掲載月 : 2009年9月
情報系システムは、金利自由化への対応、各種リスク管理の実施、マーケティングの高度化など、その時々の業務ニーズに対応し、経営を支えてきました。反面、機能拡張を繰り返した結果、システムは複雑となり、肥大化を招いています。一方で、経営者からは情報を有効かつ迅速に活用できていないという課題が認識され、情報系システムに対する要請はますます高まってきています。
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情報系システムが抱える2つの課題
金融機関の情報系システムの課題は、大きく2つ挙げられます。1つは、システム保守費用の相対的な高さであり、主な原因は次のものと考えます。
- 重複、不整合、または未使用のデータが多く、データの統合に要員やシステム・リソースが多く必要となっている
- データ作成のためのバッチが膨大で、その保守要員やシステム・リソースが多く必要となっている
- ソース・システムから直接サブシステムにデータが流れるケースがあり、その保守に多くの要員が必要となっている
- 各サブシステムで作成されたデータが情報系システムにフィードバックされないため、多くのサブシステムで同様なデータ作成が繰り返される
- サーバーが乱立し、その保守要員、ハードウェア、ソフトウェアが増加している
- 用途に応じた最適なプラットフォームが採用されておらず、運用費が高くなる傾向がある
2つ目の課題は、システムの使い勝手の悪さや有効活用されていない点です。米国のEIU※1の調査によると、企業の3分の1は必要な情報が利用できない、または不完全な情報でさまざまな経営判断、営業活動、業務処理を行っています。主な原因は次のものと考えられます。
- 必要なデータの格納場所が分からず、探すのに時間を要する
- データの信頼性が低く、不整合が生じると調査に時間を要する
- データの鮮度が悪く、利用されない
- データを分析・検索する端末やツールが統一されておらず、作業に時間を要する
このように多くの金融機関は情報系システムの保守、およびその活用に課題を抱えているのが実情です。
金融機関の情報系システムのあるべき姿

図1 金融機関の情報系システ
ムのあるべき姿(65KB)
システムの保守費用が相対的に低く、さまざまな場面で効果的に活用できる情報系システムを実現するには、まず、保守費用低減に向け、次の要件を満たすことが必要です。
A.すべてのデータは整合性がとれ、重複がない(正規化されたデータ・モデル)
B.生産性向上のためのツールが活用できる(ETL※2ツール)
C.データは一元管理が可能(DWH※3化)
D.すべてのサブシステム上で作成されたデータがDWHに容易にフィードバックできる(データの仮想化)
E.サーバーは極力集約されている(サーバー統合)
F.最適なプラットフォームが選定されている(オープン化など)
また、効果的な活用に向けては、前述の要件に加え、次の要件を満たすことも必要です。
G.どこにどのデータが格納されているか容易に分かる(メタデータ管理)
H.分析ツールやデータ・アクセス・ツールの統一
これらの要件を満たす情報系システムであれば、データを効率的に管理し、必要な時に必要なデータを必要な形で活用できます。さらに保守費用を相対的に低く抑え、将来のサブシステム追加等機能拡張にも柔軟に対応できます。
IBMがご提案する豊富な情報系ソリューション

図2 IBMがご提供する情報系
システム・ソリューション(62KB)
あるべき情報系システムの実現に向け、日本IBMはコンサル
テーション、製品提供、システム構築・運用を一貫してご支援
いたします。
- データ・モデルの設計や分析ツールを活用したさまざまな分析をご支援
2009年7月にBusiness Analytics and Optimization(BAO)という新しいサービスおよび組織を発表しました。データ設計・分析・活用の経験や知識が豊富な専門家を1つの組織に統合 し、さらに業界をリードする技術や研究所の持つ先進的な分析力も世界的に統合しました。IBM全体で4,000名以上、日本IBMで250名以上の専門組織です。 - 金融機関向けデータ・モデル群として、BDW(Banking Data Warehouse)等のソリューションを用意
BDWは海外の金融機関にて数百の導入実績があるデータ・モデル群で、リテールやホールセールなど幅広い業務に適用できます。 - DWH構築のための各種ツールをご提供
ETL ツールとしてDataStage®や、データ・モデリング、メタデータ管理、データ・クレンジング、履歴管理、影響分析、ソース・システム分析など、DWH構築に有用なさまざまなツール群をご提供しています。従来のプログラム開発からDataStageを中心としたツールによる開発に移行することで、開発・保守生産性の飛躍的な向上が期待できます。 - 本部ユーザー様向け分析業務ツールのご提供
DWHを駆使して必要なデータを効率的に抽出・加工・レポートするツールとして、IBM はCognos®をご提供します。Cognosは、戦略の具体化、経営情報の可視化、およびBusiness Intelligenceを実現するツールであり、使い勝手に優れ、非定型検索、多次元分析、レポート作成などの機能をご提供します。 - DWHを支えるシステム・プラットフォームをご提供
サーバー、ディスク、ミドルウェアがDWH用に予めチューニングされているソリューションとして、Balanced Warehouseがあります。システム規模により、System p®とSystem x®を選択いただけます。大容量DWHには必須の区分データベース機能を持つDB2®が内蔵され、大量口座を持つ金融機関にも対応できるスケーラビリティーとパフォーマンスをご提供します。
海外金融機関の事例から見える導入効果
海外の金融機関では、情報系システムに係るコストの30%程度の低減を実現した事例があります。ただ、そのような大きな効果が出る金融機関は、合併後情報系システムの統合を行っていない、または複数の顧客データが存在するなど、特殊な事情が存在しますが、日本の金融機関においても参考になると考えます。一方、情報系システムを十分に活用して収益改善を図ることも可能です。例えば新たな顧客層に適切なイベントを実施することにより、新規顧客の獲得率の大幅な向上が考えられます。海外では獲得率が30~50%程度向上した金融機関の事例もあります。
また、顧客データの精緻化により、審査精度の向上や既存顧客の離反防止にも貢献できます。
IBMでは、金融機関の大きな武器である情報系システムの改善により、金融機関の皆様がシステム・コストの低減と収益機会の増大を同時に実現するためのご支援をしてまいります。
※1 EIU:Economist Intelligence Unit
※2 ETL:Extract/Transform/Load
※3 DWH:Data Warehouse
掲載されている情報は2009年9月現在のものです。内容は事前の予告なしに変更する場合があります。
ソリューション情報は、すべての場合において同等の効果が得られることを意味するものではありません。効果はお客様の環境その他の要因によって異なります。
事例は特定のお客様の事例であり、すべてのお客様について同様の効果を実現することが可能なわけではありません。
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