掲載日:2009年10月29日
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米国アルバカーキ市では、IBM Cognosソリューションの導入により、20の部門に所属する7,000人の職員が扱うデータ収集と情報共有を自動化しました。また、IBM Cognosのエクストラネット機能を使ったWebサイトを通じて、75万人のアルバカーキ市民に重要な情報を提供しています。
散在するデータが課題に
10億ドルを超える年間予算を持つ米国ニューメキシコ州アルバカーキ市は、多岐にわたる重要な公共サービスを住民に提供しています。従来、各部門はデータ管理のため、個別にさまざまなシステムを使用していました。例えば、公共安全、水道、住宅・商業施設開発計画を担当する各部門は、独自で財政や業務の成果に関する膨大なデータを収集していましたが、メインフレームや分散したシステムが混在していることにより、データは複数のフォーマットでさまざまなシステムに散在していました。そのため、職員は大量の手作業をこなさなければ、自分自身のレポートを作成することもできなければ、情報を統合したり、他部門と共有したりすることもできませんでした。
さらに、重要なデータをインターネット経由で市民に伝えたいとも考えていた同市は、トレーニングや保守にコストがかからず、かつ、拡張性・柔軟性に優れた使いやすいビジネス・インテリジェンス(BI)ソリューションを必要としていました。
アルバカーキ市、CRMおよびBIアプリケーション開発担当マネージャーのBrian Osterich氏は、「いつでも組織全体をチェックして7,000名の職員と連絡をとることができ、さらに75万人の市民への情報提供も可能なソリューションを探していました。拡張性は間違いなく私たちの最大の要件であり、課題でもありました」と述べています。
データの収集と情報共有にBIソリューションを活用
同市は複数のBIソリューションを検討した結果、迅速な拡張や市民向け情報提供サービスに対する厳しい要件を満たすことができる「IBM Cognos® BIソリューション」を選択しました。同市では、「十分な情報が提供される公共サービスこそが効果的な公共サービスである」という考えに基づき、このBIソリューションを使って、公共安全から図書館まで20以上の部門において、7,000人の職員が扱うデータの収集と情報共有の自動化に着手しました。
1997年に最初のIBM Cognosソリューションを導入してから、その後10年間にIBM Cognos; Series 7、IBM Cognos ReportNet、また最近ではIBM Cognos 8 BIを追加して、BIインフラストラクチャーを開発してきました。
導入プロセスとプロジェクトの展開に関しては、IBM Cognosプロフェッショナル・サービス組織が中心的役割を果たし、プロジェクト全体の成功を支援しました。
「当市がIBM Cognos製品を導入したとき、IBMはトレーニングと導入で私たちをサポートしてくれました。IBM Cognos Educationコースは、初歩から上級のレポート作成に至るまで、プロジェクトを適切に管理するために必要な知識を提供してくれました。私たちは、主なステップごとに、IBM Cognosプロフェッショナル・サービスのサービスを利用しました。その技術支援と継続的なサポートは導入に不可欠な要素でした」とOsterich氏は述べています。
必要なデータを必要なときに提供するために、IBM Cognosソフトウェアは、CRM/311と呼ばれる市の基幹アプリケーションから、情報にアクセスします。さらに同市は大規模な市民向けのWebサイトを構築しました。そこでは例えば、業者が提供したサービスに対する支払い状況を確認したり、市民が特定の選挙運動資金の献金者を調べたりすることができます。さらにこのプロジェクトは、IBM DB2、IBM AS400、IBM Domino Database、IBM FileNetといったIBMのテクノロジーへの投資効果を最大限に高める上でも役立ちました。
Osterich氏は次のように述べています。「IBM Cognosシステムのオープンな分散型アーキテクチャーは、既存のIBMおよびPeopleSoft®テクノロジー・インフラストラクチャー上でシームレスに機能します。その結果、市民と職員が、市の円滑な運営のために、一貫性のある有用な情報を確実に見つけられるようになりました」
コストを低減して市民サービスを向上
「データは単なる数字や文字の集まりです。それは情報ではありません。意思決定を行うにはデータではなく、情報が必要です。BIソリューションによって、私たちはデータを収集し、それを戦略上そして業務上の情報に転換し、さらに必要に応じて両方の情報を結びつけることができるようになりました。現在では、比較的少ないリソースで、多様な方面に情報を提供することも可能になっています」とOsterich氏は述べています。
マサチューセッツ州ウェルズリーを本拠地とし、IT資産の財務上の利益の評価を行っている独立系企業、Nucleus Researchによれば、アルバカーキ市は、2003年にはIBM Cognosの全体的な展開で、2,000%近いROI(*)を達成し、著しいコストの低減を実現しました。その後もコスト低減は何年も続いています。
現在、IBM Cognosシステムは同市の日常業務の戦略的基盤となり、消防、警察、人事、財務など、市のすべての部門に導入され、効果を上げています。特に、IT部門には劇的な影響をもたらし、業務とリソース管理に最大の効果を上げました。
例えば2005年に導入後しばらくして、Osterich氏は大型ごみの回収依頼が3倍に増えたことに気づきました。新しいIBM Cognosシステムを導入する前は、市民は1日以上前に電話して回収を要請し、3カ所ある拠点のいずれかで要請を受け付けてからごみが回収されるまで、通常1週間待たなければなりませんでした。同市は固形廃棄物管理部門に担当者を1名配置し、その担当者は1日6時間かけて手作業で情報を入力し、翌日の作業リストを作成していましたが、要請の受け付けをCRM/311アプリケーションに一元化して、IBM Cognosレポートを数分で作成できるようにしました。
「毎日、手作業でレポートを作成していた人に初めてレポートを見せると、その人は非常に興奮しました。彼女は毎日、自分の時間を6時間取り戻すことができるのです」とOsterich氏は言います。リソース管理上の節減に加え、市民も1日前に電話する必要がなくなりました。いつでも電話をすることができ、ごみは1週間待たずに、電話をしたその日のうちに回収されるようになりました。
IBM Cognosシステムは、同市の落書き消去プロセスの改善にも大いに役立ちました。アルバカーキ市長は2007年に、落書きの通報を受けてから4日後ではなく、24時間以内に消去することを目標にすると発表しました。Osterich氏によれば、これは非常に野心的な目標ですが、市長と同市にとって極めて重要な目標でもありました。
この壮大な任務を達成するため、同市はすべての要請をCRM/311システム経由で受け付けることにしました。IBM Cognosシステムを使用して、Osterich氏は落書きを消去するために、かつて2日ないし4日要していた原因を示すレポートを作成することができました。市民が午前7時から午前0時に電話した場合、午前0時から午前7時の間に電話した場合よりも、通話の待ち行列での位置づけにより所要時間が平均1日長くなることを明らかにしました。落書きに関する通報の大半は午前7時から午後7時の間に集中していますが、作業員の派遣の調整時間のために24時間遅延していることが分かりました。この新しい情報は、作業員1日の作業時間と派遣時間を再配備する上で役立ちました。IBM Cognosソリューションの採用によって、同市は問題を解決し、市長の目標を達成しました。
「IBM Cognosシステムを通じて、私たちはさらに迅速かつ効率的に問題を見つけ、解決することができるようになりました。IBM Cognosソリューションにより下された決定は、通報量が増加する中、リソースを追加することなく、管理部門が24時間以内に落書きを消去する上で、大変役立ちました」とOsterich氏は述べています。
明確なビジョンを持つ公共サービスを実現
全体的に見ると、Osterich氏は新しいシステムに非常に満足しており、ユーザーがIBM Cognos 8 BIで作成されたレポート、スコアカード、その他のコンテンツを便利に検索できるようにするため、近々IBM Cognos 8 GO! Searchを導入する予定です。Osterich氏はこう述べています。「IBM Cognosの革新性には今もなお感銘を受けています。当市職員はIBM Cognos 8 Go! Searchの導入によって、さらに便利にIBM Cognosレポートにアクセスし、結果を微調整し、必要なときに必要なものを表示できるようになることを期待しています」
同市は異種混合のデータを関連づけ、市民に情報を提供し、職員がより的確な意思決定を行えるようにすることによって、明確なビジョンを持つ公共サービスを実現しました。今後、IBM Cognos 8 Go! Searchの導入によりさらなるパフォーマンスの向上、市民サービスの向上を目指します。
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用語の説明
- ROI(アール・オー・アイ)
Return on Investmentの略で、投資利益率のこと。利益を投下資本金額で割って求める。
