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インテリジェント・ユーティリティー・ネットワーク(IUN)

新しいエネルギー企業の姿

今日のチャレンジ
発電コストの上昇・環境対応の重大問題化・世界中のクリーンな電力に対する需要の高まりによって電力会社は老朽化した送配電網の更新を迫られています。現在電力会社を取り巻く環境は、企業に対してコスト削減と同時に企業資産の適切な管理とコントロールを求めています。しかしながら老朽化したインフラのために、多くの公益企業はリアルタイムの使用量把握や配電負荷の価値を反映した運用ができていません。その一方で、修理や改修のために限られた社内リソース資源を奪い合う結果となっています。同時に、上昇し続ける発電コストと料金に対する規制や利益の増大を期待する株主の要求とのバランスを取ることを求められています。気候の変化を意識した消費者も、公益企業に対してエネルギー消費やコストを削減するためのイノベーションを要求しています。

電力会社は岐路に立っており、経営者は難しい選択を迫られています。現状維持で行くのか。事業の選択と集中を進めるのか。アウトソースによってコスト削減を図るのか。新技術・新システム・新プロセスを導入するのか。IBMでは、最後の選択肢にフォーカスして電力会社が、明日への基盤を築きながら、現在の課題に対応するという二つの重大な目標を同時に達成するご支援を提供しようと考えています。

未来はここから始まる

クリーンで信頼性の高い効率的な配電設備への移行は必然的であり、IBMは電力会社に対して、インテリジェント・ユーティリティー・ネットワーク(以下、IUN)ソリューションを用意し、どのように電力が配電され、管理され、分析され、使われるのかという新しい仕組みをご提案しています。

このIUNソリューションは、財務的な課題・法制度に対するコンプライアンス・老朽化する設備といった伝統的な電力会社の課題に対応するものです。同時に、この柔軟なネットワークは、激しく変化する環境基準、市場における競合への対応、配電網のセキュリティ(途上国における盗電対策)、技術者の高齢化対策といった様々な要求への対応を可能にするものです。

IUNはオープン標準ベースのセンサー・ネットワークで配電機器・制御装置・アプリケーション・従業員・消費者といった電力会社の全ての要素を結ぶものです。これによって公益企業のネットワーク全体にわたるCIM(コモン・インフォメーション・モデル)およびイベント駆動型のSOAに基づいたデータ収集と保管が可能になります。

IUN基盤を活用して分析・シミュレーション・モデリングを行い、資源・プロセス・運用を最適化することができます。また、IUNを利用することで分散型のエネルギーや柔軟性の高い料金制度にも対応できます。

IUN技術を取り入れるということは、エネルギーを配信するというビジネスに対して重大な影響をもたらします。最初に、自動化された電力網(グリッド)では、停電の検知や修復が強化され、運用費用が大幅に低減されます。また、自動化された診断のような「自己修復機能」によって突発的な事象への対応が向上します。

インテリジェントな配電網によって、電力消費のピーク時間帯の電力使用を削減することに対するインセンティブを得ることが実現することで、消費者の行動にも変化が生じます。また、ビジネスのためのツールという観点では、このネットワークによって何百万もの電力消費状況を分析することが可能になり、その結果をさまざまなアプリケーションで共有し、より高度な意思決定を支援します。

ビジネスの環境を変化させることから消費者の意識を変えることまでIUNは公益企業の未来を転換するものといえます。

スマートな電力網を実現するための基盤として

IBMは、インテリジェント・ユーティリティー・ネットワークにおいてスマートで効率的、そして信頼性の高いシステムを実現するためのパーツを提供しています。

主要なもののひとつとしてアドバンスド・メーター・マネジメント(以下、AMM)があります。アドバンスド・メーターは「スマート・グリッド」を実現するための最初のステップです。AMMによって公益企業はこれまでのフィールド担当員による手作業でのメーター確認ではなく、遠隔地からセンサーを使って使用状況情報を収集できるようになります。それどころか、スマート・メーターは、定期的な間隔あるいは必要に応じて、自動的に電力使用状況のデータを収集して送信します。AMMはこれらの多くの情報を分析し、意味のある情報を抽出します。このナレッジによって需要の高まる時期の運用について、より効果的な判断をできるようになり、一方で消費者が電力利用の習慣や電力コストについての行動を変革することを支援します。

次にネットワークの自動化と分析(Network Automation & Analytics:NAA。以下、NAA)。インテリジェント化された配電網が生成する大量のデータは、人間が利用可能な形の「情報」に変換する必要があります。NAAによって自動的に生データを様々な用途で利用可能な形式に変換し、意思決定、ビジネス・インテリジェンス、技術的な分析やパフォーマンス指標といった形でオペレーションや計画に利用できるようにします。

これまで、電力会社が利用していた分析システムは個々に独立して用いられ、他のシステムと接続して利用されることはほとんどありませんでした。しかし、IUNのフレームワークによって公益企業はこれまでの投資の効果をフルに発揮するような柔軟でスケーラブルな分析システムを構築することができます。また、従来型の電力網を自動化された自己分析や事故回復を実現できるものに変革することもできます。

そして、エネルギー企業のためのソリューション・アーキテクチャー(Solution Architecture for Energy:SAFE。以下、SAFE)。 IUNを実現する基盤となるアーキテクチャーがSAFEです。SAFEは、オープンで柔軟なアーキテクチャーであり、AMMやNAAを財務・経理・顧客管理・人事・購買といった企業のシステムと結び付ける基盤となります。SAFEはSOAの考え方に沿っており、公益企業が新しいサービスを簡単かつ低コストで開発しお客様に提供できるようにします。

スマートな配電ネットワーク網の価値

より高いレベルの接続性と識別可能性を備えた配電ネットワークによって、正しい情報が、正しい場所の、正しい人に、正しいタイミングで届けられる状態を実現します。上手く設計され構築されたIUNは、公益企業とお客様双方にとって、戦略的なそして日常的な幅広い利益をもたらします。

オペレーションの最適化を推進することがIUNの根幹ですが、電力会社の所有する情報を有効に活用することによって、この最適化を継続することが可能になります。その結果、ネットワークの性能や信頼性の高まりとともに会社資産の活用度やワークフローの最適化を実現します。結果として、例えば停電の回数を減らし回復までの時間を短縮できます。

自動化されたスマート・メーターと分析システムを活用することで、電力会社はネットワークの末端まで含めたオペレーション状況を常時監視することができるようになります。ネットワークを構成する要素に何らかの故障が発生したことは即時に検知され、網全体に影響を与えないように網から切り離されます。停電が発生した場合に、電力会社は停電の発生を自ら認識しており、お客様からの問い合わせに対しても正確な回復時間の予測を回答できます。興味深いことは、実際にIUNを体験されたお客様は平均的に停電の時間が短縮されたと感じており、お客様サービスの満足度の向上という結果を示しています。また、スマート・メーターおよびセンサーによって、ネットワーク上の死角を減らすことができ、負荷バランスや安定性の向上を実現しています。

IUNを通じて常に網の状況を分析しているため、ピーク需要に対する対応が向上します。そして、正確な過去の利用状態や設備の利用状況を活用することで、網に対するメンテナンス計画が向上し、お客様に影響を与えないうちに信頼性にかかわるような可能性のある状況を把握できます。このようなリアルタイムでの資産の健全性把握と状態監視を行うことで、予定外あるいは瞬間的な送電停止の削減と電力品質向上につながります。

財務上のパフォーマンス向上

様々な観点でインテリジェント電力網は投資対効果(ROI)を実現します。
ひとつは、

その結果として、投資資本とメンテナンス費用を削減することができます。具体的には、メーター検針にかかる費用だけをとっても現状から25%から50%の削減が可能です。スマートネットワークを活用することで、検針や請求といった作業を自動化し効率化を実現できる部分がたくさんあります。さらに、配電網の情報をビジネス・システムと連携することによって、より現場に直結した形で意思決定できるようになります。

IBMのスマート・グリッド技術は、自動化とデジタル化の価値を最大限に活用し、エネルギーコスト上昇や設備の老朽化、より高信頼性への要求といった経営上の課題に対応します。

IUNはまた電力会社の経営にとって営業という観点でも価値を提供します。
リアルタイムに網の情報にアクセスできるということは、たとえば、電力会社の経営に役立つ情報を様々な観点で把握することができます。具体的には、変電所からメーターにわたる電力網の管理情報、従業員の管理、双方向の対話まで含めた顧客管理などあります。効果の点では大きな売り上げ向上や満足度向上につながるものからコストやリスクを低減するものまで幅広いものです。ワークフォースの管理だけをとってみても、検針の自動化によって現地へ出向いての検針の頻度や時間を削減することができます。電力会社は人件費やコストを削減し、正確な情報をすばやく入手し、より重要度の高いタスクに作業員を派遣する判断を行うことができるようになります。

規制当局やお客様への気配り

エネルギー産業を取り巻く環境は更なる規制の強化へと向かっています。IUNは、公益企業が、規制当局に対して適宜に報告できるように準備するために、リアルタイムに近い情報を収集し分析するための手段となります。

IUNはピーク需要に対する対応や信頼性問題への対応といった革新的な環境問題への対応を実現するための基盤でもあります。エネルギー問題に敏感な消費者に対して、インテリジェント・グリッドから収集された情報を公開するポータルを提供できます。これを利用することで、消費者は電力消費量やそのコストを家庭にいながらにして把握し、コントロールできるようになります。同様に料金上昇のアラート通知といったさまざまなサービスを利用できるようにもなります。同様に、公益企業自身も使用パターンに基づいた新しいサービスを迅速に提供できるようになり、クリーンな代替エネルギー源を利用したサービスが求められる中で、新サービスをポータルでプロモーションできます。

将来的にサービスに対する要求が高まるなか、IUNによって公益企業は環境問題に適切に対応すると同時にお客様満足を高めることができます。

IBMの実績

IBMはこれまで全世界でIUNのインフラストラクチャーを提供し、高い信頼性でのネットワークのデータ収集を実現しています。

IBMはIUNプロジェクトに対してインテグレーションのスキル・テクノロジー・IUNの様々なフェーズをサポートするエコシステムを提供しました。実際にセンターポイント・エナジー社やPepco社で実現をお手伝いしてきた実績があります。このような経験に基づいて、効果的なIUN実現に必要なビジネス・プロセスや技術的なアーキテクチャーについて理解しています。

加えて、様々な規模のエネルギーや公益企業に対して、革新的なソリューションを実現してきました。それを実現に際して検証・導入され・実証されたソリューションやメソドロジーを持っています。我々のエネルギーおよび公益企業向けのソリューションは主要なエネルギー企業で実証されており、変化に対応する適応力の高い柔軟なビジネス変革にフォーカスしたものです。さらに、グローバルのCoEやソリューションLABにおいて導入以前にソリューションを検証し、スケジュール・コスト・パフォーマンスといったリスクを最小化することができます。

コンサルティングやハードウェア・ソフトウェアといった技術的な観点から、経営や公益企業を取り巻く経営環境といった観点まで、幅広く用意されたIBMのリソースを活用して広範囲なサービスを提供します。計画の作成からビジネスケースの開発についてパイロットから本格展開までを提供します。また、インテグレーションの経験を生かしてセキュアな環境で包括的なIUNソリューションを管理しやすいスケーラブルな形で実現します。

公益業界に関する豊富な知識と経験は、業界をリードするパートナーとのエコシステムに支えられています。IBMは革新的で最適なビジネス・パートナーと共に、お客様のプロジェクト費用や導入・統合のリスクを軽減することができます。この業界についての適切なツールやメソドロジー・リソース、そして人材を提供することができます。

グローバルな能力とローカルな対応。お客様の経営環境を理解し、技術的な現状や業界を取り巻く環境を理解した現場のチームの後ろには、全世界160カ国において様々な公益企業を支援してきたリソースがどのような規模・複雑さであってもIUNの導入に必要な支援を提供します。ファイナンスについても、IBMグローバル・ファイナンス部門によるオファリングを提供しており、柔軟な支払条件を利用することで初期投資の負担を軽減しサービスの価値と支払いを合致させることができます。

IUNソリューションについてもっと詳しくお知りになりたい方は、当ページの右上「フォームでお問い合わせ」をクリックのうえ、件名を「IUNソリューション」としてお問い合わせください。

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インテリジェント・ユーティリティー・ネットワーク(IUN)

IUNの推進に取り組む日本IBM 川井 秀之の日経ビジネスオンラインのインタビュー記事および動画をご紹介。