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平成20年度 図書館システム研究会 開催報告

12月12日に株式会社サン・データセンターと共催した、「平成20年度(2008年度) 図書館システム研究会」の開催報告

掲載日:2008年12月22日

去る12月12日、株式会社サン・データセンターと共催で、「平成20年度(2008年度) 図書館システム研究会」を日本IBM本社(東京・六本木)で開催いたしました。
当研究会は、サン・データセンターの図書館システムパッケージ「CLIS/400」のユーザー様を含め関東近郊の自治体図書館の職員の方々に、お客様事例や最新動向をご紹介する研究会です。おかげさまを持ちまして、10年以上の長期にわたり継続させていただいており、今年も約80名の図書館ご担当者にご参加いただきました。
今年のテーマは「図書館の挑戦」です。今回は最近導入が増えているICタグにスポットを当て、ICタグを有効活用することにより、将来の新しい図書館に挑戦するという期待を込めたテーマとなりました。
後半の焦点は、「Web2.0」です。インターネットや携帯電話が身近なツールとなる中、アクセシビリティに関する課題や最新情報と、携帯電話端末を使った新たなサービスをご紹介いたしました。

プログラム

テーマ

講演者


1. 開催の挨拶

進行係
日本アイ・ビー・エム株式会社
ibm.comセンター事業 セクター事業部
公共営業部 宮園 杏平


2. ご挨拶

日本アイ・ビー・エム株式会社
公共事業 官公庁第三事業部 事業部長
加茂 義哉


3. 今回の研究会のテーマについて

株式会社サン・データセンター
代表取締役 庄司 俊治氏


4. ICタグ導入経過および現状と課題

豊島区立中央図書館 図書館経営担当係長 
田中 正幸氏


5. 既存館へのICタグシステム導入について

西東京市中央図書館 主任 司城 修氏


6. 未来図書館の方向性

三鷹市立三鷹図書館 図書館システム担当課長 
大島 克己氏


7. Web2.0時代のアクセシビリティ技術

日本アイ・ビー・エム株式会社 東京基礎研究所 アクセシビリティ・リサーチ担当
IBM Distinguished Engineer 浅川 智恵子


8. 携帯電話版デイジー配信システム(びぶりおネットモバイル)

株式会社サン・データセンター
デジタルコンテンツグループ 松岡 豊氏


プログラム内容

加茂義哉の写真
日本アイ・ビー・エム株式会社
公共事業 官公庁第三事業部
事業部長 加茂義哉
はじめに、公共事業 官公庁第三事業部 事業部長 加茂義哉が開会の挨拶を述べました。多くの方にご参加いただいたことと、熱意と関心の高さにお礼を申し上げた後、CLIS/400とこの図書館システム研究会の沿革をご説明し、今後も図書館システムの成長および安定稼働をご支援していくことを述べました。
サン・データセンター庄司俊治氏の写真
株式会社サン・データセンター
代表取締役 庄司 俊治氏
次に、株式会社サン・データセンター 代表取締役の庄司 俊治氏が、今回の研究会のテーマをご説明しました。プログラムでお話いただく各館についてユーモアを交えてご紹介し、プログラム後半のアクセシビリティと携帯電話の活用についても、ご説明しました。

この後3つの自治体の図書館に事例をお話いただきました。
豊島区の田中 正幸氏からは、中央図書館の移転に伴い来館者数が3倍に増える中、ICタグの活用により不明本が半分以下に減った成果や、CD-ROMへのタグ貼付に関しての方針などを、具体的な体験談とともにお話しいただきました。
西東京市の司城 修氏は、6月にICタグを導入するまでの経緯を中心にお話しいただき、特に機種選定前のデモ、視察、ショールームでの試用の重要性を強調されました。また、実際に設置されている自動貸出機とセキュリティー・ゲートの写真を使って、工夫した点や注意が必要な点をご説明いただきました。
来年平成21年(2009年)1月からICタグを導入予定の三鷹市の大島 克己氏からは、「図書館の機能は『本の流通』とも見ることができ、システム化により効果が現れやすく、ICタグ(=荷札)との相性がよい」との見解を述べられ、ICタグ導入後は、分館、移動図書館はもちろん、学校図書館や公民館図書室との連携がよりスムーズになると、期待を説明されました。また、日本の図書館で初めて導入する、モバイル端末について実物を示されながらお話しいただきました。

Web2.0と図書館

講演する浅川智恵子と会場の様子
講演する日本アイ・ビー・エム株式会社
東京基礎研究所アクセシビリティ・
リサーチ担当 IBM Distinguished Engineer
浅川 智恵子と会場の参加者の様子
後半のテーマはWeb2.0とアクセシビリティです。
弊社東京基礎研究所 アクセシビリティ・リサーチ担当の浅川智恵子が「Web2.0時代のアクセシビリティ技術」というテーマで講演を行いました。
自身が開発に携わった、IBMのホームページリーダーにより、視覚障がい者のQOL(Quality of life、生活の質)は向上したが、Ajax、Flashなどの新しいインターフェースが登場してアクセシビリティが低下していることをご説明しました。そして、ホームページのアクセシビリティを評価する無償ツール、aDesigner(エーデザイナー)と、WebブラウザーFireFoxのプラグインツールでホームページの書き換えをせずに、ボランティアの入力によりタイムリーにアクセシビリティを向上させるソフトウェア、「ソーシャル・アクセシビリティー・コラボレーション・ソフトウェア」などを、デモを交えてご紹介いたしました。
最後に「視覚障がい者として公共図書館への期待は大きく、インターフェースの考慮や音声合成技術の進歩などによって、たとえば図書館のサーバーにアクセスすると電子化された図書が、自然な音声で読めるような時代も夢ではないと思う。われわれも、夢に向けて研究を進めていきたい」と述べ、講演を締めくくりました。

最後に、株式会社サン・データセンター デジタルコンテンツグループの松岡 豊氏が、携帯電話版デイジー(※)配信システム(びぶりおネットモバイル)を動画によるデモをお見せしながらご紹介しました。
サン・データセンターが開発し、2008年11月1日にサービスを開始した「びぶりおネットモバイル」は、NTTドコモの日本点字図書館公式メニューからリンクされ、本や雑誌の音声データをダウンロードできるシステムです。実際にトップメニューからダウンロードするまでを操作しながら、視覚障がい者がアクセスしやすいように考慮されたインターフェースをご紹介しました。
画面の文字を読む機能がある携帯電話の機種、らくらくホンであれば、特別なソフトウェアなどは不要です。ダウンロードに時間がかかるといった課題はありますが、約11,000タイトルが音声で提供されており、携帯電話の簡単な操作だけでダウンロードと音声再生ができる画期的なシステムといえます。点字や音声CDでは入手しにくかった週刊誌の最新号や、テレビや映画で話題のタイトルが気軽に音声で読めるようになり、視覚障がい者のQOL向上に大きく役立つことが期待されます。

研究会全体を通して、参加者の皆様が大変熱心に講演に耳を傾けたり、メモを取ったりしているのが印象的でした。
当日は、お忙しい中、また一部には遠方から多くの図書館担当者の方々にご参加いただきまして、まことにありがとうございました。
日本IBMでは、今後もサン・データセンターと協力して、公共図書館の発展をご支援してまいります。

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