掲載月:2007年6月
日本版SOX法(J-SOX)への対応について、企業の関心が高いことは言うまでもありません。ディスクロージャーの信頼性確保に向けた機運が高まり、株主や顧客、そして社会に対して負う責任が、従来の経済的あるいは法的な範囲を大きく超えつつある現在、企業がその責任を果たすためにも、ITが担う役割はますます重要になってきています。
企業におけるIT、およびIT部門が果たす役割の変化
一方、企業の構造自体も変化しています。ビジネス・モデルやビジネス・プロセスの組み換えによる企業統合や、選択と集中といった高付加価値・差別化戦略の流れにより、企業のビジネス活動は一社統合型から複数社分散型へと機能的な構造変化が起こっています。こうした環境下で、ITはビジネス機能をつなぐ役割を担い、ビジネス遂行に不可欠なものとなっています。また、これらの環境変化により、IT部門は単なるシステム・ソリューションの提供者から、ビジネス変革をリードするイノベーション・リーダーへと、その役割に寄せられる期待が変化しています。さらに従来から取り組んでいるIT運営の品質向上や効率性の追求についても、より一層高いレベルでの貢献が求められています。
ITカバナンスに関するコンサルティングのソリューション
図1 ソリューション一覧
経営部門からIT部門への要求は、次の3つが考えられます。
- ビジネス変革のドライバー
- IT=ビジネス基盤の高品質運営
- 全社最適化
IBMビジネスコンサルティングサービス(IBCS)は、これらの要求に対し、それぞれのコンサルティング・ソリューション、およびそれらを横串で捉えたソリューションをご提供します。
ビジネスの変革・推進の担い手へ
ビジネス変革のドライバーの役割を果たすソリューションとしては、「1:ITガバナンス確立」と「2:EA(エンタープライズ・アーキテクチャー)」によるソリューションがあります。
1:ITガバナンス確立
- IT全般統制:実績あるフレームワークに基づいた効率的な支援によって、J-SOXへの対応に向けたIT全般統制の整備、評価、運用を可能とします。
- IT戦略立案プロセスの改善:IT戦略の立案・実施・評価のプロセスと役割分担を全社的に明確にすることによって、経営戦略とリンクしたIT戦略の遂行が可能となります。
- ITアーキテクチャーの確立:変化に柔軟に対応できる全社共通のITインフラを確立することにより、企業統合や事業統合への柔軟な対応を可能とします。また、セキュリティー・ポリシーやシステム管理基準を確立することによって、増加するシステムの外部接続における信頼性を確保します。
2:EA
- ITの仕組みの網羅的な把握:自社内の全ITを網羅的に把握し、ビジネスとの整合性を持った体系的なアーキテクチャーを策定することが可能となります。
- 標準化による運用効率化やビジネスへの貢献を推進:標準化を図ることにより、効率的なシステム運用を行い、ビジネス環境の変化にも迅速な対応が可能となります。
ビジネスの基盤であるITの安定運営
IT=ビジネス基盤として、高品質運営を果たすためのソリューションとしては、「3:システム運用リスク削減」と「4:災害対策立案」があります。
3:システム運用リスク削減
ITサービスの品質を低下させる運用管理上のリスク要因を網羅的に洗い出し、重要度に応じた根本的なリスク削減策を実施することにより、障害削減を実現できます。
4:災害対策立案
専門知識と経験を有する専門家によって、ビジネスの継続を可能にする対策の立案と構築が可能となります。
保有する情報やシステム投資を全社規模で最適化
図2-1 各ソリューションと対
応するお客様課題
図2-2 各ソリューションと対
応するお客様課題
企業が保有する情報、およびシステム投資を全社規模で最適化するための支援ソリューションとして、「5:ITコスト(TCO:Total Cost of Ownership)の最適化」、「6:システム監査」、「7:企業統合に伴うシステム統合計画策定」があります。
5:ITコスト(TCO)の最適化
ITコスト構造の明確化とITプロセスの分析により、コスト削減効果の大きい領域の絞り込みとITコスト最適化に向けた管理プロセス構築のための管理指標を設定することが可能となります。
6:システム監査
専門知識を有する第三者による評価・判断を活用することによって、情報システムの信頼性・安全性・効率性の向上が図れます。
7:企業統合に伴うシステム統合計画策定
セッション技法や数多くの統合事例に基づくテンプレートを活用し、業務とシステムの整合性のある一元化したシステムを目指します。
最後に、IT全体を横串に見るソリューションとして、「8:ITの価値評価」、「9:IT部門の変革」、「10:ITプロセス変革」があります。
8:ITの価値評価
- ITバランス・スコア・カードによる評価の仕組みの導入:多面的な視点により、IT投資の持つビジネス的な価値も含めた評価を可能にします。
- IT投資に対するマネジメント・プロセスの導入:投資案件の選択、優先付けやライフサイクルを通じた案件管理の仕組みによって、ビジネス戦略に合致した投資を実現します。
9:IT部門の変革
IT部門における『戦略・企画』機能を強化することにより、経営とITの一体化を目指します。そしてIT部門が、企業を取り巻くIT環境の変化に適応できる戦略部門へシフトすることを可能とします。
10:ITプロセス変革
ビジネスに貢献するIT部門となるために、IT部門の役割をビジネス支援という共通の目的とし、統一感のあるプロセス設計や、役割分担の明確化を実現させます。
このように、ITガバナンス構築に向けた数々のコンサルティング・ソリューションにより、経営の要求に応える新しいIT部門の創造をご支援いたします。
本事例は特定のお客様での事例であり、すべてのお客様について同様の効果を実現することが可能なわけではありません。
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