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強固なセキュリティーを実現するアーキテクトアプローチ

「都道府県CIOフォーラム春季会合」でIBMが講演

「都道府県CIOフォーラム」とは

都道府県CIOフォーラムとは、各都道府県および関係団体の情報化統括責任者(CIO)または情報化推進担当責任者(役職等は問わない)をもって構成する任意団体です。
都道府県における情報化推進の責任者が、相互に密接な連携と協力を深めることにより、住民本位の電子自治体の構築や情報通信技術(IT)を活用した地域の活性化等、都道府県が抱える諸課題について、意見交換等を通じ、情報の共有を図り、もって各都道府県のIT施策の推進に寄与することを目的として、2003年8月26日に設立されました。全米州政府CIO会議(NASCIO)の会議運営を参考に、官民の垣根を取り払っての活発な議論を展開しています。

2007年2月1日~2日に行われた春季会合では、都道府県のCIO(および情報政策部門責任者)が、「情報セキュリティー」「情報システムの統制手法」「情報化戦略の総括/ 今後」をテーマに議論を展開。そのほか、総務省、内閣官房情報セキュリティセンター幹部による講演などが行われました。
日本IBMでは、IT企業という立場からこのフォーラムに協賛しており、今回、「強固なセキュリティーを実現するアーキテクトアプローチ」というテーマで講演を行いました。

講演の主旨

IT基盤のアーキテクチャーを提示し自治体のイノベーションを支援
日本IBM公共事業担当執行役員 小出達也
日本IBM公共事業担当執
行役員
小出達也
個別最適から全体最適へのシステムが自治体の課題になる中、日本IBMではシステム全体のあるべき姿をとらえ、それを具現化するセキュリティーなどIT基盤のアーキテクチャーを提示。欧米やアジアの政府・公共団体などグローバルなIT基盤づくりで培った豊富な経験とテクノロジーを生かし、 日本の自治体のイノベーションを支援しています。

豊富な実績と経験を基盤に 世界品質のITシステムを提供
行財政改革の推進や住民サービスの向上、地域経済の活性化など、自治体では政策目標の達成に向けてITの重要性が増しています。その一方、ITの運用・管理コストの削減や住民ニーズへの柔軟な対応、安全・安心なシステム、そして個別最適から全体最適へ向けたIT基盤の構築など多くの課題に直面しています。

こうした中、日本IBM公共事業部門では「自治体の変革の支援」を目標に、「世界品質」のITシステムを提供しています。その基盤となるのが、行政・ビジネスのイノベーションを実現するIBMならではの豊富な「実績と経験」、世界規模での協業体制による「グローバル性」、情報アクセシビリティーやセキュリティー対策など豊かで安心できる社会を実現する「技術力」、そして都市問題や環境問題対策技術などの「社会貢献力」です。

図1 イノベーション時代のIBMの役割
図1 イノベーション時代のIBMの役割


日本IBM共事業CTO技術理事ITアーキテクト  長島哲也
日本IBM共事業CTO技術
理事
ITアーキテクト 長島哲也
豊富な「経験と実績」の裏付けとなるのがテクノロジーです。
業務の追加・拡大への容易な対応と、既存システム・ソフトウエア資産の有効活用が可能な、SOA(サービス指向アーキテクチャー)の推進や、分散システムを仮想的に統合するグリッド技術の推進などを通じて行政の変革を支援しています。
例えば、札幌市では、SOAを用いて財務会計や文書管理、人事給与などの管理システムのオープン化を実現する共通基盤を構築しました。マルチベンダー環境でのアプリケーション開発が行えるプラットフォーム構築により、IT投資効果を最大化するとともに、システム全体の保守費の削減を可能にしています。

自治体の将来像を見据えた IT基盤のアーキテクチャーを提示

「こうした国内の事例に限らず、自治体の皆さんと話をしていると、よく海外の成功事例を聞かれます。それも、アプリケーションレベルの話ではなく、当社の強みであるグローバルな支援体制や、IT基盤を支えるアーキテクチャーに皆さん関心が高いようです」と、執行役員公共事業担当の小出達也は手応えを述べ、スウェーデン・ストックホルム市でのIBMの支援を例示しました。
同市では2006年1月から渋滞税計画の試験的運用を開始。この計画の実施により、1カ月で交通量が25%削減され、公共交通機関の利用者が増加したことで道路の渋滞が緩和されるなどの成果をあげています。このプロジェクトで正確かつ効率的なシステムを提供するため、IBMのコンサルティング、研究、テクノロジーのスペシャリストが連携して問題解決を図りました。
そして、「欧米やアジアなどの政府・自治体の事例は多く、例えばIBMでは米国の連邦政府と各州のIT共通基盤づくりに貢献しています。こうしたグローバルな活動で得た経験とテクノロジーに基づくアーキテクチャーを日本の自治体に提示できることが当社のアドバンテージとなっています」と、公共事業CTOでITアーキテクトの長島哲也は述べています。
自治体の将来像を見通したシステム全体のあるべき姿の青写真を描き、そのIT基盤をどう設計し、どう構築していけばいいのかをテクノロジーの観点から提示するのがITアーキテクトの役割となっています。

自治体でますます重要になる セキュリティー・アーキテクチャー

自治体ではEA(エンタープライズ・アーキテクチャー)のフレームワークに基づき、システム全体の最適化計画を推進しています。フレームワークの一つであるアプリケーション・アーキテクチャーに対するIBMのアプローチは、協業する各ベンダーが提供するアプリケーション製品を、自治体のニーズに応じて柔軟に組み合わせられるIT基盤のアーキテクチャーを提示することにあります。
同様に、ハードウェアやソフトウェア、ネットワークなどのテクノロジー・アーキテクチャーについても、リプレースする際、容易に差し替えられるようなIT基盤を提示。これにより、既存のアプリケーションやデータ構造に影響を与えることなく、変化への対応が可能になります。

図2 システム・インフラ・セキュリティー設計に関するガイドライン
図2 システム・インフラ・セキュリティー設計に関するガイドライン

そして、セキュリティー・アーキテクチャーがますます重要になると長島は強調しています。「セキュリティーと一口にいっても、一般企業と自治体では守るべき情報の種類も質も異なります。自治体が求めるセキュリティー・レベルを達成するため、情報の入口から出口までエンド・ツー・エンドのシステム全体でセキュリティー・アーキテクチャーを考えることが不可欠になるのです」
例えば、ネットワーク担当者がユーザー認証やアクセス制御などの対策を講じても、アプリケーションやシステム担当者が対策のポイントを見落とし、セキュリティー・ホールになることもあります。IBMでは個々のシステムごとに登録されている認証情報やアクセス制御情報を、自治体全体で整合性をもって管理できるミドルウェアを提供するなど、自治体に要求される安全・安心なIT基盤づくりを支援しています。