たとえば、アンチウィルス・ソフトウェアは、ユーザーの PC が感染してしまった場合にシステム上で後から実行する、事後のツールと思われていることが多いようです。ウィルスが潜入して増殖ししまう前に、ウィルスを検出して撃退するリアルタイムのツールを使用したほうがよいでしょう。同様に、誰かがシステムをハッキングしようとしている場合、侵入検知ツールは、何者かがシステムに入ろうとしていることを知らせてくれますが、必ずしも不正侵入者を追い出してくれるわけではありません。そのようなわけで、ファイアウォールと他のセキュリティー対策をオペレーティング・システムに組み込むことが、IBMセキュリティー・アーキテクトSteve Badeの考えるシステムへの侵入者に対する最初の防御です。「IBMのオペレーティング・システム(OS)は、強力かつ頑強なアクセス管理メカニズムを備えています。IBMのOSにはすべてユーザー IDとパスワードをチェックする機能があり、ユーザーに対してオペレーティング・システム・レベルのアクセス認証を行うデジタル証明書が使われます」
実際に何者かが侵入した場合、暗号化機能が搭載されていると、莫大な損害を防ぐことができます。たとえば、IBM eServer zSeries® システムでは、暗号化コプロセッサーが使用可能です。IBM eServer 暗号ハードウェア製品開発チームのリーダー Barry Wardが語っているように、「何者かがシステムに侵入しようとしても、暗号化により、データを利用できないようにすることができます」これにより、セキュリティーが確保され、何らかの情報が改ざんされたり盗難されたりした可能性があっても、侵入者に対して、その情報はほとんど役に立たないものであるということが保証されているのです。
「IBM eServer 暗号化コプロセッサーは、物理的な侵入に対して米国連邦政府の最高レベルの防御を提供します」と Barry Wardは語っています。「このカードは、ユーザーを特定し、各ユーザーが実行できることを設定するアクセス制御を行うファームウェアを備えています。暗号化コプロセッサーのもう一つの重要な特徴は、これらはプログラム可能であり、ユーザーがカスタマイズできるという点です。つまり、自分の固有のアルゴリズムまたは固有の暗証番号で処理を行うことができます。このことにより、お客様はIBMに頼ることなく必要な機能を柔軟にプログラムに取り入れることができ、独自のビジネス・ニーズに迅速に対応することができます」
「電子商取引を行う場合は必ずSSLを使用しなければならないと誰もが言います」と Steve Badeは語っています。「それは事実ですが、情報を盗んで不正に利益を得たい人物から見ると、一人のクレジット・カード情報の入手には、そのリスクに見合う価値はありません。一つには、一人のクレジット・カードでは金銭上の利益がそれほど多くありません。しかし、重要なことは、その一枚のクレジット・カードを手に入れることで、一万枚のクレジット・カードを保管するデータベースを攻撃できる可能性が出てきてしまうということです。投資に対する利益はさらに大きくなります。攻撃する者として、自分の労力をどこに使おうと思うでしょうか」