掲載月:2006年6月
ソリューション概要
利用者による金融機関の選別が厳しくなっている昨今、旧来唱えられている「お客様満足(CS:Customer Satisfaction)」を改めて意識し、「お客様の生の声を効率よく収集して分析し、業務変革に役立てること」を重要な経営課題の一つとして位置付ける金融機関が増えてきています。
特に、重要なお客様の満足度を向上させるために、身近にある「データ」(たとえば、お客様との折衝記録データ)を積極的かつ迅速に経営戦略に反映し、お客様のロイヤリティを維持しながらの「スピード経営」が求められています。
有益な情報をいかに入手し、どのように活用するか—企画担当者であれば一度は考えたことのあるこの課題に対して、今、テキストマイニング技術を活用した「お客様の声分析」が注目を集めています。
支店やATM周辺などに簡易な「ご意見カード」を常備したり、お客様満足度調査を企画するなどしてお客様の意見を集約・分析するのが一般的なお客様満足度向上のための施策アプローチです。一方、このテキストマイニング技術を活用したお客様の声分析は、かねてより蓄積されていな
がら、なかなか有効に活用されることのなかった膨大な営業の記録(たとえば、「営業日誌」や「コンタクトセンターのログ」など)からお客様の意見や要望、苦情、称賛、質問などの多様な声や傾向を簡単に把握できる点で高く評価されています。
「お客様の声」を起点にする業務変革へ
金融機関が提供する「サービスの価値」は、最終的に金融機関の利用者であるお客様の判断に委ねられます。しかも、その評価の基準は、往々にして個人の価値観や主観に大きく左右される傾向があります。
このような特徴に着目し、金融機関における「お客様の声」を起点にする業務変革を実現するために、その金融取引行動を中心に、そこから生じるさまざまな要望や意見を「お客様の目線」で的確に捉えることから始める必要があります。
「苦情」に隠された真の期待やニーズ

図1 メイン画面
金融機関の提供する「サービスの価値」を最大化させ、お客様満足を高める業務変革を実現するためには、お客様から寄せられる苦情のデータと向き合うのが近道です。苦情には、お客様が当たり前と考える「常識」や「主観」、お客様が実現されると魅力的だと考える「願望」や「理想」が同時に表明されることが多いためです。
しかし、営業の記録として日々蓄積しているデータから苦情に関するデータを探し出し、分析の都度1文章ずつ読み込みながら、苦情の内容ごとに分類し整理し直そうとすると、膨大な作業時間と人手が必要になることでしょう。
このような問題や悩みをテキストマイニング・ツール「IBM TAKMI®/アイ・ビー・エムタクミ[図1]」が解決します。
テキストマイニング・ツール「IBM TAKMI」を活用した苦情の分析

図2 苦情表現辞書
「IBM TAKMI」は、お客様の属性データや取引データのみならず、担当者が記録した文書データをそのまま分析の対象にするのが特徴です。
お客様から寄せられた苦情の記録もそのまま分析の対象として取り扱います。
「IBM TAKMI」を適用する苦情分析では、主に次の6項目を実現します。
- 苦情文書の識別
- 検索抽出した苦情文書の自動分類
- 時系列軸による苦情文書の増減の把握
- 苦情のモニタリングとアラーティング
- 苦情を申し出たお客様の特徴の分析
- 苦情の原因や要因の把握*1
1.苦情文書の識別
苦情文書の識別を可能にする「苦情表現辞書[図2]」*2を基に、膨大な営業記録に関する文書データ中から、お客様の苦情に言及した文書データを検索し、抽出することができます。
2.検索抽出した苦情の自動分類
お客様から寄せられるさまざまな苦情から代表的な苦情パターンを定め、各々の苦情パターンごとに内容の近しい苦情文書を集約することがで
きます。
3.時系列軸による苦情文書の増減の把握
文書データの日付情報を基に、苦情文書の増減傾向を時間経過とともに把握することができます。最近増加傾向にある苦情や特定の曜日に多
い苦情などを簡単に把握することができます。
4.苦情のモニタリングとアラーティング
苦情パターンごとにその増減傾向を管理し、急激な増減傾向にある苦情については、アラート表示を行うことができます。
5.苦情を申し出たお客様の特徴の分析
お客様の属性データや取引データを活用し、苦情を申し出たお客様の特徴(特定の年齢層のお客様や特定地域のお客様など)を苦情内容とともに傾向把握することができます。分析結果は、より実態に合わせた苦情の改善施策を立案する際の貴重な参考情報とすることができます。

図3 業務変革サイクル
6.苦情の原因や要因の把握
苦情文書には、苦情が発生した際の状況やお客様の事情など、お客様の満足度向上を考察する上で参考となる情報が記述されていることがあります。これら記述の範囲内で、具体的な苦情の原因や要因を把握することができます。
また、「IBM TAKMI」の適用分野は、苦情の分析にとどまらず、コンプライアンス違反のモニタリングや、お客様の要望を踏まえたマーケティング戦略立案など、さまざまなテーマ分野で活用することができます。
今後もますます多様化することが予想されるお客様の嗜好の変化や個々の要望を素早く的確に捉え、最適な商品やサービスを提供し続ける—これがお客様中心の業務変革の実現です。IBMは、最先端のデータ分析機能のご提供と経験豊富なコンサルティング支援により、真のお客様中心の金融サービスを実現するための「お客様の声を活用した業務変革サイクル[図3]」の構築を強力にご支援します。
*1 テキストデータに記述されている字面上の範囲で把握します。
*2 自社のデータ特性を考慮し、オリジナルの辞書を構築します。
本事例は特定のお客様での事例であり、すべてのお客様について同様の効果を実現することが可能なわけではありません。
本事例中に記載の肩書や数値、固有名詞等は初掲載当時のものであり、閲覧される時点では、変更されている可能性があることをご了承ください。
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