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掲載日: 2009年9月7日
フォーラム概要
2009年8月27日(木曜日)に、ザ・プリンス パークタワー東京にて、「IBM SMARTER PLANET FORUM」を開催いたしました。
Smarter Planetとは、ほとんどすべての物がデジタル化され、相互接続され、新たな知見を生み出すことで、ビジネスや社会を効率化し、より良い世界へ変えていくというビジョンです。このフォーラムでは、業界別に、具体的な事例や、どのようなテクノロジーやアイデアでSmarter Planetを実現できるのかをセッションや展示でご紹介いたしました。
午前のプログラムでは、日本IBM 代表取締役社長 橋本 孝之によるご挨拶の後、経済産業省 商務情報政策局 情報経済課 課長の前田 泰宏 氏より基調講演をいただきました。
前田氏からは、2050年までにCO2排出量を半減する、という厳しい課題を、日本の国際産業競争力強化に繋がる、巨大な市場登場の機会と前向きに捉え、これまでの常識を覆すような、どのような新発想、革新的な技術を有効活用して、世界に先駆けた新たな産業の創出や、新しい社会システムやインフラ構築を進めていくプランが検討・構想されているか、スマートな日本の将来像へのビジョンをお話しいただきました。
午後からは、業界別に分かれてセッションを執り行いました。官公庁・自治体様向けセッションは以下の通りです。
IBM SMARTER PLANET FORUM 官公庁・自治体様向けセッション
テーマ
講演者
D-1:Smarter Cities
—持続可能な都市の未来を考える
IBMコーポレーション
グローバル・ガバメント戦略担当
マーク・クレバリー
D-2:Smarter Buildings
—エネルギー制御による公共施設のCO2削減
財団法人 東京都環境整備公社
東京都環境科学研究所
調査研究科 主任研究員
藤原 孝行 氏
日本アイ・ビー・エム株式会社
理事 未来価値創造事業
竹内 淳一
D-3:事例から学ぶクラウド
—公共機関でのクラウド・コンピューティング展開、活用のヒントと可能性
日本アイ・ビー・エム株式会社
執行役員 未来価値創造事業担当
岩野 和生
D-4:Smarter Public Safety
—テクノロジーで犯罪と戦う
ユーロポール(欧州刑事警察機構)
重要犯罪取締部 シニア・アナリスト
パスカル・ヴット 氏
スマートな都市とビルディング

グローバル・ガバメント
戦略担当
マーク・クレバリー
午後最初のプログラムは、IBMコーポレーション グローバル・ガバメント戦略担当 マーク・クレバリーによる、IBMの提唱する「Smarter Cities(スマートな都市)」のご説明です。2050年までに、世界の人口の70%が都市に住むようになり、現在19ある人口1千万規模の巨大都市が、少なくとも27に増えるといわれています。急速な都市化が進む中、暮らしやすく持続可能な都市になるには、都市の機能がそれぞれ「スマート」になり、互いに結びつくことが必要です。IBMは、インテリジェンスを都市機能に組み込み、「スマート」な都市への第一歩を踏み出すご支援を世界各国で行っていることをご紹介しました。
例えば、米国テキサス州ヒューストンではSmartGridを活用した200万台のスマートメーターを設置し、消費抑制に大きな成果をもたらしました。米国のある地域ではマンホールにセンサーをつけて下水の越流管理を行い、年間数百万ドルの越流対策への投資を抑制することに成功しました。
最後に、よりスマートな都市へと導くには、一つの機関だけではできないこと、官民の協力、共有、パートナーシップが不可欠で、お互いに協力してそれぞれの役割を遂行することが重要なことを延べて、講演を終了しました。
次のセッションは、「Smarter Buildings —エネルギー制御による公共施設のCO2削減」です。初めに日本IBM 未来価値創造事業 理事の竹内 淳一より、Smarter Building Consortium(SBC)についての説明をいたしました。大規模なビルに比べて、中小規模のビルでは、コスト面の理由などから、グリーン化、省エネルギー化が遅れている傾向にあります。このコンソーシアムでは、省エネルギーの評価方法を定め、モデルやデータ構造を標準化し、相互接続方法を確立することを目指しています。これにより、異なるメーカーの設備や機器を相互接続して、比較的安価に省エネルギーを実現することが可能となる見込みです。
次に、財団法人 東京都環境整備公社 東京都環境科学研究所 調査研究科 主任研究員の藤原 孝行 氏より、ビルの省エネルギー化について、現状や課題、対応事例をお話いただきました。テナントビルオーナーだけでなく、テナントの協力も不可欠であること、ビル内のPDCAサイクル確立のためのデータ収集が重要なこと、競争を促す仕組みが推進力となることなどをご説明いただきました。また、庁舎のメンテナンスについて具体的なプランや考え方をお話いただきました。
国内外の先進事例
執行役員
未来価値創造事業担当
岩野 和生
引き続き、D-3セッションでは、「事例から学ぶクラウド—公共機関でのクラウド・コンピューティング展開、活用のヒントと可能性」と題して、日本IBM 執行役員 未来価値創造事業担当 岩野 和生が、公共機関におけるクラウドコンピューティングの事例を中心にご紹介しました。
ITの提供する価値を「モノ」としてではなく、「サービス」としてとらえ、「所有し運用する」から「必要なサービスを必要なときに必要なだけ使う」ことを可能にするクラウド・コンピューティング。地域産業振興を目的とした中国・無錫市や、複数の国のお客様にサービスを提供するオランダのiTricity、豊田通商様の産業廃棄物処理分野におけるシステム共同利用など、国内外の事例が紹介されました。これらの事例を通じて、「産業界では『サービス・製品の質の向上』、研究・教育分野では『新しいテクノロジーへのアクセス』、そして、国や社会というレベルでは『ビジネス・モデル、サービス・モデルの変革』がクラウド・コンピューティングによってもたらされるのではないか」と、締めくくりました。
最後のセッションD-4では、ユーロポール(欧州刑事警察機構)より、重要犯罪取締部 シニア・アナリスト パスカル・ヴット氏をお招きし、「Smarter Public Safety —テクノロジーで犯罪と戦う」と題してご講演いただきました。
ユーロポールは、オランダのハーグに本部を置き、EU加盟国の警察当局などに対して情報分析、専門技術の提供、技術訓練などの支援をおこなっている組織で、現在約600名が在籍しています。ユーロポールでは、テロや組織犯罪といった重大事件を解決するために、EU加盟国のみならず、全世界の国々から大量にデータ分析の依頼を受けています。捜査員が母国語で依頼を行うため、依頼されるデータは、22以上の多言語となっています。またデータの種類も、テキスト、PDF、html、ワープロ文書など多岐にわたっており、15,000以上の構造化/非構造化データが混在します。これらをデータベースで管理するため、入力と翻訳に非常に時間がかかり、全調査時間の70%が入力、30%だけを分析に使っている状態でした。
そこで、IBMのOmniFind、UIMA(Unstractured Information Management Architecture)を導入し、非構造化データの評価や照合処理を簡素化し、そのまま分析するようにした結果、大きなスループットの向上が実現できました。例えば1文書2時間かかっていた分析は、わずか2分でできるようになりました。仮に800文書ほどの依頼があったとすると、今まで41週間かかっていましたが3日ほどで分析できる見込みです。実際に、フィンランドにおける海賊被害に関する調査では、3日後に分析結果を報告することができ、フィンランド当局の期待以上の効果があったとのことです。今後は、音声やグラフィック、地図などの分析にもこの技術を活用していきたいとのことでした。
当フォーラムに関するお問い合わせは、弊社担当営業または、お問い合わせ窓口までご連絡をお願いいたします。
関連ホームページ
Smarter Cities 「スマートな都市」
Smarter Buildings 「スマートなビルディング」
IBM SMARTER PLANET FORUM 上記ページでは、全体のプログラムのご紹介のほか、一部セッションの資料ダウンロードも可能です。
