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2009年6月10日(水曜日)に、早稲田大学井深大記念ホールにて、日本アイ・ビー・エム株式会社および早稲田大学共同主催による公開シンポジウム『IBM Day at Waseda University』を開催いたしました。
このシンポジウムは、「グローバルな産学連携による持続可能な社会の実現に向かって」というテーマのもと、経済・社会・地球環境の持続可能性のために、大学と企業が連携してどのような取り組みができるか、またその実現方法について共に考えることを目的として開催しました。
当日は、大学関係者をはじめ、550名という大変多くの方にご参加いただきましてまことにありがとうございました。
当シンポジウムのプログラムは以下の通りです。
プログラム内容
10時~10時10分
挨拶
早稲田大学研究推進部長 深澤 良彰
10時10分~10時20分
挨拶
日本IBM執行役員 坂上 好功
セミナー第1部 早稲田大学と日本IBMの持続可能な社会に向けた取り組みについて
10時20分~10時50分
Smarter Planet
−先進テクノロジーが拓く社会と企業の未来価値−
講演者: 日本IBM執行役員 久世 和資
10時50分~11時20分
第2世紀に入った早大理工 −教育・研究の新展開−
講演者: 早稲田大学理工学術院長 橋本 周司
11時20分~11時50分
持続的発展を目指した環境分野の共創的展開は如何にあるべきか
講演者: 早稲田大学環境総合研究センター所長 永田 勝也
12時00分~13時30分
昼食休憩
パネル展示 1階
セミナー第2部 産学トップと学生が日本の未来について語る
13時30分~14時
求められる人財像
講演者: 日本IBM会長 大歳 卓麻
14時~14時30分
早稲田大学が行っている人材育成
講演者: 早稲田大学総長 白井 克彦
14時30分~15時
休憩
パネル展示 1階
15時~17時
パネルディスカッション
パネラー:
日本IBM会長 大歳 卓麻
早稲田大学総長 白井 克彦
早稲田大学理工学術院教授 草鹿 仁
早稲田大学 学生3名
モデレーター: 日本IBM執行役員 丸山 宏
17時~17時10分
閉会挨拶
早稲田大学常任理事 堀越 佳治
1階ロビーにて、早稲田大学と日本IBMの研究活動を、パネルやデモンストレーションにて紹介しました。Power Up、Smarter Planet等も紹介いたしました。
また、パネルディスカッション開始の前に、Dr. Jai Menon(IBMの大学との連携プログラムの責任者、IBM技術アカデミーの副議長)からのビデオレターを放映しました。
早稲田大学と日本IBMの持続可能な社会に向けた取り組み
まず、共同主催の両機関を代表して、早稲田大学研究推進部長 深澤 良彰先生、日本IBM執行役員 坂上 好功よりシンポジウムの趣旨等の挨拶がありました。あわせて坂上からは、早稲田大学理工学学術院教授 山名早人教授のIBM Faculty Awardの受賞について、ご紹介をいたしました。受賞理由は、「クラウドコンピューティング環境を利用した100億以上のウェブページの収集・解析による情報検索技術のご研究および教育への取り組み」です。なお、詳しい内容は、お客様導入事例ページに掲載されています。
次に、日本IBM執行役員 久世 和資が、「Smarter Planet −先進テクノロジーが拓く社会と企業の未来価値−」と題した講演を行いました。持続可能な社会の実現のために解決すべき、さまざまな課題を上げ、IBMの提唱するビジョン、Smarter Planetから「3つのi」をご紹介しました。また、京都市の交通シミュレーション、イタリアにおける電力管理のインテリジェント・ネットワークの事例もご紹介しました。
早稲田大学理工学術院長 橋本 周司先生のご講演題目は、「第2世紀に入った早大理工 −教育・研究の新展開−」です。昨年100周年をむかえた早稲田大学理工学部は、私学理工系で最古の歴史を有し、近年は文部科学省の研究助成金「21世紀COE(Center of Excellence)」やそれに連なる「グローバルCOE」を活用した人材育成に重点を置いた研究展開、東京女子医科大学との連携教育・研究など傑出した取り組みを行っています。「数十年前には人類の夢だったロボットなどが現実となり、今は夢と現実が近づいている時代である。現実社会の発展のためにも、いかに大きな新しい夢を見るかを考える必要がある」というお話が印象的でした。
第1部の結びに、早稲田大学環境総合研究センター所長 永田 勝也先生に、「持続的発展を目指した環境分野の共創的展開は如何にあるべきか」と題してご講演いただきました。環境工学、エネルギー工学がご専門の永田先生は、環境に関連した歴史や統計を紹介し、研究されている北九州市の環境パスポートの取り組み、本庄キャンパスにおける小中学生を対象とした科学実験教室本庄ユニラブ・プログラム、IBMとの共同研究による環境学習プログラム「Power-up」などについて言及されました。また、超軽量電気自動車「ULV」等の先進的な取り組みもご紹介いただきました。
産学トップと学生が日本の未来について語る

日本IBM会長
大歳 卓麻
午後からは第2部のプログラムとなり、まず日本IBM会長 大歳 卓麻が、求められる人財像について講演を行いました。持続可能な社会の実現に向けた日本の課題として、「人口減少社会の到来」、「巨額な長期債務残高」などが挙げられます。スモール化、フラット化した世界の中、インターネットや自由貿易の隆盛により、新興国の若い労働力が注目されています。これらの現状を踏まえ、IBMが定期的に行っている「Global CEO Study」の調査結果や、企業の社会的責任についてご説明しました。

早稲田大学総長
白井 克彦 氏
続いて、早稲田大学が行っている人材育成について、早稲田大学総長の白井 克彦先生にご講演いただきました。わが国を取り巻く状況の変化や、持続可能な社会とするために技術が持つ役割などについてご説明いただきました。また、早稲田大学の人材育成の取り組み—国際交流、産学連携、ボランティア支援、生涯学習などについてご紹介され、「出る杭は打たれる」ではなく、出る杭を伸ばすような教育の重要性を述べられました。
その後は、当日午前中に回収したアンケートをもとに、パネルディスカッションが行われました。会場からの質問も合わせてインタラクティブに進行され、それぞれの立場から活発な意見交換がなされました。「持続可能とは、例えばあと1,000年人類が快適に生きるためにはどうすべきか、というスタンスで考えてみてはどうか」(白井総長)、「自分だけではなく他地域・次世代を考え、方向性や工程表を次世代に渡したい」(大歳)といった意見も出されました。

パネルディスカッションに参加されたパネリストの方々。前列左より、
日本IBM会長 大歳 卓麻、早稲田大学総長 白井 克彦 氏
後列左より、日本IBM執行役員 丸山宏、
3名の学生の皆さん、早稲田大学理工学術院教授 草鹿 仁 氏
スウェーデンに留学経験のある、早稲田大学理工学術院教授 草鹿 仁先生からは、競争領域と非競争領域に分けることにより効率的に革新的な研究・開発が行われているヨーロッパの研究スタイルの事例をご紹介いただきました。3人の学生の方からは、ご自身の研究分野である初等中等教育、ボランティア活動や環境問題への取り組み、欧米とアジアの教育の違いなどについて意見が出されました。
草鹿先生を始め、白井総長、大歳とも、「自分でテーマを見つけ、面白がって研究している学生が一番伸びる」(白井総長、草鹿先生)、「孔子の『之を知る者は、之を好むものに如かず。 之を好む者は、之を楽しむ者に如かず。』の言葉どおり、知っているだけより好きになる方が、さらに楽しむ者の方が上だ。楽しむこととコミュニケーション能力が大切だ」(大歳)と、研究や仕事に対する姿勢を異口同音に語り、和気藹々とした雰囲気の中で本日のプログラムを終了しました。
終了後のアンケート結果
当日にご記入いただいた、アンケートの一部をご紹介いたします。
シンポジウム全体に対して、「企業だけ、大学だけではできないような、技術力や社会貢献にバランスの取れた活動をしていってほしいと感じました」、「今回初めて参加させていただきましたが、非常に楽しいシンポジウムでした。意見が多く出されたと思うので、この結果をもっと社会に押し出していってほしいと思います」といったご意見をいただきました。
お蔭様で、シンポジウム全体についての評価は「とても良かった」「良かった」を選択された方が多く、特に産学トップの講演とパネルディスカッションは高い評価をいただきました。講演に関しては、「産学のTOPの話を学生が聞く、社員が聞く、意見交換をする。このような機会を継続して作っていってもらいたいと思います」、「企業・大学のトップの話・意見を聞く事ができ、非常によい機会でした。社会そして人の行動・価値観を変革するような製品・技術を生み出してほしい」といったご意見を頂戴いたしました。パネルディスカッションに関しては、「特に時間を取ったパネルディスカッションが興味深かったです」、「パネルディスカッションが特によかった。会長・総長に加え学生とパイプ役の教授の組み合わせが絶妙だったのかもしれないが、活発な意見交換と内容がよく、濃く、今後の参考になった」、「企業大学双方の意見を聞く事ができ、かつ人的交流が進むという意味で意義のあるシンポジウムだったと思う」といった、好意的なご意見を多くいただきました。
また、今後の取り組みに向けて参考となる貴重なご意見もいただきました。たとえば、「産学官の3つを揃えたシンポジウムを実施してほしい。この3つの足並みがそろわなければ日本が動かない」、「環境や医療などの今後重要になりそうなテーマのシンポジウムを企画してほしい」、「人材育成という分野において、大学側の対応と企業側の対応に関する差異を知ることができるシンポジウムを行っていただきたいと思います」などです。
いただいたご意見は、次回以降の企画・運営に活かして参ります。
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