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金融特化型グリッド基盤の構築プロジェクトを開始

野村證券株式会社

掲載月:2007年9月

野村證券株式会社(以下、野村證券)金融工学研究センターは、金融工学と情報技術をコアスキルとして、先進的な金融ビジネスを推進するための研究・開発部門です。同センターでは、IBMをはじめとするITベンダーの支援を得て、日本の証券業界で初となる先進的なグリッド・テクノロジー「データ・グリッド」の仕組みを導入し、今後、ますます高速処理が求められる証券業務への対応を図っていきます。

複雑な分析や計算の高速化への期待

投資家ニーズに合わせた複雑な商品の開発、それにあたって求められる種々の計算ツールやシミュレーション、リスク計算モデルなどの開発も同時に必要となっています。さらに注文単位の小口化による取引データの増大など、今日の証券業界において、金融工学を用いて複雑な分析や計算を高速に行うことが求められるようになってきました。

IBMのWall Streetでの実績を生かして


popup図1 グリッド・テクノロジー活
  用に向けたシステム基盤
  イメージ
1ミリセカンド(1000分の1秒)でも早い取引のアドバンテージが年間100万ドル規模の利益をもたらす事実、リアルタイムでのVaR(Value at Risk)管理による高収益の実現、有効なシステムリソースの活用によるコスト削減など、外資系金融機関においては、グリッドは、「新たに収益を生み出し、コストを削減する技術」という認識のもと、各社早くから先進的なグリッド技術に取り組んできました。野村證券は、こうした外資系金融機関のノウハウを取り入れ、競争力の向上につなげようと考えました。IBMは、Wall Streetにオフィスを構える13の金融機関に、BladeCenter®を導入した実績を評価していただき、グリッド基盤デザイン、詳細設計のご支援をさせていただくことになりました。

メモリーの仮想的統合を可能にする「データ・グリッド」技術


popup図2 野村證券における金融
  グリッド基盤検証システム例
今回の導入にあたり、野村證券が最も注目したグリッド技術は、複数サーバーのメモリーを仮想的に統合し、1つのメモリー空間として利用することができる「データ・グリッド」技術です。現在のグリッド技術である、CPU能力向上の「プロセッシング・グリッド」は、大量のInput/Output(以下、I/O)やクライアントからの同時アクセスなどの要因によって、データI/O、DBアクセスの際のボトルネックが発生するという課題がありました。新たなグリッド技術である「データ・グリッド」は、それらの課題を解決するもので、大量のデータをメモリー上に展開することで、I/Oに関する課題を解決し、処理を高速化させるものです。また、拡張性も優れており、BladeCenterを追加するだけで、共有メモリーの増量ができ、オンデマンド対応が可能になります。

次世代通信規格「InfiniBand」への対応

データ・グリッドにおいては、サーバー間の通信スピードがデータ処理のスピードに大きく影響されるため、サーバー・スイッチに極めて高速な処理性能が求められます。InfiniBandのサーバー・スイッチは、10Gbpsの転送を可能にし、ポート間の遅延が200ナノ秒未満という高性能が特徴です。金融工学研究センターでは、検証テストにおいて、ポート間遅延が従来の10分の1程度に短縮されたという検証結果も出ました。今回、IBMのBladeCenter HS21を採用していただいたのは、いち早く、この次世代通信規格「InfiniBand」に対応していたからです。

グリッド技術の効果への期待

今回、検証用に導入したBladeCenterは約10台規模ですが、プロジェクトが成功すれば拡大していく方向です。また、「グリッド・スケジューラー」と呼ばれる技術で、リアルタイムなリソース管理が可能になり、空いているリソースを有効活用できるようになります。その他にもグリッド技術の効果が期待される分野の検証・テストを行い、順次グリッド・システムに移行させていく予定です。

システム構成

本事例は特定のお客様での事例であり、すべてのお客様について同様の効果を実現することが可能なわけではありません。 本事例中に記載の肩書や数値、固有名詞等は初掲載当時のものであり、閲覧される時点では、変更されている可能性があることをご了承ください。

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