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SaaSを視野に地銀・中小企業の事例から学ぶ自治体共同化の方向

都道府県CIOフォーラム2008年春季会合でIBMが講演

掲載日:2008年4月8日

日本IBMでは、IT企業という立場から都道府県CIOフォーラムに協賛しています。2008年2月6日から7日に開催された、2008年春季会合では、「SaaSを視野に地銀・中小企業の事例から学ぶ自治体共同化の方向」というテーマで講演を行いました。
自治体システムの共同化が課題になる中、弊社が地方銀行のシステムで培ってきた共同化の事例や、中小企業の利用が進むASP/SaaSの動向、また、新たに提供を検討しているSaaS対応サービス「Bluehouse」の概要を交え、今後の自治体システムの共同化の方向性をご提案しました。

講演の主旨

高度な処理の共通化で開発コストを削減
SOA/Web2.0ベースの文書処理環境「DOLCE」

「地銀ではシステムの共同化を推進する一方、コア事業の融資や新商品の開発に注力しています。住民サービスの向上がコアコンピタンスである自治体がシステムの共同化を進める上で、地銀の取り組みは大いに参考になるはずです」と、日本IBM公共事業CTOの長島哲也は説明します。
共同化のスキームは3つの方式に大別できるとして、弊社がサポートする地銀の事例をもとにそれぞれの特徴を解説しました。

共同化でシステム開発・運用・管理の課題を解消
その第1が、先行する地銀のシステムをベースに共同化に参加する方式です。いわば、システムを「既製服」化し、そのサイズに合う地銀がレディーメードの「吊し服」として利用するということです。これにより、システム開発・運用の負荷を軽減できると言います。
第2は、大手都市銀行が自行のシステムをパッケージ化し、地銀にASPサービスとして提供する方式です。システム規模は多少大きくても、都銀のシステム開発・運用ノウハウを享受できる利点があります。 第3は、自行の身の丈に合った共同化のスキームを複数地銀が共同で策定する方式です。いずれの方式を採用するにしても、共同化の狙いは、「コスト削減のみならず、システムの開発や運用・管理にかかわる人材確保が困難になっていることが背景にあります」と述べています。


地銀・中小企業事例から学ぶ自治体共同化の方向のイメージ図
地銀・中小企業事例から学ぶ自治体共同化の方向のイメージ図

そして、長島は中小企業で利用が進むASPサービスについて言及しています。「ASP白書2005」(ASPインダストリ・コンソーシアム・ジャパン発行)を引き合いに、ASP市場動向を概観すると、従来のグループウエアなどに加え、会計や顧客管理など業務に必要なシステムを保有せず、ネットワークを介してASPサービスとして利用するケースが増えています。「サービスの多様化とともに、今後、中小企業や自治体などでASP利用が進展すると予測されています」と話します。
ASPの利点として、ITにかかわるコストを実質的に「割り勘」にしてコスト削減を図れることや、中小企業のIT化が進展する中で、ASP活用で組織のリソースをコアビジネスに集中できることが挙げられます。このほか、セキュリティーの確保が容易になることや、新しいビジネスモデルの創出が可能になる利点もあります。
例えば、独自にセキュリティ確保が困難な場合でも、ASPサービスは信頼性の高い設備が整ったデータセンターを介して提供されることから、セキュリティーのみならず、BCP(事業継続計画)やバックアップ対策にも効果が期待できると言います。

Web2.0技術を用い、画面上で各種サービスを連携

自治体では多様なサービスを住民にワンストップで提供する仕組みが求められています。「こうしたASPの事業モデルと、複数のサービスをマッシュアップできるSaaS化サービスを組み合わせることで付加価値の高い新サービスの創出が可能になります」と長島は述べています。
例えば、全国地域情報化推進協議会が進める地域情報プラットフォームでは、自治体のサービス連携から、今後、自治体と民間企業のサービス連携への進展が期待されています。住民が引っ越しの手続きをする場合、自治体の手続きと同時に民間のガスや電力会社の手続きがワンストップで行えることを目指しています。
ただし、「セキュリティーの観点では、自治体のシステムを企業へダイレクトに接続するのは現実的ではありません。そこで、画面上で各種サービスを連携、処理する方法が考えられます」と長島は話します。今後SaaSの普及とともに、バックエンドのシステムをSOAでサービス化した上で、フロントエンドはWeb2.0の技術を用いて画面上で連携させる方式が主流となっていくでしょう。
そして、自治体が共同化を進め、住民サービスの拡充に注力できるIT環境構築にも利用可能な、IBMコーポレーションが2008年1月に意向表明したSaaS戦略を紹介しました。これは、「Bluehouse」と呼ばれる中小規模の自治体にも適用できるSaaS化された製品・サービスを提供するものです。具体的には、コンタクト・リスト、ファイル、プロジェクト活動の共有化や、チャット、インスタント・メッセージ、Web会議による対話を通じて組織が連携するためのコラボレーション・サービスを従量課金制で提供できるように検討が進められています。
「このようなSaaS化されたサービスを導入することで、高度なIT技術の知識を備えたスタッフを組織内に置かなくても、組織の境界を越えて容易にコラボレーションできるようになります」と説明します。
そして、自治体が取り組むべき方向性として、地銀共同化の3方式のいずれを選択するか、ASP/SaaSを利用するかどうかの判断が重要になると言います。
「ASP/SaaSを利用する場合、自治体内の閉じたイントラネットSaaSの形態も考えられます。そして、共同化のスキームで策定されたシステムをASP/SaaS化して従量課金で利用するハイブリッド方式もあります」と、長島は共同化に向けた考え方を提案しました。

「Bluehouse」のテスト用限定ベータサービス画面(英語のみ)
「Bluehouse」のテスト用限定ベータサービス画面(英語のみ)


関連資料

過去に都道府県CIOフォーラムで行った講演につきましては、こちらをご覧ください。

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※ このページは日経BP社から許諾を得て転載しています。

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