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国際社会保障フォーラム2008 開催報告

社会保障のイノベーション —国民本位の社会保障サービスを考える—

掲載日:2008年12月5日

去る9月24日、厚生労働省のご後援のもと、「国際社会保障フォーラム2008」を東京・丸ビルコンファレンススクエアにて開催しました。
当フォーラムは日本で5回目の開催となりますが、毎年、欧米ならびに国内の行政機関、社会保障関係機関等から多数のご出席をいただき、各国における政策と取り組みのご紹介や意見交換を行っています。
本年のテーマは「社会保障のイノベーション —国民本位の社会保障サービスを考える—」。
ここにその概要をご報告します。

IBMの社会保障分野への取り組み

フォーラム会場の様子 第1回目の国際社会保障フォーラムは、2004年9月に東京で開催されました。それ以降、毎年世界各地で開催されています。今回で9回目を数え、世界的にも大きなイベントに成長し、すでに3つの大陸において開催されました。
このフォーラムの特徴は、海外における先進的取り組み等に関する説明に関して、行政や関係機関の管理者レベルの方をお招きし直接講演いただき、意見交換ができるところにあります。2年目以降は厚生労働省様の後援もいただき、併せて日本の状況についての講演もいただいています。

プログラム内容

社会保障国民会議座長 東京大学大学院教授 吉川 洋氏
社会保障国民会議座長
東京大学大学院教授 吉川 洋氏
まず、日本IBM グローバル・ビジネス・サービス事業担当 専務執行役員ピーター・カービーが開会の挨拶に立ち、国際社会フォーラムが国内外の先端事例を共有する重要な機会となっていることに触れ、今回のテーマである国民本位の社会保障サービスを実現するイノベーションについて活発な議論を期待すると述べました。
続いて、社会保障国民会議座長で東京大学大学院教授の吉川 洋氏から、「社会保障国民会議より 将来への展望」と題した、基調講演をいただきました。吉川氏は、日本の社会保障は、「少子高齢化」、「失われた10年」という2つの課題と、それ以外に「わかりにくい(国民本位でない)」という大きな課題があると指摘。社会保障や医療費の負担および再分配について、具体的な統計とともに新たな視点を提言いただきました。
IBM グローバル・ソーシャル・セグメント バイスプレシデント クリス・ギボン
IBM グローバル・ーシャル・セグメント
バイスプレシデント クリス・ギボン
次に、IBM グローバル・ソーシャル・セグメント バイスプレシデントのクリス・ギボンが、「Dynamising Social Security —ISSA World Forumを受けて—」と題し、国際社会保障フォーラムのこれまでの歩みと、今年6月にベルギー・ブリュッセルで、欧州社会保障研究所と共同開催した前回の国際社会保障フォーラムのサマリーをご紹介しました。
「社会保障のダイナミック化」をメイン・テーマにしたこのフォーラムでは、社会保障エコシステムを「ダイナミック化する」ための4つの項目(政策、社会保障機関、テクノロジー、チェンジ・マネジマント)のダイナミック化が検証されました。

昼食休憩をはさんで、内閣官房IT担当室 内閣参事官 山内 徹氏より、「国民本位のITを活用した医療・社会保障サービスの実現(IT戦略本部「ITロードマップ」より)」と題した講演をいただきました。この中では具体的な政府のIT戦略や計画が紹介され、「我が国の社会保障制度の運営においてITの活用は不可欠であり、政府一体となってIT施策に取り組むことが重要となる」ことなどが述べられました。

パネルディスカッションの様子
パネルディスカッションの様子。左から
クリス・ギボン、センターリンク
地域サービス部長 ピーター・シアズトン氏、
テレビ会議上のクロスロードバンク
事務総長 フランク・ローベン氏
この後、事例研究として、最新事例2つが紹介されました。
まずは、オーストラリアの「センターリンク—オーストラリアにおける国民(お客様)本位のサービス機関」の事例です。オーストラリア政府 センターリンク 地域サービス部長 ピーター・シアズトン氏は、「『国民にはサービスを選択する権利がある』として、国民を『お客様』と呼ぶセンターリンクの活動によって、これまで複数の部局に出向いていた国民が、『お客様』としてひとつの窓口から一括してサービスを受けられるようになり、非常に高い評価を得ている」と述べました。
ベルギーの事例は、ベルギーからテレビ会議で紹介されました。「ベルギー・クロスロードバンクによる社会保障機関の連携」と題し、ベルギー政府の行政ワンストップ・サービスの中心となるネットワーク機関であるクロスロードバンクの事務総長フランク・ローベン氏より、具体的な取り組み、成功要因、情報管理など多岐にわたる観点から、示唆に富む講演をいただきました。クロスロードバンクは、国民の個人情報は各サービス提供機関に分散保存されたまま、国民からのアクセスの一元管理を可能にしているため、日本の社会保障関係機関や電子行政推進機関からも大きな関心が寄せられている事例です。

パネル・ディスカッションでは、すでに具体的な取り組みを行っている、オーストラリアのセンターリンクとベルギーのクロスロードバンクに関して、多様な角度から質疑応答がなされました。たとえば、職員向けのワークショップや職員の専門性について、ベルギー国内のICカードや情報管理の状況などについての質問が出されました。

まとめ

講演の結びに、厚生労働省 政策統括官(社会保障担当)の間杉純氏がご登壇。1つの流れとして、社会保障政策と国民との間をどう取り持つかという課題があり、IT化等の技術革新がその鍵を握ると思われると総括いただきました。
最後に、日本IBM 官公庁事業部 理事 三島英司より「本年のフォーラムは例年以上の参加者が集まり、まさに社会保障が国全体の関心事となっている印象を得た。ITは社会保障改革に必要不可欠な要素であり、今後もITを駆使した社会保障サービスの先進事例の共有を図りたい」との閉会の挨拶があり、国際社会保障フォーラム2008は終了しました。

末筆ながら今回のフォーラムのために、お忙しい中ご参加いただいたお客様各位に厚くお礼申し上げます。
日本IBMでは、各国IBMとの連携を深めつつ、今後も社会保障分野のさまざまな問題解決に取り組んでまいります。

なお、ご希望の方には、前回(ベルギー)および今回(東京)のフォーラム開催報告冊子をお送りいたします。送付ご希望の方はこちらからお申し込みください。

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