掲載月 : 2009年3月
2011年から2012年にかけて、決済業務システムはさまざまな制度変更に直面します。大口内為取引の日銀RTGS(※1)決済に伴う次期全銀システム対応や、統合(銀行間)ATMネットワークの更改、SWIFT(※2)メッセージのXML化対応、そしてセキュリティー強化に向けたICキャッシュカードのホスト認証対応など、取り組むべき課題は多岐にわたります。
開発/導入/テスト/センター接続テストや行内の事務処理改訂等にも時間のかかる決済業務システムの特性から、定められた期間のサービスインを守るためには、今年度の早期に「検討着手・優先度整理」して対応を進めていくことが重要です。
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変化と変革が求め続けられる決済業務

図1 決済業務における
「2011年問題」の対応案件
リスト 拡大図(612KB)
決済業務は、グローバル化の進展につれ、コンプライアンス順守等の規制強化や金融再編、新たなプレーヤーとの競争といった市場への柔軟な対応が求められてきました。また、金融審議会報告(2009年1月)などにもレポートされている、電子マネーに代表されるような新たな決済手段が個人顧客に浸透してきたことなども、今後の決済業務に、より一層の柔軟性、効率性を求める一因となっています。
具体的な対応案件は、(図1)のとおりですが、ここでは特に重要な取り組みと考えられる、第6次全銀システム対応と全銀協ICキャッシュカード認証の基本形対応について、取り上げます。
第6次全銀対応─大口内為のハイブリッド化

図2 全銀と日銀の接続(大口
内為のハイブリッド化)
拡大図
(107KB)
2011年11月にサービス開始予定の第6次全銀システムでは、「新規機能」として、全銀システムと日銀ネットのリアルタイム連携による、「大口為替のRTGS化」が予定されています。
これに伴い、各銀行では、全銀に差し入れている担保国債の減額をはじめ、流動性(日中必要資金)削減のメリットを享受できるようになりますが、為替業務以外での資金管理の連携の対応が必要となります。
この解決策として、IBMは豊富な実績を持つ対外接続系システム・ソリューション「FINEACE/PST(Payment Systems Transformation)」をご提供することにより、全銀業務・日銀接続といったお客様のシステム全体の効率化に向けた支援をさせていただきます(図2)。
「FINEACE/PST」は、勘定系システムと各種外部システムを接続する際に必要となる機能や部品を提供するソフトウェア・パッケージです。これらを使用することにより、新サービスの追加、接続先やサポート・プロトコルの拡大など、変化に迅速かつ容易に対応できる柔軟性とシステムのスケーラビリティー向上を確保します。
【ソリューションの特長】
- 堅牢性、即応性、柔軟性に応えるために、実績の高いオープン・プラットフォームとミドルウェア基盤を採用
- 共通機能をパッケージ化し、金融機関の対応負荷を軽減
- 内国為替など勘定系システムおよび日銀ネットとの接続連携をトータルに支援する機能を提供
- DSE(※3)バンキング・システムなど勘定系システムとの高い親和性により、開発テストの効率化を徹底
全銀協ICキャッシュカード認証の基本形対応─ICキャッシュカード取引のセキュリティー強化
国内金融機関に対する全銀協ガイドラインとして、2012年5月までに、ICキャッシュカード認証方式の端末認証からホスト認証への切り替えが必要とされています。現状では、公開鍵方式でカードの真性確認が行われていますが、今後はEMV仕様(※4)にも定義される発行者認証・取引データ認証として、アプリケーションによる暗号化を活用した認証(AC認証:Application Cryptogram認証)移行が行われます。AC認証により、ATM、ネットワーク、そして取引を処理する基幹システムまで一貫した取引認証機能を強化できますが、これを金融機関センターで実施するには複雑で高度な暗号関連処理が必要となります。
そこで、IBMは、長年にわたる世界のクレジットカード・ブランドにおける実績とノウハウをもとに開発された安全性と信頼性の向上を実現する「ICキャッシュカード認証ソリューション」をご提供しています。当ソリューションは、優れたパフォーマンスと強固なセキュリティーを実現するSystem z® & zSeries®とCrypto Express2を活用し、多数の実績ある金融機関勘定系向けフレームワーク製品(SAIL/CAP-A)の機能拡張により、全銀協標準仕様を実装した完成済みの認証ソリューションです。
具体的には下記の三つの製品機能で構成されています。
- System z & zSeries ハードウェア機能
暗号化処理機構 Crypto Express2 - z/OS 機能
ICSF(Integrated Cryptographic Services Facility):暗号化処理や鍵管理を行うOSの標準機能。また、プログラムに対する暗号化関連のAPIを提供。 - SAIL/CAP-A機能
認証処理を実行する新規EXITを提供。鍵の登録・移行などの鍵管理機能および、テスト電文のデータ生成ツールもご提供可能です。

図3 ICキャッシュカード認証
ソリューション概要と全般的
な考慮点 拡大図
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【ソリューションの特長】
- 認証サーバーの外部増設など新たな筐体を追加せずにICカード・ホスト認証処理を実施し、経済的なICカード・ホスト認証を実現。
- 認証サーバーの外部増設と比較し、高速認証処理を可能とし、既存の勘定系システムへの負担増を抑えた認証処理を実現。
- 認証実行から銀行鍵の登録運用まで強固なセキュア・キー処理を実現。IC認証にかかわる重要情報を強固に保護。
- テスト・フェーズでの負担を軽減する、認証用テスト・データ生成ツールも提供可能。
- 認証処理自体はマルチバンク処理も可能であり、複数銀行システムからの認証機能活用も可能(図3)
IBMは、規制対応のみならず、決済業務エリア全般におけるお客様のイノベーション実現に向け、国内外における豊富な実績を通じて培われたノウハウを生かし、今取り組むべき課題、そしてそれを解決するソリューション群を引続きご提供してまいります。
※1 RTGS(Real Time Gross Settlement) : 即時グロス決済
※2 SWIFT:Society for Worldwide Interbank Financial Telecommunication
※3 DSE:Data Systems Environment
※4 EMV仕様:Europay International, Mastercard International, Visa Internationalの世界3大クレジットカード・ブランドによる金融取引用ICカード関連の仕様のことであり、事実上国際的なデファクト・スタンダードとなっている。
本事例は特定のお客様での事例であり、すべてのお客様について同様の効果を実現することが可能なわけではありません。
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