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金融機関のデータセンターにおける災害対策の現状

欧米を中心とする銀行への調査からの考察

掲載月:2006年10月

ソリューション概要

IBMは2006年6月、欧米を中心にグローバルに業務を展開されているメガバンク18行にご協力をいただき、災害対策に関する本番データセンターと災害復旧センターのデザインについて調査・分析を行いました。日本国内の金融機関様でのデータセンター戦略策定へのご参考としてご紹介させていただきます。

調査にご協力いただいた銀行のプロファイル

今回の調査に参加いただいた銀行は、従業員(行員)数で5万から15万人、マーケット規模で500億ユーロから1,000億ユーロが中心です。欧州を基点とする銀行が多く、米国を基点にする銀行は4行、アジア地区では邦銀が1行入っています。
また全体の4割が欧州全体、あるいは、グローバル規模で業務を行っています。
各銀行の保有IT能力は、半数以上が1万MIPSから3万MIPSの範囲でした。(MIPS:MillionInstructions Per Second)
保有するデータセンターの数は、2センターと回答された銀行が55%で、3センターの回答を合計すると75%に及びます。すでにデータセンターの統合が進んでいるものと思われます。
データセンター間の距離を調査した結果では、50Km以内と回答された銀行が6割以上、50Kmから200Km以内、200Km以遠ともに2割程度でした。日本国内で一般的に言われるような東阪(300Km以上離れた)2拠点というイメージとは異なる結果となっています。センターの利用目的は主(本番センター)と副(バックアップセンター)であり、被災時にバックアップセンターに切り替えると回答した銀行がほとんどでした。ネットワーク構成がActive/Activeに転換しつつも、主、副という位置付けは変わっていません。
主・副センターの規模の比較調査では、保有MIPS値、スペースとも「主:副」の比率は「3:2」という結果でした。また、スペースは保有するストレージ容量に比例して大きくなる傾向があることがわかりました。

高いITリカバリーの目標設定

図1 データセンターのITサービス設計の目標値
popup図1 概要図

データセンターのITサービス設計の目標値としてRPO( Recovery Point Objective)と、RTO(Recovery Time Objective)があります。RPOは「リカバリーポイント目標」として、被災時に「いつの時点のバックアップ・データを使って復旧するか」を定める指標で、バックアップ・データの取得頻度に影響します。
一方、RTOは「リカバリー時間目標」として、被災後「いつまでにITを復旧してサービスを開始するか」を定める指標です。
今回の調査では、この2つの指標の設定状況は[図1]のような結果となりました。
RPOは、ホスト系、オープン系とも「5分以下」と設定している銀行が非常に多く、ホスト系を「5分以下」としている銀行は7割以上を占めているなど、ほとんどデータロスを許さない、かなり厳しい要件が設定されています。
RTOはホスト系、オープン系とも4時間以内と回答した銀行が7割でした。オープン系には、ホスト系よりやや短いRTOが設定されていますが、これはWebフロントエンド・アプリケーションとして使用されているケースが多いためと想定されます。
図2 採用されているデータ・バックアップ技術
popup図2 概要図

どのようなデータ・バックアップ技術を採用しているかという調査では、100%の銀行が伝統的なテープでのバックアップと搬送を採用している一方、データ伝送によるバックアップ方式の採用率も高いという調査結果が出ています[図2]。
また、意外な発見とも言えると思いますが、同期方式を採用していると回答した銀行が、非同期方式を採用していると回答した銀行を上回っていました。近距離のデータ転送や、GDPS™ (広域分散並列シスプレックス)技術(後述)の利用が背景にあると思われます。RPOの短縮化(データロス無し)、RTOの迅速化という要件を重視し、遠距離間データ・コピーはしない、という方針が見受けられます。

ホスト系に高い高可用性技術、連続稼働技術の採用

図3 主・副センターで採用されている高可用性技術・連続稼働技術
popup図3 概要図

事業継続(BC;Business Continuity)を達成する要素には、災害対策と合わせて、高可用性技術(HAクラスター技術)と、24時間・365日稼働に向けた連続稼働性技術があります。主・副センターの高可用性と連続稼働性のための技術の採用状況を調査した結果は[図3]のとおりです。
ホストシステムであるSystem z™ は、主・副センターとも100%が並列シスプレックスによるHA(高可用性)構成を採用しており、オープン系システムやIA系システムでのクラスター技術の採用率も高くなっています。一方、連続稼働性については、5割以上の銀行がGDPS技術によるホストシステムの24時間・365日稼働を実現しているのに対し、オープン系での対応は3割以下、IA系では連続稼働への対応無しという結果です。
IBMはCapacity Back Up(CBU)という、設置済みプロセッサーが予測できない不可抗力で処理能力が失われた場合に、一時的にバックアップ機(CBU機)の能力を速やかに、所定の日数期間のみ増強できるサービスをご提供していますが、このCBU採用率は、主センターが3割であるのに対して、副センターでは7割となっています。副センターでは通常は能力を落として運転し、緊急時にCPU能力をアップして稼働させる方針であるものと見られます。

System zで進むGDPS技術の採用

今回調査したデータセンターの災害対策で特に顕著な特徴は、System zのGDPSソリューションによる高可用性、連続稼働の実現が広く採用されている点です。
GDPS(広域分散並列シスプレックス)技術は、並列シスプレックスを遠隔地の2つのサイト間に拡大して適用するものでRPO/RTOの極小化を実現する最高レベルのIBM災害対策ソリューションです。

などの特長が評価され、GDPSはすでにグローバルで290例以上の稼働実績を持っています。

欧米を中心とするメガバンクへの調査を通じて、災害対策として追求される復旧内容レベルや、実施効果を多数から評価されている施策が浮き彫りになりました。
弊社では、このような実態調査からの考察と、IBMの強力な災害対策ソリューション、ノウハウをもって、金融機関のお客様が不慮の災害時に、即座に事業を再開されるための多様なご支援をご提供して参ります。

本事例は特定のお客様での事例であり、すべてのお客様について同様の効果を実現することが可能なわけではありません。
本事例中に記載の肩書や数値、固有名詞等は初掲載当時のものであり、閲覧される時点では、変更されている可能性があることをご了承ください。

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