米国掲載日 2006年11月20日(現地時間)
「IBMのソリューションを選んだのは正解でした。IBMのソリューションは当社のアーカイブ能力を向上し、当社のニーズと共に進化しています。」
−Alain Schank氏 (ARTE社 技術部門マネージャー代理)
概要
仏独共同の国営放送局であるARTE社(Association Relative a la Television Europeenne)は、フランス、ドイツおよびその他のヨーロッパ諸国で放送される二カ国語文化番組を1日12時間放送しています。ドイツの番組では、フランス語のコンテンツにドイツ語の吹き替えや字幕を付けて提供し、一方フランスの番組では、ドイツ語のコンテンツにフランス語の吹き替えや字幕を付けて提供しています。フランスのストラスブールに本社を置くARTE社は、パリとバーデンバーデンにも事務所を構えています(それぞれARTE France社とARTE Deutschland GmbH社)。1991年に創立されたARTE社は、現在、ストラスブールだけで約380人の社員を抱えています。
ビジネス・ニーズ
コストを抑えながら高品質な番組をより効率的かつ効果的に制作するためには、手動による煩わしいプロセスを改善する必要があります。
ソリューション
IBMのデジタル・メディアに関する専門知識を活用し、SGT Media Manager、IBM ADMIRA、IBM System x (TM)、IBM 3584 Tape Library、IBM Tivoli® SANergy® 、IBM Tivoli Storage Managerなどのコンポーネントを使用し、完全にネットワーク化されたほぼテープレスなデジタル制作システムおよび放送環境を設計し実装します。
事例研究
ヨーロッパでの高品質な多言語番組の制作
ARTE社の使命は、ヨーロッパ全体における相互理解を促し人々を引き合わせることを目指す、文化的で国際的な雰囲気を持つテレビ番組を制作し放送することです。ARTE社は本社が、番組制作の戦略からコンセプト、計画をコントロールしています。また、番組の放送や公開、翻訳や字幕作成の管理、および社会問題に関する情報番組、雑誌、テーマに沿った夜の番組の制作も担っています。この複雑な多言語環境で、ARTE社は、番組の制作および放送用に、最新のITを基盤とする取り込み、表示および高解像度編集システムが必要だと考えました。昔から煩わしく時間のかかっていた以前のシステムは、編集および制作のプロセスに渡すためのテープのコピー回数を減らし、映像素材をパケット管理するといった能力の妨げとなっていました。これは短期的には、完全にテープレスでネットワーク化されたデジタル制作環境の確立を意味しました。一方、ARTE社では長期的に社内および提携テレビ局との両方で、より効果的にメディア・コンテンツを共有できる基盤を構築したいと考えていました。
信頼できるサポートを求めて
ARTE社と、ドイツの公共放送グループの総合請負業者であり技術子会社であるMCI Studio Hamburg社は、この複雑なソリューションを統合するという課題を解決するための強力なパートナーを必要としていました。ARTE社はプロジェクトに着手しましたが、実装作業の開始後、当初の技術パートナーが倒産に陥り、大きな問題に直面していました。この結果、ARTE社とMCI社は、代替のソリューションを提案し、実装も行う新たなパートナーを探し求めることとなりました。両社は、状況の分析、選択肢の評価、およびソリューションの提案をIBMに依頼しました。
ARTE社の技術部門マネージャー代理であるAlain Schank氏は、「IBM ドイツチームとの関係は、とても良好で建設的でした。同チームは意欲的で、放送やテレビ業界に関心を持ち、精通していることは明らかでした。ARTE社のワークフローを即座に理解したことから、同チームがこのプロジェクトに適していると判断できました。」
ARTE社はIBMがこの注目のプロジェクトを救済し、ストラスブールにある新しい本社へすべてのコンテンツを移行することを実現してくれると確信していました。IBMとの徹底的な検討の後、ARTE社はIBMを新しい技術パートナーとして再出発することが最善の策であると判断しました。
IBMはソリューションを設計するとともに、IBM ADMIRA(Archiving of Digital Media for Interactive Retrieval and Access)管理ソフトウェアや、IBM SAN(Storage Area Network)ベースのストレージ・インフラストラクチャーを含むARTE社向けの独自の放送ソリューションによって、重要なソフトウェア・アプリケーション業界の連携をまとめ上げました。
Schank氏は次のように述べています。「IBMの安定性に加え、IBMのハードウェアおよびソフトウェアの機能を信頼していました。可用性、信頼性および拡張性をはじめとする、System xの高品質な機能に感銘を受けました。IBMのソリューションを選んだのは正解でした。IBMのソリューションは当社のアーカイブ能力を向上し、当社のニーズと共に進化しています。」
IBMグローバル・ビジネス・サービスとの連携
IBMはプロジェクトが開始すると、ARTE社のシステム・アーキテクチャー、インターフェース、必要なハードウェア・インフラストラクチャーおよびワークフローを詳細に理解するために、数カ月にわたり同社と検討を重ねました。次に、IBMグローバル・ビジネス・サービスとそのパートナー様各社は、ARTE社が必要としているSGT Media Managerの新機能を定義しました。
IBMはシステム構築全体をリードし、ユーザートレーニングやテストを実施しながらユーザーと協力してシステムを調整していきました。
ARTE社は、2005年10月までに、システムへのコンテンツの取り込み(つまり、デジタル化)を開始しました。同システムは、2005年12月以降、継続して稼働しています。現在、ARTE社が受け取るすべてのテープは即座に取り込まれ、テープ内のコンテンツは新しい番組に利用できるようになっています。
IBMグローバル・ビジネス・サービスは、以下のさまざまなサービスを提供しました。
- 初期段階の要件アセスメント
- プロジェクト管理
- ソリューション設計
- パイロット・インストール
- 多言語機能、字幕処理、および音声機能や取り込み機能をはじめとする、ARTE社の特定のニーズを満たすためのカスタマイズ
- システム統合とテスト
- エンド・ユーザーのトレーニング
IBMのデジタル・メディアのエキスパートがプロジェクトをリード
IBMは業界最高レベルのハードウェアに加え、デジタル・メディアの豊富な専門知識を持ってプロジェクトを推進してきました。ソリューションには、資産/資産品質の管理ソフトウェアであるIBM ADMIRAが含まれます。これはマルチメディア・ファイルのインポート・エクスポートおよび保管を制御するソフトウェアです。マルチサーバーと分散サーバーをサポートするIBM ADMIRAは、ユーザー数、システム容量およびパフォーマンスを拡張できるため、ARTE社のような企業が既存のアプリケーションとストレージ・インフラストラクチャーを柔軟でスケーラブルな放送IT環境に変革することを可能にします。
IBMはARTE社専有の番組計画アプリケーションを使用して、メディア資産管理システムの統合作業を管理しました。また、数社のパートナー様はIBMと共に、以下の統合的なソリューション制作に役立つサービスとコンポーネントを提供しました。
- SGT Media Manager media asset management software
- Ready Business Systems(RBS)
- INCITE non-linear editing software and Task Server for Transcoding
- Ninsight subtitling components and Video Server for HiRes Ingest
- SeaChange video playout servers
- IBM System x servers running Linux® and Windows®
- IBM DB2 Universal Database(TM)
- IBM Tivoli Storage Manager
- IBM Tivoli SANergy, FAStT900 storage array and LTO2 tape storage
ARTE社の場合のような複雑なプロジェクトは簡単には管理できません。このようなプロジェクトでは、有能なパートナーの協力に加え効果的なシステム統合が不可欠となります。Schank氏は次のように述べています。「IBMのような長期にわたり定評のあるパートナーを持つことは重要です。IBMは、実装のほぼすべての作業において密接にかかわってくれました。IBMのチームは、この実装作業において卓越しており、あらゆる潜在的な問題を克服するためのソリューションを提供する準備が常に整っていました。」
アーカイブ能力の向上とコストの予測
ARTE社はエンドツーエンドで制作環境を変革しました。放送局であるため当然バックアップのためのテープをある程度保持する必要はありますが、ARTE社の制作環境の約95%はテープレスとなっています。コンテンツへのより高速で並列的なアクセスを可能にする新しいアーカイブ・ソリューションのおかげで、ARTE社では以下が可能です。
- 同じ人数のスタッフで、より速く、より多くの番組コンテンツを制作
- 物理テープのコピーと搬送に必要なプロセス手順を排除
- 複数のユーザーが同じコンテンツで同時に作業できるようにすることで、ワークフローを加速化
- 以前はテープベースの劣化を免れなかったコンテンツをデジタル処理により保存
ARTE社は、最初の9カ月間で5,000時間分のコンテンツ、20,000件の番組および100,000を超えるファイルをシステムに取り込むことができました。これは当初の計画では最低2年を要する作業でした。現在、ARTE社は制作・アーカイブおよび運用に関連するコスト、テープ関係のコストを削減し、従来の手動によるプロセスを排除し、ストレージとコンテンツの集中化を行う実現しました。さらに現在は制作、アーカイブおよび運用に関連するコスト、テープ関係のコストを削減する段階に達しています。
IBMは使用テラバイト数に基づいてコストを請求する(つまり、ボリュームベースのライセンス交付)のではなく、サーバー単位でADMIRAのエッセンス管理ライセンスを提供することによって、ARTE社の将来のアーカイブ・コストの管理を支援しています。同社では、現在、毎日19時間分の番組を管理するようになり、番組制作能力は、以前の12時間から58%向上しました。これは以前のシステムでは考えられなかったことです。
オンデマンド・ビジネス・モデルへの移行
ARTE社のシステムは完全にデジタル化されると、他局にネットワーク接続し、フランスとドイツの公共テレビの交換テレビ制作ネットワークを構築することができます。たとえば、ARTE社では局の間でテープを搬送しなくて済むように、他の放送局とファイルを交換する機能を現在検討中です。ARTE Franceは、すでにストラスブールの本社にあるメディア資産管理およびトラフィックシステムからは独立したオンデマンドのテレビ・サービスを提供しています。ARTE社は、このメディア資産管理ソリューションを引き続き使用する予定ですが、VoD(video-on-demand)サービスの実装を目指しており、このサービスは、フランスとドイツの両方で、2007年中に利用可能になる予定です。番組の量は上下する場合がありますが、高品質で文化的に意義のあるコンテンツを作成するというARTE社の目標は変わりません。
お客様情報
お客様名:
ARTE社
URL:
導入国:
フランス
業種:
メディア&エンターテインメント
ソリューション:
Content Management, Digital Media, Information Lifecycle Management, Optimizing IT, IT/infrastructure
製品・技術情報
本事例中に記載の肩書や数値、固有名詞等は初掲載当時のものであり、閲覧される時点では、変更されている可能性があることをご了承ください。
事例は特定のお客様での事例であり、全てのお客様について同様の効果を実現することが可能なわけではありません。
IBM、IBMロゴ、ibm.com、DB2 Universal Database、SANergy、System x、およびTivoliはInternational Business Machines Corporationの米国およびその他の国における商標です。
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