
去る2008年4月11日から17日、米国ラスベガスにて、世界最大の放送機器展「NAB 2008」が開催され、今年もIBMは出展いたしました。今年のIBMブースは、「魅力的なコンテンツを低コストで制作する」、「ワークフローを統合し、自動化する」、「視聴者との接点をもつ」の3つをテーマとして掲げ、SOAを採用した「Media Hub」を中心にさまざまなソリューションの展示を行いました。
IBMからメディア業界のお客様へ
現在、メディア企業が直面している課題は、「変化」にいかに対応していくかということでしょう。「変化」は、思っているよりも急速に、あらゆる方向から起きてきます。
魅力的なコンテンツを低コストで制作する
メディア企業は、競合企業をはるかにしのぐコンテンツ制作能力を持つ必要があります。できるだけ低コストで、視聴者が体験してみたいと思っている魅力的なコンテンツを提供し、競争優位性を差別化によって発揮する必要があります。
ワークフローを統合し、自動化する
増大しつづける視聴者の要求に応えるため、技術と柔軟なワークフローを導入する必要があります。その場しのぎの手直しは、結局は近い将来障害となってしまいます。いまから将来にわたっての強力な環境整備を推し進めるべきです。
視聴者との接点をもつ
収益を高めるためには、視聴者のニーズを迅速に把握し、視聴者が求めるコンテンツを新しい手段で提供できるように、新しいビジネス・モデルを構築する必要があります。視聴者と接点をもって、視聴者に関する貴重な情報を取り込み、活用することによって、視聴者の嗜好の変化を予測できるようになり、さらにその分析結果によって新たなコンテンツやサービスをより早く提供できるようになるのです。
こういった変化への対応をご支援するのが、今回IBMが展示を行った「Media Hub」とそれを中心とするソリューション群です。会場での「Media Hub」への注目度は高く、IBMブースには多くのお客様が訪れ、日本からも100名以上のお客様にご来場いただきました。
「Media Hub」の役割

図1. IBM Media Hubの役割
Media Hubとは、SOA(Service Oriented Architecture:サービス指向アーキテクチャ)の概念を導入して制作されたメディア企業向けのソリューションで、さまざまなアプリケーションの基盤として機能します。Media Hubはオープンなアーキテクチャを持ち、既存のさまざまなハードウェアやアプリケーションを標準的なインターフェースで接続することが可能で、システム全体の柔軟性と標準化を実現しています。将来、サービスが変わり、必要なアプリケーションが変化しても、アプリケーションを抜き差しすることで簡単にシステム変更が可能です。つまり、さまざまなアプリケーションを連携し、必要なデータに自由にできる環境を提供するソリューションが「Media Hub」なのです。
メディア企業の扱う素材やコンテンツは、従来のテープメディアから、ファイルとして保存されるように変わってきており、保存、加工、編集といった作業もファイル・ベース、ITベースへと変化しています。ITベースのインフラを構築する時、金融業界などですでに実績のあるSOAの概念を取り入れた基盤づくりは大変重要です。IBMが開発したMedia Hubは、「データ容量が大きい」といったメディア企業ならではの特徴に適合させたSOAベースのソフトウェアで、すべてのソリューションの基盤となります。オープンなインフラストラクチャーとして機能するMedia Hubに、IBMやそのほか多くのベンダーから提供される多様で強力なパッケージを接続すれば、統合化されたエンド・ツー・エンドのワークフロー構築が実現できます。
従来、メディア企業では、素材を収めたビデオテープを人が運び、編集機にかけ、編集が終わったものを完パケ(完全パッケージ。最終データのこと)として新しいテープに書き出し、それをまた人手で配信作業を行うというように、データは人手を介して受け渡しが行われ、ワークフローも人手でマネージメントされるという状況でした。
「Media Hub」は、ファイル化されたデータの管理、ワークフローの管理や自動化を行うための基盤を提供します。データの出し入れやデータ編集、フォーマット変換などは、必要な機器やアプリケーションソフトをMedia Hubに接続することで、ひと続きの作業、ワークフローとして処理することができるようになります。接続のためのインターフェースはオープンで標準的なものですから、IBMだけでなく、さまざまなベンダーの製品を自由に組み合わせることが可能です。
ワークフローは、「Workflow Builder」を使い、お客様自身で自由に書き換えることができますので、「テレビで放送している番組を、秋からWebでも配信することになった」といった場合でも、フォーマット変換や配信先の部分のワークフローを書き足すことで、すぐに対応が完了します。
既存のアプリケーションや新しいソフトウェアパッケージを接続したいといった場合も、それらが標準的な接続インターフェースを持ってさえいれば、簡単に「Media Hub」に接続することができ、ワークフローの中に自由に組み込むことが可能です。
次のページでは、Media Hubがご提供する具体的なソリューションをご紹介します。
