掲載月:2006年3月
ソリューション概要
サーバー環境に依存せず、柔軟性/将来性ある業務アプリケーション・システムの開発を可能にするオープン・システム技術は、本格的なビジネス・システム基盤に向けた世界的なオープン標準であるJ2EE™(Java™ 2 Platform Enterprise Edition)をはじめ、その普及が急速に進んでいます。
現在では、企業ビジネスの根幹を支える複雑で高度な業務システムや、停止が許されない、いわゆる「ミッション・クリティカルなシステム」が、この新しいプラットフォーム上に移行・構築されるケースも増えています。
その一方で、このJ2EEという新しい開発環境では、開発者のプログラミング・スキルのレベルがさまざまで、J2EE上でのミッション・クリティカル・システムへの要件を真に理解したシステム基盤設計は困難であり、その負荷が、アプリケーション機能の開発への阻害要因となるケースも散見されています。
IBMは長年にわたる数多くのお客様での基幹システム構築のご支援を通じて培った経験とノウハウをJ2EE環境上に結集させ、オープン技術でのミッション・クリティカル・システム構築における"堅牢な設計"、"生産性の高い開発"、"可用性の高い運用"を実現する汎用性に富んだユーティリティー群「NEFSS*1ライブラリー」を完成させ、IBM知的財産サービス・コンポーネントとしてあらゆる業界に向けてご提供を開始しています。
また、継続的な保守サービス、各種の研修プログラムの企画など、お客様環境での長期的な活用に向けた全面的なご支援を展開しています。
高度な可用性/堅牢性と、開発生産性の向上を同時に実現

図1 システム要件
企業の根幹を支える基幹システムには、[図1]に整理されているような、多面的で非常に厳しい可用性と堅牢性が要求されます。
また、昨今の激しい経営環境の変化に迅速かつ最適なコストで対応するために、開発生産性の向上も大きく求められています。
NEFSSライブラリーは、これらの課題に応えるべく、下記の効果を提供する目的で設計されています。
システム基盤に必要な機能の提供
通常、プロジェクトごとに開発されるような堅牢性や信頼性のための主要なシステム機能を提供。
アプリケーション開発を支援するツール/部品の提供
オープン基幹系システム要件を踏まえた設計で開発され、稼働検証された部品を、使いやすいツールとして提供。
アプリケーション・サーバーの補完機能を提供
J2EE上で汎用的なアプリケーション・サーバー機能を提供するWebSphere® Application Serverと親和性の高い、ミッション・クリティカル・システム要件への対応機能を装備。
これらの機能により、アプリケーション開発現場では下記のような効果が実現します。
- 開発者はJ2EEの設定や機能の詳細から解放され、「業務ロジックの開発」に専念することが可能に
- J2EEアプリケーションの開発生産性の大幅な向上を実現
- J2EEアプリケーション・サーバー上で、ミッション・クリティカル・システムの開発の信頼性、堅牢性の向上を実現
NEFSSライブラリーの主な特長と機能

図2 NEFSS機能
NEFSSライブラリーの実体は、J2EEに準拠し、IBM WebSphereとの親和性に優れた業界標準のコンポーネント群です。
オープン・システム上での基幹系システム開発に必要なシステム共通機能の提供に加えて、プログラム・コードの自動生成機能(DPTK:Design PatternTook Kit)による開発工数の大幅な削減効果が大きな特長となっています。
NEFSSライブラリーで提供される機能は、3つのグループに階層分けされており[図2]、その機能は次のとおりです。
I.フレームワーク機能(10機能)
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NEFSS生成支援ツール
NEFSSライブラリーの導入・カスタマイズ時に、型付けの強い(strongly typed)プログラム作成を支援。
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ビジネス・デリゲートとアプリケーション・ファサード
- ビジネス・デリゲート
クライアントとシステム間の疎結合を目的として、標準的な呼び出し方法を定め、容易なプロトコルの変更を実現。 - アプリケーション・ファサード
システムの入口/出口になるEJBコンポーネント。
トランザクションの入口となり、トランザクション共通の前処理/後処理や、アプリケーション・フレームワークの呼び出しを実行。例外処理などの処理も実施。
- ビジネス・デリゲート
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システム・スタートアップとシャットダウン
WebSphere のStartup Beanの機能を使用した、システム開始/終了の機能。終了時にお客様独自の処理が可能。
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リクエスト・コンテキスト
リクエストごとにシステムが使用する一時的なデータ・エリアを提供。
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サーバー・プロパティー
サーバー・プロセス単位に存在するデータの保管域を提供し、システムの構成情報や実行環境の設定・参照を高速化。
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トランザクション・モニター
稼働中のトランザクション情報・パフォーマンス情報の取得。
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ログ・サービス
アプリケーションなどからAPIでログを出力する機能。
ログ・ファイルの管理や、自動切替えを実施。
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トレース・サービス
テスト時の問題判別に必要なモジュール・トレースの機能。
トレース・ファイルの管理や、自動切替えを実施。
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アクセス・マネージャー
リソース・オブジェクトやサービス等を取得するための容易なアクセス手段を提供。
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コマンド
構成情報の変更や各種ステータスの照会コマンドを提供。
II.NEFSSソリューション基盤A(Iに下記5機能を加えた全15機能)
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アプリケーション・コンテキスト
アプリケーション・サーバーに対する要求送信/戻り値受取を行う際に、適切な取引粒度ごとのパラメーター値、戻り値を格納するエリアを提供。
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共有テーブル
複数のサーバーで共有されたテーブルをメモリー上に保有し、全アプリケーション・サーバー上のトランザクションが高速に参照するための機能。
バージョン管理による動的なデータの入れ替えと、トランザクション中での一貫性のあるデータ取得が可能。
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取引ログ・フレームワーク
情報系システムなどに渡す取引ログの出力を制御する機能。API、コマンドによるテーブル、DBのスイッチ機能等を提供。
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グローバル・カウンター
システム全体に必要となるカウンター取得機能を提供。与えられたキーに対して定義されているルールに従った厳密な順次性を保証したカウンターと、異常時などに状況に応じて番号の抜けを許容する代わりに高速性を確保したカウンターの2種類を提供。
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NEFSSセンター一括処理
口座引落、給与振込等オンライン・トランザクション処理と同様に処理可能なデータを外部から持ち込み、事務センターで一括して行う処理を端末やネットワークからのオンライン取引と同様の環境で並行的に処理を行うための仕組みを提供。
III.NEFSSソリューション基盤B(I、IIに下記4機能を加えた全19機能)
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外部接続基盤とMQアダプター
外部システムと接続するための共通機能。
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ハブ・シミュレーター
MQトランザクションをシミュレートするテスト・ツール。
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カレンダー・ユーティリティー
銀行業務のカレンダー関連の機能を提供。アプリケーションは、この機能を用いて営業日の計算や暦日の変換を容易に行うことが可能。
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カレンダー・マスター・メンテナンス
カレンダー・ユーティリティーが参照するカレンダー・マスターDBに対するメンテナンス機能を提供。
NEFSSライブラリーは、すでに銀行以外の複数の日本企業様で展開中の次期基幹系システムの基盤として採用されていま
す。
また、昨年12月からは、IBMグローバル知的財産サービス・コンポーネントとして、全世界向けのあらゆる業界に向けて販売が開始されています。
*1 NEFSS:Next Evolution in Financial Services Systems
本事例は特定のお客様での事例であり、すべてのお客様について同様の効果を実現することが可能なわけではありません。
本事例中に記載の肩書や数値、固有名詞等は初掲載当時のものであり、閲覧される時点では、変更されている可能性があることをご了承ください。
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