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新しい金融ビジネス・モデルの創造

SOAによるエコシステムの実現へ

掲載月:2007年12月

2006年12月、日本IBMは業界に先駆け、SOA(サービス指向アーキテクチャー)を活用したエンタープライズ・アーキテクチャー、およびそれを実現するためのソリューション体系「Rapid Enterprise Renovation for Financial Services Systems(RER for FSS)」を発表しました。金融機関のシステムに常に求められている堅牢性と、新たに求められ始めた即応性と柔軟性。RER for FSSは、この2つの課題に対応し、広がりゆく新世代システムと堅牢な既存システムとの最適な融合に向け、設計から開発までSOAを活用して実践的・具体的に定義したアーキテクチャーです。
SOAの活用により広がる新世代システムにおいて、新商品・サービスを提供するシステムは、自社で構築するだけではなく外部サービスを採用する場合もあります。サービスはサブシステム単位、さらにはサービス単位での連携によって実現されていきます。IBMは一般的なITレベルだけではなく、ビジネス・レベルでのサービス連携にも注力することにより、企業の枠にとらわれない新しいビジネス・モデルの創造を可能にする進化を目指します。

金融ソリューションNEWS Vol.40参照

ビジネス・サービスを柔軟に組み合わせ、業界ごとのビジネス機能を提供

SOAが目指すものは、ビジネスとITとの融合です。しかし、SOAの標準であるWebサービスの記述はXML(Extensible Markup Language)レベルであり、個々のサービスは互いに結合しておらず全体としては制御されていないため、だれもが容易に理解できるとは言いがたい面もあります。 図1 サービスの粒度とCBS
popup図1 サービスの粒度と
  CBS

IBMはWebサービスをビジネスとITのロジックが埋め込まれた「プロセス」を用いて組み合わせることにより、ビジネス・サービス、さらにはCBS(Composite Business Services)という、ユーザー側にも理解できる意味のある粒度としてのサービス定義とそのテンプレート(雛形)を提供します。CBSは業界標準への準拠を強く意識しており、さまざまなビジネス・プロセスや分散化したITシステムを柔軟に統合し、最適なサービスの構成を行うことができます。これらにより、社内のみならず、お客様、パートナー様、そしてサプライヤー様とのビジネスを迅速に結び付ける役割を果たします(図1)。

業界標準とプロセス・モデルによる整理

図2 フレームワークによるIT視点とビジネス視点の橋渡し
popup図2 フレームワークによ
  るIT視点とビジネス視点
  の橋渡し

前述のように、サービスを柔軟に組み合わせ、ビジネス機能を提供していくためには業界標準やプロセス・モデルによる整理が必要となります。IBMでは「ビジネスの視点」、「プロセスの視点」、「ITの視点」という三層構造での整理をしており、中でも「プロセスの視点」における、ビジネス・プロセスの管理に重きを置いています(図2)。プロセス・モデルとしては、世界で400以上のユーザーに対して15年間にわたって開発・拡張してきた銀行業務のメソドロジーとモデルであるIFW(Information Framework)や、IBMビジネスコンサルティングサービスによる、日本の金融機関向けに開発された「邦銀標準テンプレート」を提供しております。IBMはこれらを活用し、お客様のプロセスの最適化、柔軟性や即応性の実現、再利用によるアセット化を実現していきます。

CBS実現のための統合プラットフォーム:WBSF

WBSF(WebSphere® Business Services Fabric)は、CBSを実現するための、業界別の業務プロセス・モデルのテンプレートとSOAの設計・開発・構築・管理のための統合プラットフォーム です。WBSFにより、Webサービスを組み合わせたビジネス・サービス、それらビジネス・サービスを統合した複合ビジネス・サービスを利用することができます。従って、従来のようにWebサービスとプロセスをゼロから開発するよりも、疎結合化された柔軟なシステムを短時間で開発することができます。ビジネス・サービスに対しては、その利用条件、実行権限を設定することができ、実行時にはビジネス・サービスに紐付けられたWebサービスを条件に従って動的に選択、実行することもできます。これはダイナミック・アッセンブルと呼ばれ、プロセス定義自体の設計容易性、柔軟性をもたらします。

エコシステムの実現に向けて

図3 業界標準によるCBS構築
popup図3 業界標準による
  CBS構築

業務に応じたさまざまなCBSを構築し、継続的にその数や種類の拡充を進めることにより、市場や顧客ニーズの変化に素早く対応し、必要となるビジネス・プロセスやビジネス・サービスを適宜定義し適用できるようなっていきます。これは、自社内だけとは限らない再利用・アセット活用が可能なシステム、すなわち「エコシステム」の実現につながります。
エコシステムとは、生物が特定の環境で相互に利益を与え合い連鎖することで共存共栄する運命共同体からきています。情報システムの世界では、この連鎖は効果的な価値である、共通アーキテクチャー、共通サービス、標準インターフェース、プロセス・テンプレート、ソフトウェア・コンポーネント、イノベーション・ツールなどに相当します。そしてエコシステムでは、これらの価値を相互に共有し、育て、進化させ、相互活用していくことが重要です。
IBMはCBSを用いた検証を実施し、そこで得た経験を次第により大きく複雑な課題の解決に適用していくことを考えています。
そして、ビジネス革新に向けて、お客様ネットワークを結びつける触媒の役割を果たし、堅牢性と効果的な価値創造性を兼ね備えた健全なエコシステムの醸成に貢献していきます。

本事例は特定のお客様での事例であり、すべてのお客様について同様の効果を実現することが可能なわけではありません。
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