未知の世界へ
革新的な企業は、チャレンジを後押し
シリコン・バレーの先端企業でも、「クリエイティブ」とか「イノベーション」といった肩書きのある職種はほとんど見かけません。しかし、イノベーションを真摯に追求する企業が増えてくると、独創的で革新的な発想を必要とする職務内容もまもなく見られることでしょう。
チャレンジに必要なアイデア、デザイン、コンセプトを空白ページに書き込む内容は、チームで行われるのがベストです。採否を決定する人がいない環境で、グループ内で「ブレインストーミング」を行い、思いついたアイデアを出し合い、出たアイデアをわざわざ正当性を説明しなくても残すようにします。目的は、お互いのアイデアを出し合うことで、さまざまな意見をまとめることです。ジョン・パトリックが各企業に促したことは、「イノベーションの信奉者を探し出し、その人に全権を与え、時間をかけずに問題を解決する」ことでした。
同氏の記事「Come Together:The Mystery Of Collective Intelligence」*で、クレイグ・ハミルトン(Craig Hamilton)氏は「米国中で、いや世界中のいたるところ、企業の役員室から社会改革シンクタンクまで、人は皆共同で新しいチャレンジに参加したい衝動にかられてます」と述べています。
その名称は何であれ、たとえば、集団知性(コレクティブ・インテリジェンス)、チーム・シナジー、コンカレント・エンジニアリング、集団的意思決定(グループ・シンク)であっても、「個人の発言が有効な環境で、人々が共有意識を持って参加するとき、参加している個人個人の能力と知性をはるかに超えた、マジックが起きるものなのです」
このように、イノベーションを起こそうとするパワーは計り知れません。
創造的なプロセスには、あらゆる種類のアイデアをトライする、有望なアイデアを実現する、そして必要に応じてそのアイデアを修正し、練り直し、再検討するといったことがあります。鍛錬と忍耐力は公式の一部なのです。障害を克服し、壁を乗り越えるには、チームの団結力が必要です。厳しい作業でも、その結果は計り知れない価値があるはずです。
<アービング・ラダウスキー・バーガーとジョン・パトリックのインタビュー>
アービング: 独創的な発想は、イノベーションを進めるにはとても重要なことですが、それだけでは十分とはいえません。というのも、独創的な発想が十分で、アイデアがあっても、それをまとめてこそ成功したといえるのです。
ジョン: これは、スカンク・ワークス(skunk works)の領域です。私はそれをあえてスカンク・ワークスと呼んでいますが、高度な研究や開発作業、技術面のプロトタイプといったものを指す言葉と考えてください。これには聞こえのいい名前を付けることもできますが、失敗を恐れず、自由に研究できるグループです。ここでは、アイデアの試行を繰り返し、よい結果を得たものは、研究を進め、悪かったものについては中断する。それをただひたすら繰り返すのです。
ジョン: それは開放して、誰にでも好きなことをさせる場所ではありません。実験環境、他に適切な言葉が見つからないので、しいて言えばこのスカンク・ワークスと呼んでいるものは、コントロールされた環境であるべきです。
アービング: 偶然に、目を閉じたまま、バットを振ってボールにあたるいうこともあるかもしれませんが、そういったことがそんなに頻繁に起こることではありません。
ジョン: 失敗が許されるとはそういうことです。失敗しようとする人はいないとしても、会社の社風や環境がその失敗を許さないようだと、イノベーションは成功しないでしょう。
* 「What is Enlightenment?」誌での発表(2004年5月から7月)
|