掲載日: 2009年5月14日
概要
2009年4月28日(火曜日)に、東京国際フォーラムにて、「官公庁様向けクラウド/Web2.0/SOAセミナー」を開催いたしました。
このセミナーでは、昨今話題のSOA、Web2.0およびクラウド・コンピューティングといった技術が、官公庁のお客様が抱える課題にどのように役立つか、事例を交えてご紹介いたしました。
当日は、中央省庁をはじめ、地方自治体、大学関係者など多くのお客様にご参加いただき誠にありがとうございました。
「官公庁様向けクラウド/Web2.0/SOAセミナー」のプログラムは以下の通りです。
プログラム
テーマ
講演者
ご挨拶
公共事業 官公庁第二事業部長
理事 三島 英司
IBMのクラウド/Web2.0/SOA戦略
取締役執行役員 テクニカル・リーダーシップ担当
宇田 茂雄
官公庁におけるクラウド適用のシナリオ
公共事業 クライアントIT推進部長
大澤 暁
クラウド事例:九州大学におけるクラウド・コンピューティングへの取り組み
九州大学大学院 システム情報科学研究院
教授 福田 晃 様
IBMのSaaS型パブリック・クラウド・ソリューションご紹介 —コラボレーション分野におけるマッシュアップ活用の現実解—
ソフトウェア事業 ロータス事業部
新規事業開発
兼 ブランド戦略 担当部長 森島 秀明
官公庁業務の特性にあった次世代IT基盤構築に向けて
公共事業 技術理事 官公庁CTO
長島 哲也
SOA事例:米国州税務局におけるSOA事例
ソフトウェア事業
SWテクニカルセールス&サービス
SOA/BPMアーキテクト 吉田 洋一
IBMの戦略と大学での取り組み事例

テクニカル・
リーダーシップ担当
宇田 茂雄
はじめに公共事業 官公庁第二事業部長の三島 英司が本日のセミナーの趣旨についてご説明した後、テクニカル・リーダーシップ担当の宇田 茂雄が、IBMのクラウド/Web2.0/SOA戦略について、ご紹介いたしました。ここ数年、新規サーバー購入費用が横ばいの中、運用管理と電源・空調関係の費用は増加の一途をたどっているという調査結果があります。クラウドやグリーンITで運用などにかかるコスト増加を抑え、さらにWeb2.0やSOAなどの技術を活用することにより、組織全体の業務・システム最適化や法改正などへの柔軟な対応ができるIT構築を低コストで実現できることをご説明しました。また、具体的なクラウドの事例として、中国江蘇省の無錫市(むしゃくし)の例などをご紹介しました。
クラウド・コンピューティングの実践と展望(中国・無錫の事例を掲載)
公共事業 クライアントIT推進部長の大澤 暁からは、特に「官公庁におけるクラウド活用」に焦点を当ててご説明いたしました。総務省から発表されている調達手引書を踏まえ、分離調達におけるクラウド適用の考え方を、アーキテクチャー・モデルとあわせてご紹介しました。また、IBM社内のクラウド・コンピューティング・センターの画面デモもご覧いただきました。
九州大学大学院
システム情報科学研究院
教授 福田 晃 様
次に、九州大学大学院 システム情報科学研究院 教授の福田 晃 様から、「九州大学におけるクラウド・コンピューティングへの取り組み」と題したご講演をいただきました。
九州大学では、文部科学省の「先導的ITスペシャリスト育成推進プログラム」に参画し、産学官連携による新しいICT教育を進めています。社会情報システム工学コース(大学院)では、経団連や日本IBMも含む協力企業のサポートを得て、重層的なPBL(Project Based Learning)の実践など先進的かつ効果的な人材育成を行っていますが、このPBLに、クラウド・コンピューティング技術を活用しています。一方、クラウド・コンピューティング技術を使って、学生がHadoop(分散処理のためのオープンソース・プラットフォーム)を利用できる環境を用意し、分散処理プログラミング技術の習得や検証を行う教育も進めており、これらは日本初の大学での本格的なクラウドの取り組みとしてメディアからも注目を集めています。すでに、「環境構築の指導をする必要がなくなった」、「Hadoop環境が手軽に利用できるようになった」といった効果も出ているそうです。最後に、新しいプログラミング教育、新しいサービス構築の教育といった「教育の視点」と、要素技術や活用技術といった「研究の視点」をご説明いただき、「クラウドという先進的でまだベクトルの定まっていない技術に対し、学生に自分で方向付けを考えさせることも大学院としての教育の大きな意義である」とクラウド活用の見解を述べられました。
具体的な製品、事例をご紹介
休憩を挟んで後半は、弊社から具体的な製品や構築例、海外の事例などをデモを交えてご紹介いたしました。

LotusLive Connections の
画面イメージ
(クリックすると拡大します)
ソフトウェア事業 ロータス事業部 新規事業開発兼ブランド戦略担当部長の森島 秀明からは、2009年1月27日に米国IBMが発表した、ソーシャル・ネットワーキングやコラボレーション・サービスを含むクラウド基盤ポートフォリオLotus Liveをご紹介しました(注:日本では開発意向表明)。クラウドを基盤としているため、官公庁でも組織を超えたファイル共有やWeb会議が可能なことや、地方自治体や外郭団体への出向者とのコラボレーション、コミュニケーションツールとしての可能性を示唆しました。例として「白書を協働して作る」というLotus Live上のデモ・プロジェクトを用意し、細かい設定や管理ができること、引継ぎに便利なことなどについて画面をご覧いただきながらご説明いたしました(左図は同等機能の説明資料)。ほかに、災害対策システムのような、事前に仕様確定が困難でかつ、即応性や柔軟性が求められるアプリケーションに、マッシュアップの技術が有効なことや、統計データなどを提供するサービス提供者としての官公庁のSaaS活用の可能性をご説明いたしました。
- プレスリリース:IBM Lotus、統合クラウド・サービスの新ポートフォリオを発表(2009年1月27日)
- プレスリリース:IBM、企業にクラウドのソーシャル・ネットワーキングとコラボレーション・サービスを提供(2009年4月2日)

公共事業 技術理事
官公庁CTO 長島 哲也
次の公共事業 技術理事 官公庁CTOの長島 哲也のセッションでは、官公庁の基幹業務のうち公的文書処理・管理に着目し、Web2.0やSOA技術を採り入れた官公庁におけるある申請業務のデモを行いました。官公庁では、法改正などにより頻繁に業務の管理項目が変更となり、そのたびに必要な、画面、データベース、プログラムの変更には大きなワークロードと費用が発生しています。ご紹介したデモ画面では、短時間でで容易に画面の変更ができることをご覧いただきました。あわせて、マッシュアップ技術を使った住所入力や、出納システムとの連携、業務の進捗管理もご覧いただきました。わずかな日数で作った、デモ用プログラムですが、SOAの可能性を実感していただけたことと存じます。
プログラムの最後に、ソフトウェア事業 SWテクニカルセールス&サービスの吉田 洋一が、米国州税務局におけるSOA事例をご紹介いたしました。この税務局では、COBOLプログラムのJava化やXMLデータベースの採用により、大きな成果を上げています。バッチ処理がリアルタイム処理となり、進捗・滞留が可視化され、毎年の変更作業が大幅に低減されました。ワークフローの管理を徹底したことで、バックログが85%も削減されたとのことです。小さく始めることができて、短期間で成果が分かるSOA/BPMの特長や、その他の事例を簡単にご紹介して本日のプログラムを終了しました。
当日の資料やお問い合わせは、弊社担当営業または、お問い合わせ窓口までご連絡をお願いいたします。
