掲載日: 2008年6月18日
IBMからご挨拶と課題提起

IBM Corporation, Software,
ISV & Developer Relations
General Manager
James (Jim) Corgel
はじめに、日本IBM東京基礎研究所所長 執行役員で、IBMユニバーシティー・リレーションのリーダーでもある、丸山宏よりご挨拶申し上げました。ご挨拶の中で、産学官の連携の重要さなどを再確認いたしました。
次に、米国IBMのソフトウェア事業、ISV & Developer Relations 担当のJames Corgelが、「グローバル化の加速や少子化、ITスキルニーズの拡大などにより、世界的にIT人材が不足していること」、「IBMではユニバーシティー・リレーションや、アカデミック・イニシアチブを通して大学と協調していくこと」などをご説明しました。ISV & デベロッパー事業推進 部長 古長 由里子が、内容を日本語でご説明した後、開催日の6月3日に発表した、次世代スキルポータルをご紹介いたしました。
日本アイ・ビー・エム株式会社
最高顧問 北城 恪太郎
次に、日本IBM最高顧問 北城 恪太郎が、グローバル社会におけるIT人材の育成について講演いたしました。
持続可能な成長に向けた日本の課題として、「人口減少社会の到来」、「巨額な長期債務残高」などが挙げられます。
労働生産性を向上させ、国際競争力を高めるためには、優秀な人材の育成が不可欠ですが、企業が求めるIT人材と教育との間に、ギャップがあるという報告もあります。
米国では、「イノベーションこそ唯一最大の原動力」として、イノベーションを推進しています。イノベーションとは「既存のものを凌駕する斬新な新機軸を打ち出して、新たな価値を創造すること」です。科学技術予算を増やして、研究して発明・発見するだけではイノベーションとは言えません。実際に仕組みを変えたり発明品が実用化されることで、新たな価値を生み出して初めて、イノベーションと言えます。
企業経営のイノベーションには、企業風土や経営管理システム、ICTの活用による変革の加速なども必要ですが、何よりイノベーションを担う人材の発掘と育成が重要です。
ICTを活用しイノベーションを実現する、高度ICT人材が求められています。
北城の講演の後に、10分ほど質疑応答の時間が設けられました。企業内技術者の教育の課題など、活発な質問や意見が出されました。
IPAの取り組みと最新動向

独立行政法人 情報処理推進機構
IT人材育成本部
参事 小川 健司 様
午前のプログラムの最後に、独立行政法人情報処理推進機構(IPA) IT人材育成本部 参事の小川 健司 様より、「日本におけるIT人材育成の課題と方向性」についてご講演いただきました。
日本国内のIT技術者約80万人のうち、高度IT人材はわずか16万人と言われています。IT分野における人材構造がいびつ化し、ミドルレベルやハイレベルのスキルを身につけた人材が不足しています。経済産業省で行っている、以下のような様々な取り組みをご紹介いただきました。
- 3種のスキル標準を定義
- 地域ソフトウェアセンターを運営
- 情報処理技術者試験をアジア展開
- 文部科学省と連携して産学人材育成パートナーシップを立ち上げ
午後は東京基礎研究所 所長の丸山 宏が、「ITテクノロジー最前線」と題し、「The Global Technology Outlook 2008」のテーマと、最新の動向をご説明しました。
これを踏まえ、東京基礎研究所 システムズ担当 中谷登志男より、 メインフレームの最新の技術動向についてご説明いたしました。
次に、「Web2.0がもたらすITイノベーション」と題して、ソフトウェア事業コンサルティング・テクノロジー・エバンジェリスト
米持 幸寿が、マッシュアップ技術を採用したアプリケーションの事例や、IBM社内でも使用している、フォーラム、Wiki、ブログ、ソーシャルブックマーキング、ソーシャルネットワークアナリシス、ファイル共有といったWeb2.0アプリケーションの例などをご紹介いたしました。
そして、テクニカル・リーダーシップ担当取締役 執行役員 宇田 茂雄より、「イノベーションをリードする人材像」、「IBMにおける人材育成の取り組み」、「IBMにおける技術者活性化の取り組み」についてご説明いたしました。
パネルディスカッション

パネリストの3名。左から
新日鉄ソリューションズ株式会社
常務取締役 大力 修 様、
東京大学 大学院情報理工学系研究科
コンピュータ科学教授 今井 浩 様、
筑波大学 大学院システム情報工学研究科
研究科長 教授 田中 二郎 様
最後のパネルディスカッションでは、ソフトウェア開発研究所 所長 執行役員で経団連 高度情報通信人材育成部会
支援チーム座長の岩野 和生が、日本の国際競争力と日本がめざす高度ICT人材像について述べました。
新日鉄ソリューションズ株式会社常務取締役で、経団連 高度情報通信人材育成部会 戦略・企画チーム座長の大力 修 様からは、「高度情報通信人材育成に向けた経団連の現在までの取り組み」について、モデル拠点支援を中心にお話いただきました。また、関係者が広く参集し、情報通信人材育成のステアリングを行い、実動においては相互補完的分担を行うための「ナショナルセンター」構想についてご講演いただきました。
続いて東京大学 大学院情報理工学系研究科 コンピュータ科学教授の今井 浩 様に、東京大学情報理工学系研究科における文部科学省IT人材育成プロジェクトについてご紹介いただきました。
そして、筑波大学 大学院システム情報工学研究科 研究科長 教授の田中 二郎 様より、「ITスペシャリスト育成のための産学連携50単位プログラム」と題して、筑波大学修士過程のIT教育改革について、具体的な成果を交えてご紹介いただきました。
ディスカッションでは、中学・高校・大学の連携、ロールモデルやキャリアパスの明確化、企業内の人材育成の課題、産業界の教育機関への支援、研究費を得るためではなく学生を育てるための産学連携、など様々な意見交換がなされました。
結びに、丸山よりまとめと、次回の企画予定をご案内し、お開きとなりました。
今回のフォーラムでは、休憩時間にも活発に交流、意見交換されている方が多く、参加者の皆様の積極的な姿勢が強く感じられました。限られた時間の中ではありますが、産学官それぞれの立場からIT人材育成について考える機会をご提供できたとすれば、幸甚に存じます。
当日の資料やお問い合わせは、弊社担当営業または、お問い合わせ窓口までご連絡をお願いいたします。
