掲載月 : 2009年6月
各金融機関において、リテール・ビジネスを核とした収益構造の変革が求められる中、これまでのマーケティング活動の課題点を改善し、収益に貢献できるマーケティング手法として、『EBM(イベント・ベースド・マーケティング)』に今、注目が集まっています。
生活消費財などと違い、金融商品は短期間に継続的に購入されることがまれであり、一度契約した後は、しばらく再購入が期待できない特性を持ちます。顧客との接点(チャネル)で発生している事象の中から「このようにしてほしい」、「このような商品を知りたい(購入したい)」という顧客ニーズをイベントとして感知し、それをきっかけとしてタイミングよく顧客とコミュニケーションするのがEBMです。では、このように『顧客の金融ニーズ発生のタイミング』をとらえたマーケティング手法と定義されるEBMを実践するためには、何を準備しなければならないのでしょうか。
以下のファイルを見るにはAdobe® Reader®が必要ですAdobe Reader
情報システムを駆使したマーケティングのオートメーション化への課題

図1 イベント・ベースド・
マーケティングの
システム全体像(イメージ)
(380KB)金融機関における顧客行動のデータは、顧客接点であるチャネルに存在します。金融機関のチャネルは、顧客利便性を追求してきた歴史から多岐にわたっており、顧客も自己の都合に合わせて使い分けています。このような顧客のチャネル利用に伴って発生する多くの「勘定を発生させない」データこそが、顧客行動データであり、隠れた顧客ニーズを示すものです。例えば、インターネット・バンキングの特定商品のページを何回閲覧したかといった情報です。これらをマーケティングに活用するためには、マーケターによる分析対象のデータを各チャネルから収集し、保管する仕組みが必要となります。保管されたデータの分析によって、顧客行動として感知すべきイベントを定義し、仮説・検証を繰り返し実施することで顧客セグメントとイベントの関係を、今まで以上に精密に分析できるのです(図1)。
そして、分析により定義されたイベントや、イベント定義に合致する対象顧客の定義、メーセージの内容や配信のタイミング・頻度・期間などを適切に実施するために、顧客に対するコミュニケーションの規則(ルール)を明確にし、その上で情報システムを駆使したマーケティングのオートメーション化の仕組みが重要となります。
このように、『EBMの実践』に向けた準備・各システムの配備には、既存組織・業務・システムの改善・拡張、もしくは新規構築などへの投資が必要です。しかし、マーケティングの導入から本格的な展開に向けた各種の投資に見合うだけの収益効果を定量的にとらえることが難しい領域であるゆえに、多くの金融機関がEBMの実践に踏み切れない状況にあるのではないでしょうか。※
EBM 実践に向けた3つのサービス・メニューとマーケティング・テンプレート

図2 EBM実践に向けたIBMの
サービス・メニュー
IBMでは、これらの課題を解決し、EBMの実践に向けた検討をご支援するためのサービス・メニューを下記のとおり、ご提供しています(図2)。
1.EBMの効果を事前評価する『EBM導入効果診断サービス』
IBMが国内金融機関の顧客データに基づいて導き出したイベント・テンプレートをはじめとする、リテール・マーケティング・テンプレートを元に、個々の金融機関の既存環境から取得可能なデータを利用して分析を実施いたします。この分析によって、EBM導入・実践による効果予測を算定するとともに、分析テーマの具体的な施策(対象セグメント・イベントルール・メッセージ内容・配信ルールなど)のご提示までを行います。
2.EBMプロセスを試行できる『EBM トライアルサービス』
範囲は限定されますが、必要なシステム機器をご用意し、EBM実践のPDCA(Plan, Do, Check, Action)プロセスを実際に試行いただくサービスです。
EBMトライアルサービスをご利用いただくことにより、本格的なEBM展開に向けた人員の育成・業務プロセスの定義と実行、必要システムの定義を行っていただくことが可能です。
3.本格的なEBM展開のための『EBM システム構築サービス』
1,2のサービスをご利用いただくことにより、EBMの導入効果を見極めた上でのシステム化をご支援いたします。

図3 IBMが提供する
マーケティング・テンプレート
IBMは、EBM実践に向けた各プロセスをご支援するため、テンプレートおよびフレームワークを保有しております(図3)。
- EBMの各種分析シナリオ策定のための分析仮説フレームワークと数百項目に上る仮説リスト
- 仮説を元にデータ分析を実行する分析/マイニング・フレームワーク
- 商品セールス・サービス利用等金融機関の施策実行のためのターゲット・セグメントおよびイベント定義
これらは、これまでに多くの金融機関における顧客分析・マーケティング・プロセス構築・システム構築での経験が生かされたものであり、既にいくつもの国内金融機関で実績があります。
IBMは、上述の3つのサービス・メニューとマーケティング・テンプレートを活用し、EBMによる効果的なマーケティングの実践を、検討から試行、本格導入に至るまで一貫して、ご支援してまいります。
※2008年12月5日 ニッキン掲載 地銀協記事参照
本事例は特定のお客様での事例であり、すべてのお客様について同様の効果を実現することが可能なわけではありません。
本事例中に記載の肩書や数値、固有名詞等は初掲載当時のものであり、閲覧される時点では、変更されている可能性があることをご了承ください。
IBM, IBMロゴは、International Business Machines Corporationの米国およびその他の国における商標。
Adobe, Adobeロゴは、Adobe Systems Incorporatedの米国およびその他の国における登録商標または商標。
他の会社名、製品名およびサービス名等はそれぞれ各社の商標。
