掲載月:2008年3月
昨今の業績回復を受け、本邦金融機関においても、「攻めの経営戦略」が策定・実施され始めています。お客様満足度および収益向上を目的とした、新商品/サービスの開発、新しいマーケティングの導入が積極検討される一方で、金融機関自身における仕事のやり方(事務プロセス)の変革については、今後の課題となっていると考えられます。
日本アイ・ビー・エム/アイ・ビー・エムビジネスコンサルティングサービス(以下、日本IBM/IBCS)では、「邦銀共通テンプレート」を活用した次世代事務プロセス戦略の策定を通じて、具体的なプロセス改革や次期システム検討をご提案いたします。
次世代事務コンセプト

図1 概要図
次世代を見据えた事務戦略を実践するために、日本IBM/IBCSでは、金融機関のみなさまからのご意見やIBMグローバル機関の調査、今後の技術動向等を踏まえ、事務戦略を立案するベースとなるコンセプトを策定しました[図1]。
1.顧客主導オペレーション
店頭事務における顧客と営業店担当者の従来の役割分担を見直し、顧客主導オペレーションの実施により、取引の効率化やコミュニケーション時間の増大を図ります。
2.キャッシュカード利用による効率化
キャッシュカードによる認証、顧客情報取得により、取引の効率化を図ります。
3.キャッシュ管理の軽減
カウンターでの現金授受を廃し、現金関連事務の簡素化・省力化を実現しています。
4.ペーパーレス
伝票レスなど紙を介さない取引を前提とし、付随する照合業務の省力化を進めます。また、本人確認資料等、提示資料をイメージスキャンすることにより、業務プロセス上の物理的な制約を排除します。
5.通帳レス
ステートメント発行により通帳レス化し、関連する事務・コストの削減を可能にするとともに、通帳紛失や盗難などの顧客の事故リスクを軽減します。
6.専門業務要員の効率的利用
相続・差押業務等の特定スキルを保持している要員をセンター集中することで、営業店の負担を減らすと共に、全体的なコスト削減が可能となります。
7.業務プロセスの標準化
テンプレートを雛形として活用することで、業務プロセスの標準化、定型化、可視化が可能となります。
8.外部委託拡大
業務プロセスを標準化・定型/簡素化し、外部委託を拡大することにより、コア業務への集中とコスト削減を推進する。
9.ワークフロー管理・コンプライアンスの強化
ワークフローシステムとの連携や監査ログチェックにより、業務プロセスが適切に実施されていることを検証できます。
10.統合顧客管理
全店での統合顧客管理を基幹系でも実施することにより、ポイント制等の顧客中心のサービスを柔軟に提供できる。
11.顧客名寄せの多様化
顧客情報を柔軟に紐付けることにより、世帯としての資産状況や、法人グループ全体での財務状況、個人事業主の個人資産と会社資産などを把握することが可能となります。

図2 概要図
これらコンセプトのうち、「2.キャッシュカード利用による効率化」を見てみましょう[図2]。現状では、お客様は取引の都度、氏名や必要情報を紙に記入しなければなりません。これにより、お客様満足度が低下しているばかりでなく、紙に記入された情報をチェックしたり、保管作業が発生したりという具合に、銀行側にも多大な作業コストが生じています。一方、次世代における事務コンセプトでは、常にキャッシュカードから基本情報を自動的に読み込んで画面に表示することにより、お客様の手間と銀行側作業が削減できるばかりでなく、お客様との対話に使うことができる時間を格段に増加することが見込めます。
日本IBM/IBCSでは、これらの事務コンセプトをベースにした、銀行業向けの業務プロセスそのものについても開発しました(150フロー)。コンセプトだけでなく、具体的なフローをベースに議論を進めることにより、より実践的な検討が可能となります。
「邦銀共通テンプレート」を活用した事務戦略立案のアプローチ
日本IBM/IBCSでは、事務コンセプトと具体的な業務プロセスからなる「邦銀共通テンプレート」を活用した短期調査によって、事務戦略立案とその効果算定のお手伝いをいたします。この調査を通して、金融機関における事務プロセス上の課題が明らかになるとともに、具体的なプロセス改善や次期システム検討等へのスムーズな開始が可能となります。
事務戦略立案においては、内部統制やコスト削減といった「ブレーキ」部分だけでなく、いかにお客様に満足いただくか、いかに社員が気持ちよく能力を発揮することができるか、といった「アクセル」部分も重要となります。日本IBM/IBCSでは、金融機関の皆様が、次世代の事務戦略を検討される上でのご支援を推進して参ります。
本事例は特定のお客様での事例であり、すべてのお客様について同様の効果を実現することが可能なわけではありません。
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