掲載日:2009年12月15日
去る11月27日、株式会社サン・データセンターと共催で、「第16回 図書館システム研究会」を日本アイ・ビー・エム株式会社 本社事業所(東京・箱崎)で開催いたしました。
当研究会は、サン・データセンターの図書館システムパッケージ「CLIS/400」のユーザー様を含め関東近郊の自治体図書館の職員の方々に、お客様事例や最新動向をご紹介する研究会です。今年は第16回目を迎え、50名以上の図書館ご担当者にご参加いただきました。
今年のテーマは「デジタル・アーカイブ」です。図書館にとって関心の高いテーマのひとつであるデジタル・アーカイブについて、導入事例や技術動向のご紹介を通して、ご説明しました。
プログラム
テーマ
講演者
1. 開催の挨拶
進行係
日本アイビーエム・イーコミュニケーションズ株式会社
ibm.comセンター事業 セクター事業部
公共営業部 新美 善弘
2. ご挨拶
日本アイ・ビー・エム株式会社
公共事業 官公庁第三事業部
事業部長 加茂 義哉
3. 導入事例発表(1)
川崎市立中原図書館
情報システム担当
主査 永島 治氏
4. 導入事例発表(2)
中央区立京橋図書館
管理係 鈴木 俊一氏
5. デジタル・アーカイブにおける
データ・マネジメント
日本アイ・ビー・エム株式会社
大和システム開発研究所
ストレージ・システムズ開発
担当部長 藤原 忍
6. メタデータと目録情報
株式会社サン・データセンター
図書館グループ
吉田 直樹 (元東京都立中央図書館 司書)
プログラム内容

日本アイ・ビー・エム株式会社
公共事業 官公庁第三事業部
事業部長 加茂義哉
はじめに、公共事業 官公庁第三事業部 事業部長 加茂義哉が開会の挨拶を述べました。例年この研究会を開催し、多くの方にご参加いただいていることは、IBMならびにサン・データセンターにとって、使いやすく安定したシステムを提供するための大きな動機付けとなっていること、事業仕分けなど公共図書館にとっての環境が大きく変わる中、当研究会が皆様のお役に立つ、実のある会となるよう尽力していきたいと述べました。
この後2つの自治体の図書館の方に事例をお話しいただきました。
川崎市立中原図書館の永島 治氏からは、昨年のシステム更新について、詳細な経緯をご説明いただきました。前システムは、汎用機とブレードなど各種のサーバーで複雑に構成され、データの不整合が生じることがあったり、大規模なカスタマイズにより全体を把握することが難しかったりといった課題がありました。新しいシステムを導入するに当たり、価格面のみで落札者を決定する入札方式では、安定して運用できる、ライフサイクルコストの低いシステムを選定できないのではないかと議論を重ね、総合評価方式の入札を採用しました。公平性、透明性を確保するための工夫をしながら、実際に業者プレゼンテーションやデモで具体的な仕様の実現方法を確かめ、的確に審査できるよう理解を深めたそうです。その結果、サン・データセンターのCLIS/400を採用することとなりました。このシステムを導入してから、安定して稼動しているそうです。最後に、より良いシステムを選定するためには、情報共有が必要で、このような情報を図書館間で共有していきたいと発表を締めくくられました。
中央区立京橋図書館の鈴木 俊一氏からは、図書館システムの更新とともに、地域資料のデジタル化、図書館刊行物のアーカイブス化に取り組まれた事例をデモを交えてお話しいただきました。図書館システムの更新は今回が3回目となりますが、1世代目は「機械化」、2世代目にCLIS/400を初めて導入した際は「インターネット対応」がキーワードだったそうです。今年(2009年)1月に更新した、3世代目システムのキーワードは「バーチャル」で、Webの機能を充実させたり、館内OPAC(検索機)を改善したりしたほか、さまざまな資料のデジタル化に重点的に取り組まれました。まず、現物を展示できない貴重な地域資料に関しては、図書館のWebサイトを通して、地図から、または地名、建物名などから、年代別に検索できるようにし、画像には悪用されないよう電子透かしを入れています。このほか、児童向け図書案内のような図書館刊行物をWeb上で公開したり、録音図書を配信したりといった取り組みも行っています。その後の質疑応答では、デジタル化の方法や著作権についての考慮などもお話しいただきました。
デジタル・アーカイブの技術動向

日本アイ・ビー・エム株式会社
大和システム開発研究所
ストレージ・システムズ開発
担当部長 藤原 忍
後半はデジタル・アーカイブの技術動向について講演を行いました。
まず弊社大和システム開発研究所 ストレージ・システムズ開発 担当部長 藤原 忍が「デジタル・アーカイブにおけるデータ・マネジメント」というテーマで講演を行いました。
データの物理的保存と論理的保存の違い、保存する際の4種類の問題、すなわちさまざまな媒体の寿命の問題、量の問題、技術革新などシステムの問題、文化・組織の問題などについてご説明しました。さらに長期データ保存の手法には、「ミュージアム手法」、「エミュレーション手法」、「マイグレーション手法」の3通りが考えられること、データの自己記述性、自己完結性について、など技術的なご説明の後、最新の産業動向をご紹介しました。
次に、株式会社サン・データセンター 図書館グループの吉田 直樹氏が、「メタデータと目録情報」について講演しました。メタデータやセマンティック・ウェブ、XMLについてご説明し、相互運用性の課題や、MARC変換表の取り組み、ダブリン・コアなどについてご紹介しました。
最後に進行係が、参加のお礼などを述べて、第16回図書館システム研究会は終了いたしました。
各講演の後の質疑応答では、さまざまな質問が寄せられ、参加者の皆様の熱意が感じられる研究会となりました。
当日は、お忙しい中、また一部には遠方から、多くの図書館担当者の方々にご参加いただきまして、まことにありがとうございました。
日本アイ・ビー・エムIBMでは、今後もサン・データセンターと協力して、公共図書館の発展をご支援してまいります。
