掲載月 : 2008年12月
今日、多くの金融機関では、多様化ならびに高度化する顧客ニーズに応えるための施策の1つとして、他行に引けをとらない金利設定を提案し、その上でコストを削減していくことが求められています。そこで、これまでのビジネス戦略と情報技術に対する戦略を180度考え直し、市場の要求に対する迅速なリスク管理の体制整備や、規制当局の定める要求を満たすことが重要となり、正確でタイムリー、かつ信頼性の高い情報にアクセスし、それらを柔軟に活用していくことが必要となってきています。
新次元のリスク管理を実現するRisk Management Cockpit
昨今の金融業界に求められるリスク管理機能はこれまで以上に高い次元であり、この要件を満たすため、IBMは、IBM Cognos® 8 Business Intelligence(BI)による、Risk Management Cockpitソリューション(Risk Cockpit)を提供します。
Risk Cockpitは、金融機関における情報に対するさまざまな要求、情報配信や統合、データの整合化といった、ある特定領域の多くのソリューション群による環境から、それらを統合的に活用し、より高度な分析要求に対応できる、幅広いデータと技術基盤の提供を実現します。特に、金利やさまざまな手数料の最適化や、顧客の生涯価値管理といった領域において、成長戦略と競争優位性を確保していくためには非常に重要なものとなります。
例えば、クレジット市場急変の中、市場取引担当役員がクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)の全社ベースの評価額をモニターし、評価損が大きい場合には、各取引明細までドリルダウンを行い、クレジット対象別の要因を分析します。ある特定の業者の信用不安が懸念される場合は、貸し株など、その業者との他の取引状況もモニターして、全社的に妥当な対応・判断を行い、損失を抑える、あるいは回避する意思決定が可能となります。一方、高い信用を持つ顧客に対する貸付の拡大により、発生し得る損失からの影響をさらに下げるよう検討することも可能となります。
また、最終的には企業のリスク管理担当者が全産業のリスクレポートを作成し、Risk Adjusted Return on Capital(RAROC)が全期にわたり改善するように新しい計画を作成することもできます。Risk Cockpitの活用は、組織の一部の利点にとどまらず、リスクによって発生する損失を少しでも抑え、企業収益の健全な成長に寄与することができます。一方で、上記一連の行動を、部下の報告に頼らず、役員クラスが自分で実施することも可能となり、その他にも以下の利点が挙げられます。
- 経営者、機関投資家、株主、そして規制当局は、その組織のリスク影響度を高いレベルで確認できる
- 部門、商品、顧客セグメント、管理プロセスはリスク・マネージメント・プロセスと連携することにより、適切なレベルの分析が可能となる
- 顧客対応部門や支店において、リスクから見た顧客収益性のレビューを実施し、対応を検討することができる
- リスク・マネージメント部門が重大なリスク情報に対し、明確な方向性を持って経営者に伝達し、企業にとって適切なリスク対応のための意思決定が可能となる
- 外部で発信されたリスク情報として、規制当局や業界団体、パートナー、機関投資家、格付け会社による情報を取り込み、顧客セグメントと連携させ、より適切な市場リスク評価のもとでの業務の推進が可能となる
Risk Cockpit導入による中長期的な利点
Risk Cockpitは、短期的な便益だけではなく、以下の中長期的な便益もご提供します。
- 情報の収集と配布を効率的に行う環境を短期間で構築する
- リスク業務に特化したテンプレートの提供により、導入が容易となる
- 規制順守や意思決定において、ベスト・プラクティスの活用を促進する
- Proof of Concept(POC : ソリューション実現性評価)環境を通じた開発を促進する
- 導入時の業界エキスパートからのサポートにより、導入を行い、手戻りのないプロジェクトを推進する
- 導入方法論の活用により、無駄・重複作業を削減する
- 経営者と規制当局が、互いにリスク管理が高次元で確立されていることを確認する
- リスク管理プロセスが、企業の事業プロセス全般と連携する
- 重要顧客における、リスク視点を加味した顧客収益性を管理する
- より詳細、かつ信頼性の高いリスク情報を提供する
PDCAサイクルにて、リスクにおける収益の分析、修正、新たな計画立案を実現
このようにリスク管理において、より高次元の情報分析を可能にするRisk Cockpitは、IBM Cognos Planningと組み合わせることにより、リスクにおける収益の影響を分析し、そこからの情報を基に企業における収益予測を修正、新しい計画立案を行うというPlan-Do-Check-Action(PDCA)サイクルを実現することも可能となります。
このCognos Planningは、事業計画と財務計画をシームレスに連携させ、事業部門がその部門の事業推進要因に基づき立てた計画(ボトムアップ計画)を財務計画に置き換え、経営者計画との差異をリアルタイムで確認しながら、適切な事業計画の立案を支援するソリューションです。Risk Cockpitによるリスク分析の結果を受け、企業の事業計画にその分析結果を受けた新しいターゲットを設定し、事業部門は新しい計画に対し、どのリソースをどの分野に集中させるかを検討できます。これによって、リスク管理部門で発見されたリスクは事業計画の中に組み込まれ、新しい事業計画・予測の下で業務を遂行することができます。
経営者、リスク管理者、顧客担当者など、リスクからの企業収益への影響を抑えることが求められる金融機関の皆さまに対して、Risk Cockpitは、ビジネス・インテリジェンスの機能を活用した高度なリスク管理を実現してまいります。
本事例は特定のお客様での事例であり、すべてのお客様について同様の効果を実現することが可能なわけではありません。
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