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T&D情報システム株式会社

デスクトップ・クラウドをオフショア開発拠点、太陽生命イメージワークフロー業務に導入、セキュリティー強化を実現

掲載月 : 2010年12月

T&D保険グループのITシステムの開発から構築、運用までを手掛けるT&D情報システム株式会社(以下、T&D情報システム)では、太陽生命に関するシステム開発の効率化を目指し、中国でのオフショア開発を推進しています。そして開発効率を最大限に高めるため、日本の本店に設置されているシステム開発環境を共有しています。これに当たり、十分なセキュリティー対策を施すため、日本IBMのデスクトップ・クラウド・サービスを活用してIBM Smart Business Desktop Cloudを導入しました。デスクトップ・クラウドの活用はセキュリティー強化と生産効率の向上という大きな成果をもたらしています。

セキュアなオフショア開発体制を実現するためにデスクトップ・クラウドの導入を決定

中澤 雅美氏の顔写真
T&D情報システム
株式会社
中澤 雅美氏
T&D情報システムでは、開発コストの削減、開発力強化および効率化などを目指し、2006年より開発体制の見直しを進めてきました。その計画の核となるのが中国でのオフショア開発の推進です。この取り組みについてT&D情報システム事業一部 シニアプロフェッショナル 中澤 雅美氏は、以下のように説明します。

「開発コストの削減、開発力の強化、より効率的なシステム開発の実現を目指して開発体制の見直しを検討していたところ、オフショア開発という選択肢が浮上してきました。そこで、その実現性を探るために、中国のシステム開発企業に研修としてスタッフを派遣するところから取り組みを開始しました」

2年間のトライアルの結果、判明した課題は、どのような開発環境を構築するのかということでした。その課題について、中澤氏は続けます。

「クライアント・サーバー型の開発方法をそのまま中国の拠点において適用すると、クライアントPCの中に重要なデータやプログラムを保存することになり、セキュリティーの側面から問題が発生します。そのためPCのみのスタンド・アローン型で開発を行ってみたのですが、この場合は依頼できる作業範囲が限られ、思うような開発効率に結び付きません。そこで注目したのが、デスクトップ・クラウドの導入です」

中国の開発環境ではシンクライアントの端末を活用し、そこから日本のサーバー側で管理されるシステムやデータ、プログラムなどにアクセスすることにより、中国のクライアント環境における情報漏えいやデータ消失といった事故を防ぐことができます。

トータルのサポート力を評価し、日本IBMに構築を依頼

「太陽生命のイメージワークフローシステム基盤を日本IBMと連携して構築した実績から、デスクトップ・クラウドの導入についても日本IBMのデスクトップ・クラウド・サービス、IBM Smart Business Desktop Cloudを採用しました。また、当面のシンクライアントの適用先としては、オープン系システムのイメージワークフロー業務の開発を対象と考えていましたが、将来的には汎用機系のシステム開発など、さまざまな業務に拡大していきたい意向もありました。そうした多方面への適用を見据えてトータルに環境を考慮する力量があるという点でも日本IBMを選択したことは正解だったと思います」

池田 睦氏の顔写真
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池田 睦氏
ソフトウェアの選択に当たっては、回線コストへの考慮からデータの送受信を少ない帯域で高速に行えるものが必要だったため、Citrix® XenDesktop®を採用しました。これにより、各クライアントが使用する通信帯域幅を最小化し、その狭い帯域の中で非常にスムーズな画面の操作性を実現します。

こうして2009年11月よりデスクトップ・クラウド環境の構築が始まりました。日本のデータセンターには、ハードウェアとして5台のIBM System x® 3650 M2を導入し、その中で仮想デスクトップ環境を構築。中国側のクライアント端末には、シンクライアント専用端末を導入しました。

「中国での開発が今後どの程度行われるようになるのかという正確な予測を立てることが難しかったので、日本IBMからのアドバイスもありサーバーは当面スモール・スタートとして、その後状況に応じて拡張するという方針にしました」

環境構築は2010年4月に完了し、翌月から稼働が開始されています。

セキュリティー強化とともに開発効率を向上

デスクトップ・クラウド導入の効果として、池田氏は、セキュリティー上の効果を挙げています。

「セキュリティーを考慮する場合、事故を含めたあらゆるケースを想定する必要があります。その点デスクトップ・クラウド環境ですと、システムやデータが集約され、予想されるトラブルのパターンが限られてきますので、余裕を持ってその対策を打つことができます」

また中澤氏は、開発効率向上の効果について着目しています。

「デスクトップ・クラウドを導入したおかげで、日本と中国で同じ環境を共有しながら開発を進めることができます。もし個別の環境で開発を行った場合、中国で作ったものを、日本の環境に移植した上で、再度テストし直すなどの手間がかかっていたところですが、テスト環境も同じになっている現在の仕組みでは、生産効率が飛躍的に向上しています」

中国では、それまでシンクライアント環境での開発を行った経験がなく、当初は戸惑いがありましたが、使い慣れた今では、むしろ効率的な開発ができる環境を喜んでいるとのことです。

ワークフロー業務にもデスクトップ・クラウドを導入

太陽生命では、同時期に生命保険の契約査定から成立業務、保全業務、そして保険金の支払い業務など、保険業務全般を処理する一連のワークフローを担う「イメージワークフロー業務処理」システムにおいても、デスクトップ・クラウドによるアプリケーションの仮想化を採用しています。従来の「イメージワークフロー業務処理」システムはクライアント・サーバー型のシステムで、全国約150カ所の支社および事務拠点等において、約2,300台のクライアントPCで利用されていました。クライアント側のソフトウェアをバージョンアップする際は、一旦支社サーバーに更新版を配布した後、各ユーザーが支社サーバーにアクセスしてソフトウェアを更新します。

「これまで更新版の配布と、実際にすべての端末で正確に更新されているかを確認する作業の手間が負担になっていたのですが、デスクトップ・クラウド環境では、サーバー側のシステムを更新するだけで済みますので、手間とコストを大きく削減することができました」(池田氏)

「太陽生命の『イメージワークフロー業務処理』では、かなりの量の情報をPCで入力しますし、それに対するチェック作業も頻繁に行われます。その作業がデスクトップ・クラウド環境でも従来のPCと同様のレスポンスで実現できるのかという点を懸念していましたが、構築後の状況としては全く問題なく稼働しています。ユーザーの方にも大いに満足していただいています」

このように、デスクトップ・クラウドを積極的に導入し、コスト削減、セキュリティー強化、業務効率の向上など、さまざまな成果を上げています。

掲載されている情報は2010年12月現在のものです。内容は事前の予告なしに変更する場合があります。
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