
また、米国のアウトドアグッズ販売店であるムース・ジョーでは、顧客からのフィードバックやレビューなどの情報に、実店舗からでもアクセスできるようにしました。実店舗でも、趣味仲間と一緒にショッピングを楽しんでいるような感覚を体験できるのです。 - よりスマートなマーチャンダイジングとサプライ・チェーンを創出
ドイツの量販店であるメトロ・グループでは、高額商品にRFIDタグを付けることで、同社のサプライ・チェーン全体で需要をリアルタイムに把握できるようにしました。RFIDタグの情報を基に、例えば衣料品であれば、試着室に設置されたディスプレイに、その商品にフィットする他商品を表示して売り上げ増を図っています。
- よりスマートなオペレーションを促進
英国の生協であるザ・コーポラティブでは、エネルギー削減に意欲的に取り組むことで、CO2排出量を減らすとともに、オペレーション・コストの削減にも成功しています。
また、中国の百貨店・ショッピングモールであるヤンシャでは、自社のサプライ・チェーンに関係する企業に注文情報を提供することで、サプライ・チェーン全体でリード・タイムの短縮を図っています。
よりスマートな小売業になるために
小売業としての成功は、お客様の声に耳を傾け、いかにニーズに応えていくかに懸かっています。IBMは図に示したようなポートフォリオによって、よりスマートな小売業となるためのお手伝いをいたします。
| バリューへの重点化 | 好機の利用 | 迅速な行動 | |
|---|---|---|---|
| よりスマートなショッピング体験の実現 |
顧客の安心感と信頼感 効率性の改善 |
ロイヤルティーの向上 事業拡大プレーへの投資 人材の保護と獲得 |
明確なコミュニケーション 情報の有効活用 ビジネス・パフォーマンス管理とアナリティックス |
| よりスマートなマーチャンダイジングとサプライチェーンの構築 |
サプライチェーンの最適化 品ぞろえの合理化 取引条件の再交渉 |
新たな運営モデルの模索 グローバルな事業拡大の検討 |
情報の有効活用 ビジネス・パフォーマンス管理 |
| よりスマートなオペレーションの構築 |
SG&Aコストの削減 効率性の改善 取引条件の再交渉 |
勝者への重点化 事業拡大プレーへの投資 新たな運営モデルの模索 買収・提携の検討 |
明確なコミュニケーション 体験の有効活用 アジェンダの設定 リスクの管理 |
もし、スマートな小売業に変革するためのヒントが必要でしたら、ぜひIBMに声をおかけください。
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