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団塊の世代に向けたインターネット・バンキング・サービスを始動

中央三井信託銀行株式会社

掲載月:2007年6月

「次のメインバンクは信託です」というメッセージで、コンサル型営業で団塊世代など資産運用世代へのサービス強化を続ける中央三井信託銀行株式会社(以下、中央三井信託銀行)は、利用者層のITリテラシー向上や家庭へのネットワーク環境拡充をふまえ、利便性強化の視点から満を持してインターネット・チャネルへの着手を開始されました。

開発にあたっては、先行する他社サービスに対する利用者の反応などを通じて明らかになってきた、真に利用者に求められるサービス、真に合理的なシステム設計・構築のあり方から、先進的、かつ最適なものを選択し、お客様のニーズに、これまで通りの厚いサービスで応える新チャネルを完成させました。

その目的は中央三井信託銀行の強みである対面チャネルでのコンサルティング力をより生かすために、取引に関わる業務をインターネットにシフトさせること——営業活動をコンサルティング・フェーズと取引フェーズに切り分け、取引フェーズをインターネット・バンキングが吸収することで営業・事務双方の効率化を図ることです。

このインターネット・バンキングの開発における特長は下記3点となります。

24時間/365日、常に期待に応えるシステムへ

「ミニオンライン」設計により、勘定系への影響を縮小
このインターネット・バンキング・システムは生活スタイルの多様化に応えるべく、お客さまが望んだ時間にいつでも利用ができるシステムを目指し設計されました。

図1 システム全体図
popup図1 システム全体図


図2 「ミニオンライン」概念図
popup図2 「ミニオンライン」概念図
しかし、実際に24時間、勘定系システムと連動させる(システム・メンテナンス時間を除く)リモート・チャネルを構築することは、勘定系システムにも影響を与える多大な費用と期間、リスクの発生を意味します。

中央三井信託銀行では、この課題に、斬新な発想で対応しました。24時間対応のために、勘定系照会用データベース「ミニオンライン」を構築。ホストをDBサーバーとして活用するという画期的な発想で、勘定系ホストの運用に影響を受けず24時間の照会を実現しています[図1・2]。

この結果、既存の勘定系のアプリケーションへの追加開発を小規模に抑え、利用者にはいつでも照会や取引(夜間は予約)ができる利便性を提供しています。また、今回すでに構築されていたアクセスハブ(EAI)を活用し、そのネットワーク構成の柔軟性をもって開発コストを減少させています。さらに、アプリケーション・サーバーとして採用したAIX®サーバーにおいては、マイクロパーティション機能を基幹であるバンキング・システムの本番業務で使用。これにより、急なトランザクション増加にも柔軟に対応できるとともに、サーバーのシステム・リソースの有効活用を実現しています。

なお、開発環境でもマイクロパーティションをフル活用しており、今後は1次開発のアプリケーション保守を行いながら並行的に2次開発を行う等の利用を進めていく予定です。

独自のフレームワーク「ATOM」の採用
計画フェーズで、独自のアプリケーション基盤(フレームワーク)「ATOM」の採用が検討され、アーキテクチャー担当チームによる入念な検証のもと採用が決定しました。オープンなテクノロジーを極力取り入れつつ、将来のアプリケーション保守における開発生産性の向上が目指されています。

プロセスやフレームワークを細かく定義し、ビジネス・ロジックを4階層で実装

担当者に依存しない均一な開発品質
上流設計をオブジェクト指向で行うだけでなく、実装に向けた設計も構造化ではなくオブジェクト指向を採用。

アプリケーションの基本構造をフレームワーク「ATOM」が提供、その上でアプリケーションはプレゼンテーション層、プロセス層、サービス層、データ層の4階層で開発しました。プロセス層はプロセス・オブジェクトのユースケース単位でのセッション管理や画面フローとの一貫性の実現を容易にし、サービス層は階層間の依存関係をなくすとともに、単機能分割により再利用性を向上しています。
データ層ではDBアクセスと勘定系通信を仮想化し、拡張性を向上させています[図1]。このほか、反復型手法によってスキル・経験のリスクを除去するなど、先進の設計手法をバンキング基幹システムで適用しています。

"分析モデル"は3階層モデルが標準ですが、分析モデル~設計モデル~コードの各段階で開発者の経験・スキルに依存しがちです。中央三井信託銀行の開発チームと、IBM開発チームという体制の中で、個人への依存を減らすため、分析モデルから4階層モデルを採用し、設計・コーディングの標準化を徹底しました。均一な品質、保守容易性を堅持し、モジュールの再利用性の向上に大きく寄与しています。

将来的に勘定系の更改や外部システム・インターフェースの追加・更新があっても、業務プロセスへの影響は少なく、今後のSOAの適用などにも容易・柔軟に対応が可能です。

シニア層の利用者にも使いやすいWeb操作画面の提供

特に利用者との接点で重視されたのは、誰もが使いやすいWeb画面のデザインでした。利用者の年代や、属性に応じて視力の傾向や色合いの見分け方の特性などを深く考慮したWeb画面デザインで、過去にグッドデザイン賞の受賞など多くの実績をもつ、IBM大和研究所のWebデザイン専門チームであるユーザー・エクスペリエンス・デザイン研究所が、今回のインターネット・バンキングの操作画面を、全面的に団塊世代に向けてデザインしました。

操作ボタンの大きさ、位置、操作の流れ、画面の色合いのコントラストなど、本当に使い心地の良い、長く使っていても疲れないWeb画面を通じて、先進的な価値のある金融サービスが提供されています。

さらなる発展へ

多くの資産運用ニーズを抱える団塊世代のインターネット普及率は50%を超えていると言われ、対面サービスでの細やかさを継承するインターネット・サービスへのノウハウ活用により、ダイレクト・チャネルが果たす役割は拡大していきます。

中央三井信託銀行は、新たなサービスへの対応を迅速、効率的、かつ、最適なコストで実現する基盤、先進的なテクノロジー、優れた使いやすさで、チャネル・シームレスな団塊世代向けサービスを展開していきます。

本事例は特定のお客様での事例であり、すべてのお客様について同様の効果を実現することが可能なわけではありません。
本事例中に記載の肩書や数値、固有名詞等は初掲載当時のものであり、閲覧される時点では、変更されている可能性があることをご了承ください。

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