掲載月:2007年6月
ネットワーク社会の進展に伴い、金融機関にとってもインターネット、携帯電話といった非対面のリモートチャネルの重要性が高まっています。米国では、インターネット・バンキングの利用者が口座保有者の50%に迫る勢いで※1、メインチャネル化しつつあるといっても過言ではない環境となっています。
そのため銀行では、顧客取引を営業店からインターネット・バンキングを中核としたサービスに移行しながら、電話系サービスを適切に活用するチャネル連携の機能が必須となってきました。しかしながら、24時間365日の稼働を前提としたインターネット・サービスを自社で提供することは、大きな負担となります。また、コールセンターなどの音声系システムでも、PBX(構内交換機)や、Computer Telephony Integration(CTI)、音声応答システム、録音装置等の専用機器への特殊なスキルや、IPネットワークをはじめとする新しい技術への対応も課題になっています。
このような背景のなか、弊社では複数の金融機関のインターネット系サービスや音声系サービスなど、お客様との接点(チャネル)におけるサービスを拡大し、複数の銀行で共同利用できる「IBMチャネル共同センター・サービス」を2005年11月より提供しています。従来、勘定系システムの分野が中心であったアウトソーシングを、チャネルエリアにも拡張したサービスです。
IBMチャネル共同センター・サービスの特徴

図1.IBMチャネル共同センター
・サービス概要
IBMチャネル共同センター・サービスは、オープンなWebテクノロジーでチャネル機能を統合し、また各銀行がそれぞれのニーズに合った機能を選択できるよう、アプリケーションについてはメニュー選択方式でサービスを提供します。インターネット・バンキングの主だった拡張機能としては、投資信託、外貨預金といった預かり資産系商品への対応、Web通帳、個別メッセージ通知など顧客サービスの充実、セキュリティー機能の強化などがあります。またインターネット・バンキングとコールセンターのチャネル連携機能として、以下の機能を標準で装備しています。
- コールセンター・オペレーターによるインターネット・バンキング会員の取引内容照会機能
- インターネット・バンキング、コールセンターのお客様コンタクト履歴を基にした、イベントベースでのヒット率向上に向けたテレマーケティング機能
- 統合認証機能、など
一方、各金融機関が他行と差別化していきたい機能については、自行の要件に応じたカスタマイズが可能です。例えば、インターネット・バンキングでの戦略商品の開発やサービス対応、コールセンターとの連携、CRMマーケティングへの展開といった戦略的な機能は各行の戦略に応じてカスタマイズし、他の部分は共通のパッケージを利用する、といった運用が可能です。
また、「IBMチャネル共同センター」でご提供する運用サービスについては、システムの耐障害性の強化はもちろんのこと、これまでの金融機関におけるアウトソーシングで培ったノウハウを生かし、基幹系システムとほぼ同等の品質を実現しております。料金体系はオンデマンドによる価格体系であり、各銀行で必要とされる規模に応じ、さらにピーク対応も考慮した体系となっています。これらの柔軟なサービス提供により、銀行個々の戦略に応じた業務・サービスの実現が可能となります。
マルチチャネル戦略を支えるシステム基盤の採用
システムの基盤は、IBMの金融チャネル戦略を支える統合ソリューション「マルチチャネル・トランスフォーメーション(MCT)」を活用しています。複数のチャネルを連携・統合することでコストを削減するとともに、営業や新商品企画などの自社で強化したい機能に経営資源を集中できます。MCTは、残高照会や振込といった機能ごとに部品化されており、各部品の組み合わせによって、お客様のご要望に柔軟に対応できます。
ビジネス・トランスフォーメーション・アウトソーシング・サービス
「インターネット・バンキング・ヘルプデスクサービス」開始

図2.インターネット・バンキング
・ヘルプデスク運用イメージ
共同センター・サービスに加えて、お客様業務の継続的な改善を実現するビジネス・トランスフォーメーション・アウトソーシング・サービス(BTO)への拡大を実施しています。
銀行では現在、インターネット・バンキングの利用者増加に伴い、メニュー拡張やセキュリティー対策の強化を進める一方、利用者数に比例して、サービス内容や操作方法に関する問い合わせの入電件数も増えています。利用者のさまざまな利用環境を考慮した問い合わせ対応には、銀行商品知識に加えてインターネット関連知識が必要です。そのため、技術の進歩に合わせた研修などを継続的に自社で提供することは大きな負担となってきています。
上記課題を解決し、銀行が本来取り組むべきコア業務に専念していただく環境を実現することを目的として、インターネット・バンキング・ヘルプデスクサービスを開始しました。このサービスにより、インターネット・バンキングの開発技術者と運用部隊との連携はさらに深まり、高品質なサービスのご提供が可能となります。
IBMはこれまでの経験とテクノロジーを組み合わせ、金融機関様の効率的なチャネル運用、および高度化する顧客の要望に応えるチャネル戦略の実現に向けて、ご支援してまいります。
※1 "US. Internet Banking 2006:Here We Grow Again, Financial Insight" 2006年12月発行
本事例は特定のお客様での事例であり、すべてのお客様について同様の効果を実現することが可能なわけではありません。
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