掲載月:2007年12月
株式会社大和総研(以下、大和総研)は、リサーチ、コンサルティング、システムの3つの機能を柱とし、大和証券グループ各社をはじめとした幅広い分野のお客様に対して、ベスト・ソリューションの提供を目指す総合シンクタンクであり、現在、証券基幹業務のオンラインシステム「SONAR」をASPサービスとして、約30社の証券会社向けに提供しています。
グローバル化や電子化といった証券ビジネスを取り巻く大きな環境変化に備え、利用者の利便性向上と、システムの柔軟性・拡張性向上を確保するために、SOA(サービス指向アーキテクチャー)※1をはじめとする先進的なテクノロジーを活用して、「SONAR」を刷新することが、2007年5月に発表されました。
高度な業務ノウハウと先端技術の融合へ
現行のSONARは注文から残高管理、監督官庁報告まで店頭の証券業務全般を端末で処理ができ、各種証券情報を提供する基幹業務システムです。
新SONARは、この高度な業務ノウハウを継承し、さらなる拡張性、変化への迅速な対応、顧客サービスの向上を確実に実現するために、SOAを活用した新たなシステム基盤をオープン標準であるJava™2 Enterprise Edition(J2EE)上に構築します。
新たな環境変化への要件として下記の点が重視され、ソリューションが選定されました。
- 多様化する商品ニーズに柔軟に対応できる拡張性を、商品・サービス開発基盤に確保すること
- あらゆる顧客接点(チャネル)からシームレスに一貫性あるサービスを提供できるようにすること
- 操作性のさらなる向上を図れるようにすること
既存の機能はそのままに、変動するビジネス環境に対応可能な拡張性を実現
図1 RER for FSS
新たに構築するプラットフォーム(インフラ基盤)では、既存の基幹系システムと、新商品や新サービス向けの新規システムとの連携を可能にするIBMの「Rapid Enterprise Renovation for Financial Services Systems(以下、RER for FSS)」を採用します。RER for FSSは、金融機関のお客様が、万全の堅牢性と高速性を有する現在の基幹系システムを活用しつつ、戦略的な商品サービスを即応性と柔軟性をもって実現することを目指し、SOAによる既存システムと新世代システムの融合を実現するアーキテクチャーです。
現在のSONARの豊富な機能を活かすとともに、SOAにより新しいサービスや機能を新システムに追加する際にも、既存の基幹系システムへの影響を大幅に軽減させ、容易に提供することが可能になります。
顧客中心の新しいサービス体制を実現し、真の顧客価値の提供へ
図2 MCT/チャネル統合
サーバー基盤
また、新システムでは、企業におけるお客様との接点である営業店やインターネットなどのチャネル戦略を支援するIBMの「マルチチャネル・トランスフォーメーション/チャネル統合サーバー基盤(以下、MCT/CIS)」※2を採用します。顧客中心、およびサービス中心の視点でさまざまなチャネルからのプロセスや情報を統合することにより、顧客接点において、それぞれの
ニーズに応じたダイナミックなサービス提供が可能となります。
ユーザー・インターフェースを一新し、利用者の利便性、操作性を大幅に向上
新システムでは、画面、オンライン印刷帳票等を一新し、証券会社の業務フローに即した画面遷移や、画面間データ連携によるデータ入力項目数の削減、利用者ごとにカスタマイズ可能なメニュー機能(マイメニュー)等を実現し、利便性、操作性が大幅に向上します。また、従来必要であった専用端末ソフト、専用プリンターを廃止し、汎用的なパソコンやプリンターでのサービス利用が可能となります。
SOAの「サービス」としての、柔軟な業務提供へ
SOAでシステムを構築することにより、将来的には「SOAによる外部サービス」として証券サービスを提供することが可能となります。このことは、銀行をはじめとする提携金融機関において、迅速なシステムの稼働および柔軟な組み合わせ商品等の実現を可能とするでしょう。
また、今回フロント・チャネル機能をMCT/CIS上に構築するため、すでにMCT/CISを自社基盤として採用いただいている場合には、システムの一部をコンポーネントとして容易に取り込むことが可能です。
大和総研は、豊富な実績とノウハウ、また安定性や信頼性を確保したシステムの提供により、ビジネス・モデルの大きな変革期にある証券業界において、これからの証券業務を力強くバックアップする業務システムを提供していきます。IBMは大和総研のこの取り組みを先進的なテクノロジーを活用してご支援してまいります。
※1 アプリケーションを「サービス」という単位で柔軟に構成・連携させる新たな考え方。「残高照会」「決済」といった業務処理ごとの単位で、それぞれを必要に応じて連携させてシステムを構築する設計手法。金融機関システムにおけるSOAの考え方については、金融ソリューションNEWS Vol.37をご参照ください。
※2 営業チャネルの統合を可能とするとともに、SOAの考え方に基づいて新たなチャネル業務アプリケーションを柔軟かつ容易に構築できる基盤ソリューション。選ばれる金融機関へのマルチチャネル変革については、金融ソリューションNEWS Vol.39をご参照ください。
本事例は特定のお客様での事例であり、すべてのお客様について同様の効果を実現することが可能なわけではありません。
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