掲載月 : 2008年9月
従来、金融機関においては勘定系/基幹系システムで口座管理を行うとともに、口座に紐づく顧客情報とそれらの名寄せによって顧客情報管理を実現してきました。しかし、近年ではサービスの多様化による顧客情報の分散が一層進み、管理・営業推進の両面から改めて統合顧客情報管理への要請が強まっています。
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顧客情報の分散管理に伴う弊害が顕在化
近年では、勘定系/基幹系以外にも市場系、証券系、国際系、投信、保険など顧客情報を保有している業務システムが多数存在しています。また、新サービスを実施する際に、既存システムに追加するのではなく、新しいシステムを導入する例も増えています。こうした状況下では、各業務システムの顧客情報に不整合が発生する可能性が高くなり、整合性の確保に負荷がかかっています。また、コンプライアンス、法規制対応、さらには営業推進の観点から、管理する情報内容の充実も求められています。
具体的には、以下のような課題、ニーズがあります。
顧客情報が複数システムに散在
管理システム間での更新漏れ、更新タイミングのずれなどによる顧客情報の不整合が発生し、整合性確保に向けたメンテナンス負荷が増大している。
新サービス実施時のプロセスの複雑化
新サービス対応のシステム導入時に顧客情報連携処理が複雑となり、時間とコストがかかる。
コンプライアンス、法制度対応
金融商品取引法対応、アンチ・マネー・ローンダリングなどコンプライアンス対応に向け、顧客の特定、共通属性としての顧客情報の保有、管理が求められる。
収益・採算管理レベルの向上、効率化
顧客、特に法人グループや組織の管理に手間がかかり、収益・採算把握が非効率。与信時の機会損失につながりかねない。
このような課題を解決し、業務の効率化、営業活動の推進を通して、各社の経営戦略を実現するために、今、統合顧客情報管理が求められているのです。
企業全体の共通データとして、蓄積・一元管理へ
こうした環境のもと、IBMでは統合顧客情報管理を実現するコンセプトとして、企業にとって共通なデータの一元管理を行う「マスター・データ管理(Master Data Management)」を推奨しています。
金融機関のお客様はこれまでもCRM※1、MCIF※2、融資支援などの各システムで目的に応じた顧客情報管理をされてきました。しかし、「マスター・データ管理」では情報の統合レベルをもう一段高め、顧客情報を金融機関全体の共通データとして蓄積・一元管理することを狙っています。これにより、前述の課題を解決するだけでなく、リアルタイムに近いデータ鮮度での連携を実現し、業務の壁を越えた利用への発展が可能となります。
マスター・データ管理による統合顧客情報管理の実現には、以下のような効果が見込まれます。
- 顧客情報の一元管理による整合性の確保、事務・保守コストの低減
- 顧客の特定、共通属性の保有、情報の充実によるコンプライアンス、法規制などの外部要請への対応
- 鮮度の高い情報共有による顧客サービス・レベルの向上、クロスセリングの推進、リスク管理への活用
- グループ、階層管理による法人顧客の採算把握、営業推進への活用
欧米金融機関で多数の実績を持つIBM InfoSphere Master Data Management Server

図1.統合顧客情報管理
ソリューションの位置付け
(108KB)
IBMは、「マスター・データ管理」のコンセプトに基づくソフトウェア製品として、IBM InfoSphere Master Data Management Server(MDM Server)をご提供しています[図1]。MDM Serverは統合顧客情報管理を実現する基盤となるものであり、その主な特長は以下のとおりです。
【データ・モデルおよび物理データベース】
- 統合顧客情報管理を実現するパーティー(個人、法人)中心型のデータ・モデル、およびパフォーマンスを考慮した物理データベース構造を提供
- 金融業に適合性の高い実績あるモデル
【700以上のビジネス・サービス】
- 物理データベースの各テーブルに対するデータ処理機能(追加、参照、更新など)をWebサービスとして準備しており、ユーザーはデータの物理構造を意識せずに処理が可能
- 設計・開発時のリスクを軽減
【名寄せソリューションとの連携】
- 標準ロジック、独自ロジックの組み込み対応に加え、日本語による表記のゆれに対応した名寄せを可能とするIBM製品QualityStageとの製品連携を実現
- オンライン処理、バッチ処理に対応

図2.導入事例
(米国金融グループ) (238KB)
MDM Serverは誕生以来10年以上の経験、銀行・保険をはじめとする欧米金融機関における多数の稼働実績を有しており、対象顧客数が2億に及ぶ大規模金融機関での実績もあります[図2]。IBMは今後も、顧客情報の効果的な一元管理により、お客様の経営戦略実現を支援してまいります。
※1 CRM : Customer Relationship Management
※2 MCIF : Marketing Customer Information File
本事例は特定のお客様での事例であり、すべてのお客様について同様の効果を実現することが可能なわけではありません。
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