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ストライキ、原材料の不足、受注残…。ビジネスの世界では、チャンスもピンチも突然に訪れます。だからこそ、企業は自社内だけではなく、仕入先や販売先、パートナーをも含めた現在の状況を常に把握しておかなければなりません。デマンド(要求)が支配する世界においては、まず始めにそれを正しく理解する必要があります。そのためには、リアルタイムにデータを入手するだけでは不充分です。「ライトタイムの(タイムリーな)情報」が必要なのです。
IBM ビジネスコンサルティング サービスにおいて、ビジネス・インテリジェンス・コミュニティーのグローバル・リーダーを務めるマイケル・シュローク(Michael
Schroeck)は次のように述べています。「ほとんどの経営者が、いまだに月例報告に頼っているというのが現状です。しかも、その報告が届くのは月末から2〜3週間も経ってからなのです。企業がビジネスにおける第一の目標として、売上の成長に回帰するのにしたがい、経営者たちは、重要な情報を毎週、毎日、および何らかの異変があったときに、リアルタイムで入手できるようにしようと努めています。しかし、そこで問題となるのはデータそのものではありません。重要なのは、適切な情報を、適切な人々に、適切な時期に届けることです。そしてそれは、すでに起こってしまったことに対処するのではなく、より多くの利益を生み出すための行動にとって必要となります」。
リアルタイムのデータとライトタイムの情報には決定的な違いがあります。リアルタイムのデータから得られるのは事実のみです。たとえば、“主要サプライヤーに発注した注文が処理されないまま27日間が経過した”ということだけなのです。一方、ライトタイムの情報では、“注文処理がこのまま滞り続け、製品構成が変わらないために人件費と設備費も現在のまま維持されると仮定すると、全体の生産量は10%減少し、収益は40%低下する”というような警告がもたらされます。
すでに財務、サプライ・チェーン、パートナー、従業員などについてのリアルタイムの情報が提供されるようになっている企業や、主要なビジネス・プロセスを監視することで、組織の弱点に関する情報を提供するアナリスト・チームを確保している企業もあるでしょう。しかし、そうした体制を整えていても、次のようなことが実現されていると言えるでしょうか。
- 経営戦略に照らして各部署を評価するための客観的基準を提供する
- さまざまな営業チームをひとつの目標の下にまとめる
- 工場長が立てる生産計画を日、週、または月単位でその地域の成長戦略に照らして評価する
BPM(ビジネス・パフォーマンス・マネージメント)バランス・スコアカードを適切に取り入れ、企業全体にわたってライトタイムな情報の活用を推進することによって、上記のような課題をクリアすることが可能になります。
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多くの人々がリアルタイムのデータとライトタイムの情報を混同しています。こうした人々は、IT部門やマーケティング部門が生データの洗い出しを行うことによって、経営陣が企業を成功へと導くための貴重な情報が生み出されるものと考えています。しかし、実際はそうではありません。リアルタイムのデータからライトタイムの情報を作成するための第一歩となるのは、統一的で、効果的な戦略です。そして、戦略を推進するのは企業のトップなのです。
リアルタイムのデータは、業務の結果がそのまま反映されるだけであり、新たなビジネスの構想、製品の発売、地域の発展や世界情勢の影響などは一切考慮されません。ビジネスの成否に影響を与える外部の出来事を特定するには、ビジョン、洞察、経験が必要であり、それを担えるのは企業のリーダーだけです。
マイケル・シュロークは、まず始めに経営者が経営戦略を立てるよう勧めています。その後、その戦略をサポートする主要なビジネス・プロセス(販売チャネル、製造、サービスなど)にそれを反映させます。さらに、それらのビジネス・プロセスを指針とすることによって、各プロセスの成功を定量化するKPI(キー・パフォーマンス・インディケーター:主要業績評価指標)を特定できます。KPIは、単純な業務のリアルタイム・データ(日々の売上高など)であることもあれば、ライトタイムの情報(既存の運用コストを考慮に入れた受注出荷比率など)となることもあります。
以上からシュロークは、KPIに対してどの部署が責任を負うのかを明確にするBPMスコアカードを作成することを提案しています。まず経営戦略を立てることから始め、その戦略の成否を監視するための客観的な基準をKPIによって設定します。そして、BPMスコアカードを使ってその戦略を徹底的に推進することにより、個々の社員を包括的な経営戦略に照らして評価できるようになります。ライトタイムの情報を活用することによって、最終的には、成功というひとつの目標の下に企業全体を統率することができるのです。
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リアルタイムのデータをライトタイムの情報へと変えるには、どうすればよいのでしょうか。そのプロセスに着手するための出発点を以下に紹介します。
- 現状を見直してください。現在どのような情報を入手できますか?どのような情報が必要ですか? その情報は利用しやすいですか?また、信頼できますか?
- 手元にあるのはデータですか、それとも情報ですか?“生”データと呼ばれるのには理由があります。生のデータはそのままでは使用できません。データを処理したりプレゼンテーションに使用したりするには、ふるいにかけたり、洗い出しを行ったり、形を整えたりといった入念な下準備が必要になります。
- 恐れていては何も始まりません。データ目録を作成するのは結構ですが、既存のプロセスやデータ構造が最善のものだと考えるのは間違いです。まず、各ビジネス・プロセスにとって最適な情報のあり方をトップダウンのアプローチによって特定し、その後、その必要性に応じた“情報サプライ・チェーン”のリンクを設計します。作業量は増えるかもしれませんが、組織内の既成のデータだけで満足していては何も変わらないのです。
- IBMにご相談ください。熟練の専門家にとっても、データを価値ある情報へと変えるのは容易なことではありません。正しいパートナーを選ぶことが成功への第一歩です。IBMには、社内ビジネスやお客様のビジネスにおいてリアルタイムの情報の透明性を確立してきた豊富な実績があります。また、さまざまな業界についての深い専門知識や、個々のビジネスのニーズに合わせて効果的かつ現実的なソリューションを見出す専門家など、お客様が必要とするツールを提供することができます。
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