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2015年のノンバンク業界

新たな収益機会の創出に向けて

掲載月 : 2009年6月

これからの10年、ノンバンク業界は2つの変化を迎えます。1つ目は、貸金業法改正をきっかけに起こった業界の統合・再編、もう1つは少子高齢化などの社会的な変化です。こうした動きの中で消費者信用市場はどうなっていくのでしょうか。また、それを担う業態はどのように変わり、それらに対してノンバンク・プレーヤー※1は何をすべきでしょうか。2015年のノンバンク業界の姿を概観します。

儲からないマーケットと化す消費者信用

消費者信用は、消費者金融と販売信用で構成されています。消費者金融については、法規制の改正等により消費者ローン・マーケットの規模が減少する見込みです。一方、少子高齢化が進むものの、耐久財消費に影響を与える世帯数がピークにあることなどから消費支出は拡大します。加えて、医療費などのカード利用が拡大するため販売信用は増加し、両者を合わせた消費者信用も増加すると思われます。しかし、収益性の低い販売信用が収益性の高い消費者金融を埋めるため、収益は減少すると考えられます※2。また、電子マネーの普及をきっかけに、通信・交通・GMS(ゼネラル・マーチャンダイズ・ストア)系カードがこの3年で発行されたクレジット・カードの約75%を占めるなど、日常生活を担う業態のカードの台頭が目立っています。これらの業態は、作り過ぎたカードを集約・選別している利用者が、日頃持ち歩く1枚として選ぶ可能性が高く、電子マネーの利用環境がどこまで整備されるかにもよりますが、今後、旧来のプラスチックの汎用カードにとって代わるプレーヤーに育つ可能性があります。

分散型へシフトするノンバンクの業態

この中で既存のノンバンク・プレーヤーが注力すべきなのは、“企画”です。例えば、成熟したマーケットでは、顧客情報を握っている川下がパワーを持つと言われています。 しかし、カード利用の場合、物理的な川下にあたる媒体は通過点に過ぎず、顧客情報はそのままデータベースに格納・処理されます。その際、顧客情報を握り、ハンドリングす るのは、与信管理・顧客管理などの“企画”です。他社との差別化を果たし、新たな価値の創出や対価を獲得する源泉として、企画機能を強化・維持することが重要だと考えます。

  1. T&E※3、セグメント・カード型
  2. ハウスカード型
  3. 企画+オペレーション受託型
  4. フル・カバー型

会社を超えた効率化の推進と新たな価値提供による収益強化を

一方、個社で行う効率化には限りがあります。今後は、銀行を含めたグループやノンバンク業態という単位で、チャネル、サイト、機能などを共同化するといった、会社を超えた効率化に取り組むことが求められます。成熟化したマーケットでは、自社だけが勝ち抜くという従来の戦略の発想では無理があるように思われます。

また、これまで以上の収益を上げるためには、新たな付加価値の創出も重要です。

例えばこの数年で、こだわりのあるものに投資を惜しまない消費者が増えています。こだわるものは人によって異なり、それぞれに集まる人は少人数のため、商品・サービス提供者が彼らをとらえるのは容易ではありません。そこで、利用者と商品・サービス提供者を知っているノンバンクが間に入り、ニーズとサービスをつなぐことで、より高い年会費を獲得することはできないでしょうか。そのほか、カード会社では、多くの場合、自社のプロセスを流用してプロセシングを受託して来ました。この場合、委託先ごと にシステム対応は要りませんが、対象がカードに限られてしまうデメリットがあります。これからは、与信管理、顧客管理、マーケティング、督促・回収、オペレーションなどの単位でプロセスを分割することで、他業態から委託を受ける機会を増やすことはできないでしょうか。いずれも経験とノウハウが必要であり、ノンバンク・プレーヤーにとっては対価を期待できるケーパビリティー(能力)があるのです。

ノンバンク・プレーヤーには、銀行が対象としない層への信用供与と、商品・サービス提供者と消費者の間に立って、双方の情報不足を補い、消費を円滑にする社会的役割があります。

この社会的役割を果たし、オペレーションの効率化と利用者ニーズに合わせた価値を創出していくためには、ビジネス・パートナーとの提携やアウトソーシングを環境や 戦略に合わせて柔軟に行えるシステムが必要でしょう。

IBMは、コンサルティングをはじめソリューション、テクノロジー、そして多様な運用サービスまで、ノンバンク業界の皆様を多面的な角度から引続きご支援してまいります。

※1 本稿のノンバンク・プレーヤーは、カード・信販・消費者金融などの従来からのプレーヤーを指す。
※2 複数のシンクタンクが金融ショック前に予想した消費支出をベースにしているため、経済環境の悪化により、規模・収益とも減少になる可能性も考えられる。
※3 T&E:Travel and Entertainment

当内容は、月刊『消費者信用』2009年2、3月号への寄稿内容の抜粋版となります。

本事例は特定のお客様での事例であり、すべてのお客様について同様の効果を実現することが可能なわけではありません。
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